見出し画像

世界の認知の仕方について


会社の同期が12月いっぱいで退職する。

泣いて悲しむ程親しくもなかったが、
所属するコミュニティから人が離れていくのは
近所の慣れ親しんだ駄菓子屋が潰れた時のような
何とも言い難い、
けれど確かな物悲しさを感じる。

他部署だが直近一緒に仕事をしていたこともあり、
仕事の流れで夜飲みに行った。

「辞めた後は何をするの」と聞くと
どうやら自分がネット業界で狙いをつけた新規事業を
一から立ち上げてみるんだそうだ。

僕たちがいる(辞める彼としてはいた)会社は古くからある不動産会社。

ある種正反対、
日本から見たブラジルのような事業は
プライベートで楽しみながら色々試してみた結果
これはお金になるな、
という直感が働いたらしい。

大学を出てから
やりたいこともよく分からず
将来に不安を抱えながらも、
目の前の仕事に終われ、会社勤めを続けている僕に対して彼は、
「何でもやってみるといいよ。
世の中思ってるよりずっと多層的で、
色んな人がいて、色んな世界があるから」
と言った。

それが今でも耳に残っている。

今読んでいる『三行で撃つ』という本の中で、
文学や学問を学ぶことは
「世界の認知の仕方」を学ぶことだ、
と書かれている。

今までは、
思いのほか世界は画一的で、
仕事とは、世界をどういう視点から切り取って
見て、学んで、掴まって、生きていくか
ということだと思っていた。

でも今は、
この複雑怪奇、積層断層な世の中を
もっと多角に感じて、
価値観や文化の色眼鏡をもっとたくさん手に持って
世の中を眺めてみたい、と思っている。

大変なことや悩みも尽きない毎日だけど、
楽しみを作り出して、
新しい世界をもっと知って
生きていけたらいいな。


いいなと思ったら応援しよう!