Ammuniton_02_-_コピー

Krewella – Ammunition

Jahan Yousafは "krewella is back? nah we've been here all along(Krewellaが戻ってきた? そうじゃない、ずっとここにいたんだ)"とツイートしました。

Krewella(クルーウェラ)が新作のEP「Ammunition」をリリースしました。EPとは「シングルよりは長いがアルバムよりは短い」作品のことを指します。「Ammunition」には6つの新曲が収録されています。そのうち、Diskordというイギリスのグループと共作した「Beggars」はミュージック・ビデオが製作されています。他の曲については音源がYouTubeにアップされています。

2013年にアルバム『Get Wet』をリリースしてから、まとまった作品群をリリースできなかったKrewellaですが、ここに来てようやくリリースが実現しました。メンバーの脱退(その一言で片付けてしまうのはフェアではありませんが)が引き金となり、それまで制作していた曲を思うようにリリースできない状況が続きました。2人になってから、Krewellaは「Say Goodbye」や「Somewhere to Run」を配信しましたが、いずれもインディーズの扱いでした。今回の「Ammunition」はアルバムと同じレーベルからの発売です。

Get Wet: http://inthecube.exblog.jp/23129395/
Say Goodbye: https://note.mu/iamfjk/n/n4121f4783c6f
Somewhere to Run: https://note.mu/iamfjk/n/nca18721794d6
Somewhere to Run (Live Lyric Video): https://note.mu/iamfjk/n/n7197737a4288

第一印象に従い、いくつかの曲を紹介しましょう。「Marching On」から得られる高揚感は、これぞKrewellaの音楽だと思わせてくれる特徴です。♪We're marching on!♪ と叫んで一気に盛り上がり、パーカッションが乱舞するところが特に好きですね。音も声も扇情的なのですが、EDM的なパーティー・ソングとは異なる感じがあります。脳の中をコントロールされているような…表現は気をつけねばなりませんが、"march on(前進する・行進する)" という言葉が表わすように、音に、声に導かれていきます。

Krewellaのサウンドは大きく括ればエレクトロやEDMですが、分解してみるとドラムンベースの曲が一定の割合で存在します。「Surrender The Throne」もドラムンベースのリズムでぐいぐいと聴き手を引っ張ります。最初は穏やかな、アコースティック・ギターが陰鬱に響く、それこそ凪のような雰囲気ですが、ストリングスやリズムが加わり、時が満ちるのを待っていたかのように強烈なシンセサイザーとリズムの嵐に見舞われます。

Can't Forget You」ではキャンバスの隅々まで色を塗るイメージが浮かびます。絵筆は歌声、絵の具は言葉。語りかけるように、訴えかけるように、宣言するように2人は歌い、言葉をつなぎます。終盤にかけてダイナミックに盛り上がります。曲は、これからのKrewellaの活動を期待させてくれる、満ち足りた雰囲気で終わり、それと同時にEP「Ammunition」も幕を下ろします。

Krewellaの2人はメールマガジンで、ファンである「Krew(クルー)」に語りかけます。久しぶりのリリースであることを簡単に述べたあと、「あとはただ聴いてほしい。作り出した自分たちと同じくらい、このEPを楽しんでほしい」と結びます。クリエイトする側も、聴く側も気持ちは少しも変わらない。音楽を生み出すこととそれを楽しむことは等価である、ということですね。その熱い想いをEP「Ammunition」から、そして2人の音楽から感じましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?