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大大大大大好きな君へ♡(アニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』オープニングテーマ):音とメロディが表現するのはクレイジーな物語のポジティブな疾走感
「週刊ヤングジャンプ」で連載中の漫画『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』が2023年にアニメ化され、第二期の制作も決定しています。第一期のオープニングで流れたのが「大大大大大好きな君へ♡」という曲です。いわゆるキャラソンであり、登場人物五名(羽香里、唐音、静、凪乃、楠莉)のボーカルをつなぎます。放送終了後にリリースされたシングルには、フルレングスとインストゥルメンタル、ソロバージョン、そして主人公(恋太郎)が歌うバージョンが収録されました。
ぎっしり高密度のロック・サウンドに、フックの効いた美麗なストリングスが重なります。アップテンポで起伏と緩急に富んだ展開はジェットコースターのよう。そうした音が運ぶメロディにも魅せられます。ピアノも歌う、ベースも歌う、ストリングスも歌う――あらゆる音がメロディアスで、明るくポジティブな気分にさせてくれます。UNISON SQUARE GARDENの田淵智也が弾くベースが素晴らしく、とりわけ♪してくれるから♪の部分は絶品です。
五人の歌声がリレーするオリジナルでは、歌い手の個性が移り変わる様子が楽しい。さらにソロバージョンを連続して聴くと、個性あふれる表現をもっと深く楽しめます。どのトラックも魅力的ですが、なかでもインパクトが大きかったのが「凪乃(CV: 瀬戸麻沙美)」の歌です。キャラクターとして話すときは基本的に感情を抑えた声でしたが、このボーカルではカラフルな感情が響き渡ります。音を伸ばす歌い方が好きで、特に♪大好きな人 大好きな人♪は何度聴いても素敵です。