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Alesso and John Alto「Lonely Heart」:1983年のヒット・ソングをEDMでアップデート、40年を接続するタイム・トリップ

2024年にアップデートされた1983年のヒット・ソング。1980年代におけるYesの代表曲である「Owner Of A Lonely Heart」をAlessoが解体し、EDMで再構築しました。タイトルを「Lonely Heart」とし、John Altoが歌を吹き込んでいます。YesもAlessoも好きな自分にとって渡りに船のリメイクです。

原曲の「Owner Of A Lonely Heart」はTrevor RabinとTrevor Hornが主導して、orchestra hitを盛り込み、伸びやかなギターを効かせたロック・ソングです。1980年代特有のライトな雰囲気が大いに感じられ、その軽さや華やかさが強烈な個性を確立させました。とはいえ1970年代ロックと比較して受け入れられなかった人も少なくないとは思いますが。

「Lonely Heart」では重いリズムが印象に残ります。オリジナルを破壊するかの如くEDMの重厚さを強調しますが、完全に切り離されたわけではありません。どこかorchestra hitを想起させる音が原曲へのブリッジになり得ます。原曲のメロディや歌詞が反映されたボーカル・トラックを抜いたらどうなるのか。印象が変わるにしても、どのように変わるのか興味があります。

40年前の音楽シーンに関心のないEDM loverが「Lonely Heart」を聴き、遡って「Owner Of A Lonely Heart」を聴いたら何を感じるのでしょうか。雰囲気の違いに混乱する、当時の他の曲を聴いてもっと驚く、さらに遡ってプログレ時代まで興味を持つリスナーがいるかもしれません。今僕らが聴いている音楽は果てしなく続く大河の先端部分。源流を目指せば、知らない音を知り、世界は拡がります。そうした音楽探求のロマンに目覚めるトリガーに「Lonely Heart」がなるのか、楽しみです。


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