TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days -STAND 3 FINAL-
前回のツアーが終了したのは2023年11月末のこと。わずかなインターバルを挟み、TM NETWORKの2024年が〈TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days -STAND 3 FINAL-〉と題したツアーで幕を開けました。少し先の未来には、40周年記念のプロジェクトが予定されています。埋め込まれたキーワードは「YONMARU」という文字列。サブタイトルに「STAND 3 FINAL」を加えた今回のツアーは、YONMARUの前夜祭といった位置付けでしょうか。
2023年に続き、またもセット・リストが大幅に変更されました。引き継いだ曲は数曲で、歌モノは「DEVOTION」だけです。前回のツアー閉幕から今回のスタートまで二ヶ月未満。少なくとも三分の一は変えずに音をアップデートするかと思いましたが、ここまで顔触れを変えたことに驚きました。特に意外だったのは「GET WILD」が外れたことです。リリースされた1987年以降、決して皆勤だったわけではないにしても、イベントを除くライブで演奏されないのは珍しいといえます。『シティーハンター』と関連した前回で「GET WILD」も中心的な役割を担ったため、対比で今回は外したのかもしれません。あるいは、YONMARUに向けて一度潜伏させておく算段なのでしょうか。
一曲目に披露された「NIGHTS OF THE KNIFE」をはじめ、ミディアム・テンポの曲の割合が比較的多かったことが特徴です。EDMのアグレッシブさを控えたエレクトロニック・サウンドは、歌やメロディを中心に据えたアレンジという印象を受けました。木根さんが弾いたのがアコースティック・ピアノということも、ライブに柔らかいイメージを与えます。ポップスの要素が強いライブ、あるいは初期のライブに近いといえるでしょうか。とはいえ「LOVE TRAIN」や「NERVOUS」も演奏されたので、着席して聴くタイプのライブではなかったのですが。
久々にセット・リストを飾る曲もありました。特筆すべきは「YOU CAN DANCE」と「COME BACK TO ASIA」でしょう。前者は1994年、後者に至ってはリリース当時のツアーにまで遡ります。どちらも僕はライブで聴いたのは初めてです。また、「アクシデント」は2014年にリメイク版が披露されましたが、今回のようにオリジナル(リリースは1985年)に準拠したアレンジで演奏するのは1994年以来です。いずれも分厚いエレクトロニック・サウンドが曲を支えていて、バンドの音がメインだった頃とは印象が異なります。懐かしいと思える曲を演奏しても、ステージで注入される音は現在進行形のサウンド。それがTM NETWORKのライブです。
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