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キューピー/夢野久作【読書メモ】
日本のダルマさんが向う鉢巻でタワシ細工の熊に乗っていの一番に飛び出す。あとから独逸ドイツ生まれのブリキの兵隊が木造りの自動車で駈け出す。仏蘭西フランス生まれの道化人形は英国生まれのねむり人形と一緒にそのあとから走り出す。みんな出て行っておもちゃ箱は空っぽになりました。
冒頭から勢いのある描写が好き。
みるとかわいそうに、キューピーはお腹も何もピシャンコになって、青い眼を泣き腫はらして寝ています。みんなは大喜びで連れて帰って、寄ってたかって介抱をして、もとの通りにふくらましてやりました。
三毛猫はその後大きくなって、家中の鼠を皆捕って殺してしまいました。
子供向けの童話かと思いきや、「お腹も何もピシャンコ」になったキューピー(ピシャンコって表現がなんかいいですね。)を想像するとちょっとだけ残酷な描写。
そこから何事もなかったようにネズミが皆殺しにされてしまうのもテンポが良くて好き。
過去に朗読したこちらも併せてお聞きください。