Steve Aoki and Backstreet Boys「Let It Be Me」:美声の魅力を増幅し、ハーモニーを支えるサウンド
エレクトロニック・ミュージックの世界では、時として大胆なコラボレーションが見られます。そのひとつ、Steve AokiとBackstreet Boysによる「Let It Be Me」という曲がリリースされました。1990年代後半から活動するBSBは、言わずもがなですが、優れたボーカルの技術を持ちます。素敵なハーモニーで届けられるBSBの美声が、Steve Aokiの音を得て素晴らしい曲を生み出しました。
Steve Aokiは桁外れの分厚さでシンセサイザーやキックを響かせるEDMをつくる一方で、シンガーたちの美声を活かした美しいサウンドもまた得意としています。僕はBTSとの「Waste It On Me」がとても好きなのですが、それに通じるものをこの「Let It Be Me」に感じます。美しい歌声が絡み合い、そしてその輝きは音によって一層強くなります。
目の眩むようなゴージャスな輝きというよりは、暗闇に光る一点の輝き。手探りで進む自分を導いてくれる救いの光という感じでしょうか。これまでBSBの曲を聴く機会はほとんどなかったのですが、このコラボレーションを聴くことで、彼らの歌声の素晴らしさに感銘を受けました。その魅力を知り、またひとつ新たな音楽体験ができたことに感謝します。