Martin Garrix and Pierce Fulton「Waiting For Tomorrow [feat. Mike Shinoda]」:EDMに組み込まれたMike Shinodaの歌声
Martin GarrixのEP「BYLAW」に「Waiting For Tomorrow」という曲が収録されています。Pierce FultonというDJ/プロデューサーと共作しており、ボーカルとして参加しているのはLINKIN PARKのMike Shinodaです。まさかMikeがMGの曲に参加するとは思いもよらず、このコラボレーションを聴いたときには感動を覚えました。LINKIN PARKとしてSteve Aokiとコラボレーションしたことはありますが、EDMでMikeの声が響くケースは少なく、それだけにこうして聴けるのはとても新鮮であり、嬉しく思います。
「Waiting For Tomorrow」はポップな要素を多く含みつつ、深みのある音の展開がとても魅力的な曲です。ポップ・ミュージックとして楽しく聴け、それと同時に、EDMらしく激しいエレクトロニック・サウンドにヒートアップします。Chorusで響くシンセサイザーのリフが心地好い。
VerseやPre-ChorusにおけるMikeの抑え目な、それでいて厚みのある歌声は、シンセサイザーで引っ張るChorusに向けた助走となり、エネルギーを溜め込みます。Mikeの ♪Waiting for tomorrow♪ という声をトリガーにして一気に音が弾けるEDM的展開がもたらす快感。それはもう筆舌に尽くしがたい。
LPはヘビー・ロックのバンドですが、エレクトロニック・サウンドを取り入れることが多く、特に『REANIMATION』や『RECHARGED』などのリミックス・アルバムではエレクトロに積極的に接近していました。もともとエレクトロニック・サウンドとは親和性が高いんですよね。大胆にEDMに寄せた曲は先述のSteve Aokiとの「A LIGHT THAT NEVER COMES」ですが、これはLPらしさが見受けられます。Chester Benningtonのボーカルも入っているからでしょう。
「Waiting For Tomorrow」にLPの要素はもちろん見られず、それどころかMike自身の色すら薄めて、MG/Pierceのサウンドに溶け込んでいます。シンセサイザーを軸にしたEDM的な盛り上がりをサポートする歌声、EDMにおける重要なパーツとして機能する歌声。LPやソロとは異なる、Mikeの歌の新しい一面、新しい魅力を見ました。
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