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【卒展】メインビジュアル決定の裏側【IAMAS】

IAMASの修士研究発表会IAMAS2025のメインテーマとビジュアルが発表されました。
これらがどんな過程で、どのような想いを込めて作られたのか、対談形式でインタビューを行いました。

上記の記事では対談の前半の、テーマ「苦悩と誠実」について語っています。

ここからは後半として、メインビジュアルについての内容です。

IAMAS生の制作過程における思考回路が垣間見れるトークとなっています。
ぜひ最後までお読みください!

実行委員長 成瀬陽太(以下、サンタ)
デザイン班 徳保晴人(以下、ハルト)
デザイン班 Jung Jieyun(以下、じゆん)
インタビュー 松井美緒(以下、松井)


松井
——では、ビジュアルについて聞かせてください。まずどういった過程を経てこれに決まったんでしょうか。

ハルト
タイトルはなんとなく一緒に決めながら。で、どういうビジュアルにするかを話し合いつつ、考えをみんなで共有しあって進めました。

6月ごろに、やりたいこととか、作りたいビジュアルだったり、誠実さってどういうもので表現できるかなとか、そういったことを話した。

この辺はじゆんが先導して分類分けとかしてくれてたよね。

"Figma"を用いてチームでアイデアやメモを共有する

じゆん
Honestyのようなグラフィックってなんだろう?って集めて、そのグラフィックの中で、「いや、どっちかって言うとこっちだね」という話し合いができるように分類した。

ハルト
この中で、やっぱ「IAMASカラー」って良かったよねとか、そういう色味の話とかも出たし、じゃあHonestyを表現するんだったらどういうモチーフを使うのがいいんだろうかっていう話になったりして。

2023年以前の公式ページはブルー中心のデザイン
現在の公式ページでは差し色として使用されている

他には、誠実さを表すために不誠実なもの見せることで、誠実さが際立つとかそういうのありかなとか。何話したっけ。

サンタ
この辺は、俺が「誠実」っていうワードしかまだ出してなかったせいで、デザイン班に対しての役振りというか、作業を迷わせてしまったね。

ハルト
大事だけどね。なんとなくで足踏みしてるところって。

松井
こんなにいっぱいあったんだね。

Figmaの全体像

ハルト
目とか手みたいな身体的なものを使おうっていうアイデアが自分の中であったりして、じゆんがそれのスケッチ作ってくれてたりも。

松井
ミーティングは毎週やり続けてたの?

サンタ
隔週でやってた。
オープンハウス(IAMASの公開フォーラム)もあったから、飛び飛びでやってたと思う。

じゆん
色々アイデア出したけど、ハルトのまるって、なんか空から落ちたような感はある。

6月ぐらいの段階では、みんな色々アイデア出してたけど、最終的に役割分担をして、私とハルトがメインビジュアルを作るって決まって。で、それから2人で話してたら、ハルトがいきなりスケッチで丸を書き始めて。
なにそれ?って聞いたら、「これが誠実だよ」って(笑)

サンタ
いや、でもその落ちてくる感覚の前に、デザイン班での話し合いとか、さっきの分類分けと、俺が提示した「苦悩と誠実」っていうタイトルが揃った時に、デザイン班の班長、かぶこがね、「円環なんじゃないか」って。

デザイン班のメンバー

ハルト
それをもとに、いろんな話をしてた。で、これもいいね、あれもいいねみたいな話になったり、キネティックなもの作りたい!みたいなのが先行してたり。

松井
そうだよね。私が覗いた時、こういうのとかやってなかったっけ。

カメラのレンズの前に氷を当てて撮った実験
デジタル顕微鏡を使った試作

ハルト
それもやってた。
その時試してたのは、氷というモチーフが溶けるみたいな。

なんて言うんだろ。キネティックなもの作ったりすると、とか、デザインしてると、モチーフが時間軸として一瞬で見れちゃったりする。
だから一瞬を扱うようなデザインじゃなくて、じっくり時間経過が見れるもので、苦悩してたりとか、研究として悩んでるのを表現したいって思ったところから、氷とか透明なものとかもいいなって話になってたんだよね。

氷がじわじわ溶ける様子を映像に撮るとか、氷でレンズを作ってそれで何かを見てみるとか、氷自体が勝手に動いてる風なのをサンタが試しにToioを使ってやってもらったりとか、そういうことは色々やってみてた。

サンタ
じゆんが面白い形の氷作ったりとか。でも思ったより氷解けんの早くね?みたいな。
やってみた結果、見た目として面白くはあるんだけど、なんかこれは別に苦悩してなくない?ってなって。

じゆん
見てるだけだし。

サンタ
見てるだけだし、思った以上にじわじわ溶けていく感じが、思っていたのと違ったりとかっていうのがあって。

ハルト
ピンと来てないなーって。もうちょっとやり続けたら見えたかもしれないところだったけど。

その辺は僕らだけじゃなくて、デザイン班全体として。僕らもやったし、 班長のカもいるし、空間的なことやるメンバーも、みんなでその時は一緒にやってた感じ。

サンタ
空間のデザインとかも関わると、キャプションのデザインも考えるし、あとは受付台のデザインなんかも考えるから、統合して考えると、なんかちょっと動きがあるものがいいよね、みたいな話があって。

ハルト
そう。氷から「円環」に話を戻すと、こうなるんですよ。

サンタ
こう、様々に悩んだりとか、色々苦悩して、でも諦めない。
諦めずに、めげずに、研究していく、制作していく
っていうのをやっていくと、どんどん、同じ円を地道に描き続けるようなものなんじゃないっていうのは割と、かぶこの話から連想して。

実験する時もそういう円環を作るみたいなものは最初はやってたよね。そこも多分繋がってはいるんだよね。氷を動かすときに、マルで動かすとか

ハルト
確かに苦悩とか研究みたいなものが円で表現できそうってことはあったね。

サンタ
1周じゃなくて何周もするのは多分そこでなんとなく頭の中にあったんじゃないかな。

ハルト
ふらっと会議の時に言われたんだよ、かぶこに。
「なんかこういう哲学があって」とか、「私的な研究のイメージってぐるぐる回ってるんだよね」「同じことの繰り返しなんだよね」
みたいなのをふと言われて、なんかめっちゃ大事なことな気がする、って思って。

個人的に気になったから、「宿題として、ちょっと詳しく書いてきて」って言ったら、これ書いてくれたの。

班長かぶこがまとめてくれた資料

サンタ
「苦悩と誠実」が決まってからは、結構早かった気がするんだよね。
この頃、学内の全体会議でタイトルを発表した。
そっから、また新たにアイデア出しで苦悩した記憶はあるが。でも、円環っていうところが決まってて。

多分、ハルトの中で大事だったところは、この1枚絵でこう、デザインをこう綺麗にまとめるっていうものよりも、もうちょっと、なんだろうな。
人が紙に円を描く行為そのものが結構大事だったのかなって思うんですけど、どうなんですか。

ハルト
いや、あったよ。ビジュアルどうしようねってじゆんと話してたんだよね。
ここに急に現れたんだよ、これが(笑)。

じゆん
ビジュアルで伝えるべきことって色々あるけど、その「苦悩と誠実」っていうテーマが伝わらないとダメだから、「苦悩と誠実」の中のどういう面にフォーカスしてビジュアルに表現すればいいのかを話してて。

研究ってどうなってるんだろうっていうのが、この真ん中の絵。

じゆんのノート

ハルト
俺がペラペラ喋って、じゆんがドッて書いてくれる。

サンタ
めちゃくちゃグラフィックレコーディング

ハルト
じゆんが、こういうこと?って書いてくれた。

サンタ
その作り方は非常に情報デザイン学科っぽいよ。なんか(笑)

じゆん
そこから、その丸、前からずっと出てきた丸の形ってやっぱりあるんだね、みたいな話とか。
形がないからこそ表現しづらいもの。けど、それをポスターを通して感じてほしい。っていう話をしてた。

ハルト
「たくさん悩む辛さを感じている。けど、それでもやりたい。どうやってやる?より悩む。」みたいな。
けど、そのためには、俯瞰してみた時に、誠実さが必要なんじゃないか、とか。

一般的な、誠実だよっていう話じゃなくて、遠目から見たらそうなんじゃないかみたいな、
そういう状態なんじゃないかみたいなのが表現できたらいいなって気持ちもあったな。じゃあ、そのやり方として、その姿を見せるとか。

じゆん
いきなり思いつくんだよね、こういうの

松井
でも、色々積み重なったのがこれになったっていうのがすごくわかってきた。

サンタ
そうね。だからハルトが見てきたものがこう、繋がってんだよね。言葉として円環ってのもあったし、プロトタイプのToioで円環してる動きもあった。

ハルト
結局シンプルにA4の紙にぐるぐるとペンで殴り書くことで、動きとしてキネティックなものにもなり得るし、かすれ具合とか、やってることはみんな同じでもいろんな差異が出るし、みんなの苦悩も1つ1つ違うから、そういった面でもビジュアルとして展開できそうな気もしたし。
なんかこう、主観的じゃないなと思って、ぐるぐるしてる、っていう様子みたいなイメージがあったんだよね、多分。

松井
円を描く行為まで含めてね。

ハルト
で、それだけで勝負すると シンプルでいかつい感じになりそうだなとは思ってたから、文言だけ加えたりこういうので作ってweb展開したらどうかなみたいなのか試した。

この辺の手がじゆんは早いから、とりあえず描いてスキャンして投げたらポスターっぽくなって帰ってきて。

みんなに見てもらったら、可能性がありそうだねって感じだった。
だからポスターとかロゴを考えてみて、ブラッシュアップして、まだここはポスターとして決めるってよりかは、円としてどういった見せ方ができるか広げてく。

じゆん
色はまだ決まってなくて、まあ青にしようかなみたいなのはあるけど、青じゃない色もいいんじゃない?っていうのはまだある段階で、色々展開してたら、やっぱり青がいいよねって。

松井
タイトルのロゴというか、文字のグラフィックは?

ハルト
描いてみたけど、違ったね。これは全然。

松井
かなり手を込んで作ったように見えるけど、これは違った?

ハルト
何を考えてたかよく覚えてないけど、この辺は(笑)。文字書きってあんまり考えずに、見た目的なところ先行した感じで書くことが多かったから、こんな感じかなと思って書いてたんだよね。
ポスターも、イメージしてたのが、いわゆる展示のポスターじゃなくて、どちらかというと映画っぽいポスターだったり、いいちことかカロリーメイトとかにあるような、「多くは語らないがくるものがある」みたいな(笑)。
ごちゃごちゃしたものじゃないビジュアルにした方がかっこいいんじゃない。とか考えてたから、文字のディテールで雰囲気があるかなっていうところで、ちょっと強めの文字を書いてみたけど、映画すぎるなって話になって。

じゆん
そう、映画か、本の表紙っぽい気もするし。

サンタ
でも、ビジュアルとして円を描いていくっていうのをやった後は、デザイン班の中でも結構いい議論ができたかなとは思いますね。

それこそ今年の卒展の受付台は乞うご期待。
最初に言っていた、動きがあるものを実際作りたいという構想があるので、この記事をご覧になっている方はそれも楽しみにしといていただきたいなと。

松井
それ言って大丈夫?(笑)

サンタ
できなかったら消すから。できなかったら、ここだけちょっと編集しといてくださいww
ハルト
魔法使おうと頑張ってるんで、できなかったら魔法で消します。

サンタ
でもそういうのを踏まえるとね、1個のポスター、そのメインビジュアルっていう話から、どんどん派生したアイデアが出てきたかなと思っていて。
特にウェブデザインとか、キャプションにも入れていこうとか。円のやつが、メインビジュアルとして見せる円は1つだけなんだけど、その円自体はみんなに書いてもらうし。修士研究発表会に出す学生の人には円を1個ずつ書いていってもらって、それが何かしら、作家のビジュアルアイデンティティにして打ち出せないか。それがウェブデザインのその作品紹介の方に出てるとか、ちょっと動きが見えてる状態で表示されたりとか。

松井
——そもそも、全員に書いてもらうことになった話。なんでこれは全員に書いてもらうことになったの?

サンタ
この絵を見た時に、多分デザイン班の人たちが、俺含めてこれはもうこれは全員描いてもらって、ウェブデザインとかに貼っちゃおうぜ。ってなった。
やっぱり、「苦悩と誠実」っていう、1個のビジュアルではあるんだけど、その中でも各々に持ってる苦悩と誠実があるよねっていう。

その各々が持っているものをもうちょっと打ち出して見せていくと面白いのかもっていうのがあって、他の媒体でも活かせるように意識していました。
人それぞれに苦悩と誠実の、差異が出てるというか。

松井
ここでさ、みんなのまるに対して、ちょっとディレクションしてたというか、あまりにも奇をてらったものはしないで、っていうことを言っていたよね。

ハルト
そこはね、ちょっとあったんだよ、議論が。
円環の話だったから、円を描く、ぐるぐる書くっていうところが良かったんだけど、実際に書いてもらおうとすると、IAMASだから、みんな奇をてらい出すのよ。

描き直しを依頼したものも。

松井
さっき聞いた、円環とかの裏の意味の部分まで詳しくまだ話してなかったもんね。

ハルト
で、そこをどこまで伝えるかとか、何を指示して書いてもらうかってところも1つ考えないといけないとこで。
ぐるぐるになって中心に行ったりとか、いろんな角度の円だったり、「円っていっぱいあってもいいの?」とか、そういう話になってきちゃって。
俺もそれ言われて、ダメですってすぐ言えるほど、想像できなかったから、一旦書いてもらったんだよね。

サンタ
人によっては、ちょっと奇てらいすぎだろ。みたいなとこあったんだけどw

ハルト
はじめは、それも差異の可能性としてはあんのかなって思ってるところがあった。

じゆん
でも、違う可能性って入れない方が多分決めやすいし、あんまさ、美しくないじゃん。

ハルト
デザインするっていうテイで書いてもらうんだけど、今回に限っては。
「表現して」って言うと、みんなの作家性が出るんだけど、この絵に絞ることでそれを潰しちゃうことになりかねないと思ったの。

でも今回作ってるのはビジュアルだから、それに合うような指示書を作るのは、大事なことだし、それってみんなを潰してることには別になんないからさ。っていう結論にはなった。

じゆん
そうやって制限を決める中で、その人の個性がどのように出るのかっていうのが、大事なところだと思う。

サンタ
そうそう。メタファーとしてというか。
IAMASとはいえ好き勝手に作ってるわけじゃない。良くも悪くもある程度のフォーマットがあって、自分で型を作っていくっていう感覚に近いから、無理やり色々行くというよりは、みんなが同じぐらいの速度感でこう作っていく中で、どれぐらい変わっていくのかみたいな。
大きな差異というよりも、小さなディティールの差異が見えるのが面白いんじゃないかなってのは思って。

ま、ハルトがどうしようって言ってた時に、ちゃんと指示書を作った方がいいって言って、描く速度感とかは違ってもいいけど。コレとかよく出てる。

ゆっくりだったり
はやかったり

ハルト
うんうん。
今話してて思ったけど、「表現して」って言ってるんじゃなくて、 なんていうか、これ自体研究という行為のメタファーのようなものだから、制限してよかったなと思ったわ。感想だけど。(笑)
これ(描き直しを依頼した円)になると、円環とかの話を飛躍して、自分を絵に描いてくださいって言ってるようなもんだから。

サンタ
各々にすごい差異が出てて、見てるこっちも面白い。

松井
確かにIAMASに来てる以上さ、IAMASっていう型にはめられてさ。承知の上で入ってるんだけど、それがいい時もあれば悪い時もある。でも、ここでやってるわけだから…という。それいいじゃん。

サンタ
いや、いいと思うよ。IAMASという大学院の中でも苦悩していくっていうか。でもそこで自分らしさを出してく。ていうところとうまくすごい合致してるなと思って。

松井
ちなみにこの紙にこだわりはある?
紙質、くしゃくしゃになりやすいとか。

じゆん
テクスチャーとかちょっと。

ハルト
円環にする上で、じゃあどこで差異を出すかの話で、速さとか強さ、優しさ、大きさ、短さとか、そういったところで違いが出るから、それを明確にテクスチャーとして、かすれてんならかすれてるとこしっかり見せたりとか、太さ強さとかも含めて、結構がっつり書くと紙自体がよれたりするとかも、やってみてわかったんだけど、そういうところはビジュアルとして活かした方が絶対いいよなって。
本当に紙破けるとかもあったから。

松井
実際完成したビジュアルは、青いトーンになってて、紙のぶつぶつとか見えるね。これは、紙の質感?それともノイズ乗せてる?

紙の繊維やシワが活かされている

ハルト
これ自体は紙をスキャンしたもので、色編集はしてるけど、それの繊維とか黒いつぶつぶをちゃんと見せてる。
この辺はじゆんが結構やってくれてる。

サンタ
確かにこれ、まっさらな紙じゃないよね。再生紙まではいかないけど、なんなんだろう。

ハルト
わらばんしぐらい。
本当は理由があった方がいいんだろうけど、A4のこの紙質にこだわったわけじゃなくて、かぶこががハイって渡してきた紙がこれだった(笑)

サンタ
実は運命の始まりが(笑)

ハルト
そこだった。(笑)

「手伝うことある?」って言ってくれたから、「あ、A4の紙とかある?」って言ったらバンって渡されて、これいいんちゃうこの紙質、って言って、じゆんがこれぐらい綺麗に編集してくれた。

じゆん
この色は色々試したんだ。ペンの元の色と一緒のようにしたいなっていう話があって。
それを試した写真が・・・

ペンで青く塗り潰した紙をモニターに貼り付けて確認するスタイル

これで色合わせて。
スキャンしたらどうしても色が変わっちゃうから。

松井
すごい。ペンは何を使ってたっけ?

サンタ
普通の油性ペン。

ハルト
ペンの太さとか、そのサインペンなのか太ペンなのかボールペンなのかとかはやったかな。
だけど、筆とかは最初から違うんじゃないかみたいな話は出てたから。

サンタ
このかすれ感があるのがいいっていう話だったよね。となると、ボールペンとか外れてくる

ハルト
筆とか普段使わないものでやるのも、それこそ奇をてらいすぎかなと。だから、日常的にあるようなものでやる。
それらも含めて、A4の白紙にそれぞれが円を描くことにはいろんな意味が込められると作り手として考えられたので良かったと思います。
どんな思いが読み取れるか是非考えてみてほしい。

松井
——この撮影自体はどういうセッティングをしたの?

ハルト
これもやりながら考えてるところあったから仮設なものだけど。
単純にみんなに円を描いてもらって採取する以外にも、こうやって夢中になって描いてる様子が良かったから。そういった様子を俯瞰して撮った。様子を見れるっていうのが大事だし、狙いすぎないで、起こってるものを見せるみたいな様子が良かったから、それも含めてなにか今後使えるかなと思って、上から映像撮った。

即席撮影ブース

松井
上に乗っかってるのは何?

ハルト
これはレフ板がないから(笑)。本当はレフ板とか照明をうまく使って、ばっちり影が入んないように綺麗にするんだけど、僕がカメラマンではないから知識としては浅いところもあり、機材もないから、照明だけ焚いて、強い影が入んないように光を上からバウンドさせてみたいなのだけやって。

サンタ
まあまあ、簡易的にずっと置くわけにもいかなかったからね。
組み立てやすくて撤収も楽な状態を作るっていう意味で言うと、これはすごい最適だと思いますね。(笑)
ぜひ完成したティザー映像をご覧ください。


松井
——制作の過程としては、以上かな?

ハルト
そんな感じかな。まだまだこれからやることあるんですけどね。

松井
そうなんだ。まあじゃあこれまでを踏まえて、込めた意味みたいなのを、ちょっと一言で。

サンタ
いやもう苦悩と誠実。

じゆん
文章を読んでいただければ。

ハルト
確かにこれを見せたら1番いいか。

今まで話してきたことをビジュアルお披露目をするからまとめてほしいってじゆんに言って、僕がロジカルに文章を書くより、詩とかを書いてるじゆんの方が感性があるから書いてって言ったんだよ。

松井
Rカフェ(IAMAS学内のスペース)でみんな集まって、こう、じゆんがこれ読み上げてる時すごいかっこよかったよ。

じゆん
やった。
最初はこれよりもうちょっと長かったんだけど、それをハルトに送ったりして、そしたらハルト、いいねしか言わないから、あああ〜ってなって。

ハルト
だけど、そこはね、信頼してたんだよね。とやかく言うつもりはなかった。

松井
であの、込めた思いは?

ハルト
え、今のじゃなくて?笑

サンタ
ほんとだ、もう1時間ぐらい喋ってる。
何をって、苦悩と誠実を込めたって言ってるのにさ....w

でも、作る過程も「苦悩と誠実」だったと俺は思う。各々が苦悩して、ビジュアルデザインとして、嘘はついちゃダメだというか。
ただ単純にかっこいいものを作るだけじゃダメだっていうところを目指したが故に、やっぱいろんな苦悩があったんじゃないかなと思うので。
まさに、タイトル通り。

松井
エンディングが今流れ始めました。

じゆん
こういうポスターって、ポスターしか見られないから、普段はね。
その裏にどういうプロセスがあったのかっていうのが伝わりづらいじゃん。だから、こういうインタビューを通して、伝わるといいなと思います。

テスト印刷した最後の三案

実行委員長・成瀬陽太
デザイン ・徳保晴人
デザイン ・Jung Jieyun


挿絵・山口結子
編集・松井美緒

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