見出し画像

【映画鑑賞メモ】SUSPIRIA(サスペリア・1977)【ネタバレあり】

2020年10月10日(土) Paraviにて鑑賞
字幕版
=================================

”決してひとりでは見ないでください”

このコピーが有名な伝説的ホラー映画です。
とか言いながら名前とあらすじしか聞いたことがなくてやっと鑑賞しました。
コピーに反して一人で。。。。

舞台はドイツにあるバレエの名門校。
新入生のスージーがアメリカから留学してくるところから物語が始まり、登場人物はその学校の生徒や先生、寮母さん(?)などなど。
主に学校と生徒たちが寄宿する寮が舞台です。

なんとなくオカルト系ホラーだなというくらいしか前知識なく鑑賞し始めたのですが、序盤からその世界観に引き込まれる作品です。
まず全体を通して印象的なのが舞台美術(セット)、そして色使いです。

最初から最後まで、「赤」が非常に強いインパクトで迫ってきます。

主人公のスージー可愛いなあ(ほっこり)なんて気分で見始めてましたが、すぐに赤いライティングや背景が不安な気分にさせてきます。
もうずっと、なんか赤色が見えると不安な気持ちになってきます。
しかもその赤色がやたら鮮やか。
人間味のある血の色、というよりは、どこか人工的なようなポップな感じの赤色なのです。むしろ血の色のほうが温かみがあってここまで不安にならないのだろうなと思う。
最初に女学生のパットが殺されるシーンしかり、鮮血の色としても用いられている色ですが、人工的なのでなんだか死体がモノみたいで逆に変な恐怖心を持たせるというか。
この不安な赤色が全編を通して視覚的に恐怖を煽ってきます。

後半になると、赤の補色の緑や、青白いライティングが使われるようになるのですが、これはどんな意味があったのでしょう。
緑の演出が印象的だったのはサラが逃げ出す直前のスージーの部屋。
扉を開けると真っ赤な廊下でしたから、あの部屋を緑にする意味が何かあったのだと思います。
なんだか全体的にふわふわして、全部少女たちの妄想だったのでは??という考えもちょっと浮かんできちゃったり。(カルト系にありがち)
そしたら緑と赤がそういう意識下の世界線の区別として使われてるとかあるのかな。

青白い照明はサラが死ぬ前の部屋。
これも赤にしない意味は何かあるのだと思います。

あと色彩の主張を持たない精神科学会の無機質な感じも対比としてよかったですね。

ちょっとここで疑問に思った点を少しつらつら
・それぞれの色の持つ意味、背景
・スージーが翌朝改めて学校を訪れたときに男性が「赤いハンカチ」を持っている。
・サラ(Sarah?)とスージー(Susie?)の頭文字「S」(snakeのS)は何か意味がある?
・ヘレナを破るのがスージーである意味は何かあったのか(血縁的な?)。魔女の力に打ち勝てたのは運だけでなないはず。叔母に何かある?
・スージーが寄宿していた学友(名前忘れちゃった)の子の伏線が何かあった気がするけど何もないのかな。電話のシーンとかあとで伏線回収あるんじゃないかと思ったけど、見落とし?
・目が黄色くて腕毛が濃いあの人?生き物?魔術?はいったい何なの?腕毛濃すぎて印象的。
・青いアイリス→青いカーテン→黄色い廊下の色の変化は何か意味があるはずだ。
・マーク(だっけか、名前忘れちゃったけどスージーに好意を寄せてそうな男の子)はただの可愛い男の子という位置づけで終わりでよいのか?何かありそう。

全体的にもっと私が気づけていない伏線がたくさんありそうだなというのと、もし回収できてないのならもっとちゃんとしてほしいなという感想。

こちらの記事に解説が詳しく記載されていますが、やはり回収しきれていない伏線も多くあるようですね。。。

しかしながら、ホラー映画としてとても面白い作品でした。
個人的に好きなポイントとして、幾何学・サイケ感のあるセットと音楽(プログレバンド「ゴブリン」が担当しているそうですね)、それと鏡や窓の映り込みによる演出がよかったと思います。

リメイク版のほうは伏線回収がきちんとされているようなので
早くリメイク版見よっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?