【映画鑑賞メモ】へレディタリー/継承【ネタバレあり】
2020年8月7日(金) DVDにて鑑賞
字幕版
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ずっと見たいと思っていたけれど一人で見る踏ん切りがつかなかった作品。
友人と映画鑑賞パーティーをしようということになりいい機会なので一緒に鑑賞。
話題の『ミッドサマー』のアリアスター監督の長編デビュー作品です。
『ミッドサマー』もまだ見ていないのでこちらも見ないといけないですね。
ずっと見たかったので、いろいろと前評判や感想を読み漁っていまして。
期待度と恐怖感だけが見る前なのにピーク。
全体的な感想としては、役者の表現と映像としての表現がこれでもかというほどの相乗効果で恐怖を演出してきました。
個人的な期待を裏切らない恐怖。
最近のホラーでは忘れられかけていた恐怖なのではないかなと思います。
人間の原始的な恐怖感情に訴えかけてくるというか。
きっと人類が抱いた”恐怖”という感情の根本的なものはこういうものなのかな、、、、とか思いました。
伏線のちりばめ方(回収されているかどうかは別として)も緻密に感じます。
以下、自分の鑑賞メモに残されたキーワードを拾いながら書き出していきます。鑑賞後に友人と議論したり、ネットの解説を読んで得た知見も織り交ぜております。
◆クリッカー音
作品を通して使用されている「コッ」という印象的な音。
妹のチャーリーが鳴らす音です。クリッカー音というのですね。
鑑賞後しばらくはこの音が聞こえたら鳥肌が立つと思います。
ネタバレになりますが、これは悪魔「ぺイモン(パイモン)」の存在を表す音(めちゃくちゃ平たく言うと鳴き声と表現してもいいのかな。)
チャーリーが鳴らすこの音は、その身にぺイモンが宿っていることの表れです。
最後に兄のピーターにぺイモンが宿るため、この音が鳴ります。
◆チャーリーという存在
日本人的にはあまりピンとこないのかもしれないですが、妹の「チャーリー」は男名です。
後ほど明らかにされるように、祖母のエレンは母のアニーからピーターへの接触を制限され、チャーリーに固執しました。ぺイモンは男性の肉体を借りる必要があるため、あくまでチャーリーの肉体は仮宿でしかないのですが、その仮宿に男性の名前を付けるのは祖母の意思がうかがえます。
◆主人公の移動、信頼できない語り手
冒頭からずっと、主人公が定まらない状態のまま物語が進んでいきます。
しいて言えば母のアニーかな?という感じですが、終盤でそれも違ってきます。ピーターっぽい感じもするし。
主人公を決めることができないので、主人公の視点で物語を眺めることができません。ずっとふわふわした感じ。絶妙な居心地の悪さです。
確かに途中まではアニーの視点のような気もするのですが、アニーが精神的に不安定になってくるので、語り手としての信頼度が下がります。本当にこの物語が真実として進んでいくのか不安な状態なわけです。
◆ジョーンの存在
これについてはいろんな説を読みました。また友人ともここは解釈が一致していないのですが、私個人としては、ジョーンはアニーの妄想説を推したいところです。ジョーンが直接的にはアニー以外の前に現れないということが大きな理由。ピーターの前で叫んでいるシーンもありますが、それが本当に実在するジョーンの姿なのかはわかりません。
アニーのもう一つの人格がジョーンである、というのが可能性としては大きいのではないかなと思います。
嫌がるチャーリーを無理にパーティーに行かせたのも、アニーとは違うジョーンの人格が作用しているということです。エレンの死体を掘り起こし屋根裏に置いたのもアニー(ジョーン人格)。終盤でジョーンの写真を夫に見せるシーンがありますが、そこでも写真は写っていません。ジョーンなんていなかったのではないのでしょうか。
◆ジョーンの家でアニーが吐き出した黒い玉(?)
これについては全然わかりません。。。
解説記事も探してみたのですが、何とも。
一体あれが何だったのか、どういう意味を持っているのか、謎です。
もう何回か見直して考察を深めないといけないポイントです。
これは前述したジョーンの存在についてともかかわってきそうなポイント。
◆アニーの兄の存在
◆アニーのミニチュア
→精神病のミニチュア、箱庭療法の一種
◆偶然と妄想の現実世界への干渉
◆エレンの死=トリガー
◆家族という檻、不条理
→アリアスター本人が何かあったらしい。
最後にいくつかこの作品の考察とか記事を載せておきます。
以上です。
また見よう。。。そしてミッドサマーを見よう。。。