ワイン3.0
時代によってワインのライナップの構造というのが変わっている。これを理解しないとワイン屋はちぐはぐな事になるので気をつけたい。
1.0
もともとは貴族的な感覚からラインナップの構造が決まっていた。
それは「生まれつき身分が決まっている」という事。
例えばシャンベルタンはシャンベルタンであり、ジュヴレ・シャンベルタンにはできるけど、シャンベルタンの優れた区間だけを集めたスーパーシャンベルタンはできない。下には行けても、上にはいけない。
2.0
ニューワールドの台頭により、アメリカ的感覚が入ってくる。のし上がりスタイル。スペシャルキュベ。
畑から選りすぐりの区間を選んだり、バレルセレクションで通常の商品よりハイプライスのワインをつくる。パーカーの影響が大きい。
カリフォルニアから南ローヌ、最近では1.0とのミックスでクリュ的概念を取り入れたバローロもこれにあたる。
3.0
この3.0をとらえられていない人が多い。
表面的には「ナチュラルワインブーム」だし「日本ワインブーム」なのだが、本質的には「身分制度、高学歴社会からの解放」という事だと思う。
みんな違ってみんないい。3000円の日本ワインが3000円のボルドーのクリュブルジョワ級のワインより美味しくなくても良いのだ。美味しいなんて100人いたら100通りある。個性の時代。
ナチュラルだから飲んでいるわけでもない。
濁りはビールならヘイジー。
スタイルなだけであって、ナチュラルという信念はきりはなされる。
ワイン屋は売り方もマインドも変える必要がある、と思うこの頃。