にがくてあまい 番外編 柿とさつまいもの豆乳マヨサラダ

今月の『にがくてあまい』は本編を離れた番外編です。主役の「マキ」と「渚」がとりとめもなく会話を重ねており、長屋で同居するふたりの日常のひとコマを切り取っています。話のテーマは兄弟姉妹。この漫画には何組かの兄弟が登場し、実の兄弟でなくとも、兄弟姉妹のような関係を見せるふたりもいます。そして「少し大きめの妹」も?

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

『にがくてあまい』は登場人物たちが互いに影響を与える物語です。あるときは片方が相手を諭したり助けたりするし、時が経ってシチュエーションが変わると立場が入れ替わり、助けた側が助けられる。そういう「影響を与え合う関係」の連鎖が物語に横たわっています。

「影響を与え合う関係」を支える要素のひとつが、兄弟姉妹の、あるいは兄弟姉妹的なつながりです。たとえば兄だから兄としての気持ちや考えが分かるし、誰かが自らの兄について悩んでいるときに、さらりとアドバイスすることができる。その反対も然り。兄弟姉妹に加えて親子や夫婦という関係も絡んで、物語はさまざまなトピックを語り、さまざまな展開を見せてくれます。

1巻から読んでみると、いろいろな話が描かれているのが分かります。それらが地層のように堆積して今に至っています。今回の番外編は、登場人物のちょっとしたおさらいみたいな役割を持った回です。もうすぐ11巻が発売され、そして実写で映画化されることも決定していますが、この機会に最初の方を読んでみるのもいいかと思います。

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