準備編|時間の概念

世界から見た日本人は労働生産性が結構低いらしいです。これは僕たち日本人が仕事が出来ないからでしょうか?無能だからでしょうか?いいえ、そんなことはありません。実はその理由は「時間」に対する、考え方・価値の違いにあると思っています。

日本人は時間に厳しい?
では日本人は時間にルーズなのか、いいえそうではありません。
例えば日本の商習慣は、遅刻厳禁、約束の時間の5分前には到着している・準備が出来ているなど、むしろ時間に厳しい方ですよね。(時には台湾人にも見習ってほしいと思う時も・笑)

ですが「開始時間」に厳しい一方で「終了時間」は曖昧なことが結構ありませんか。例えば、会議の開始時間は決まっているけど終了時間は決まっていなかったり、就業時間も定時があるにも関わらず、時間の定めのない残業を行っていたりと。つまり、言い換えるならば「時間の使い方」が少し下手くそなのかもしれません。

表敬訪問は日本文化
「表敬訪問・意見交換」はその代表例かもしれません。
勿論、台湾でも政府機関同士であれば表敬訪問もありますし、民間企業でも意見交換を行いますが、その目的は今後の交流や商売を前提としており(今日はお互いの経験や資源を整理・共有して、後日、具体的な提案を実施するための必要なプロセス)日本のような建前や形式的なものではありません。

僕も過去、何度も日本側からの依頼で表敬訪問や意見交換のアポイントを取ったことがありますが、後日、日台交流や新規事業へ発展したケースは殆どありません。これは、そもそも訪問目的が例えば「出張報告書に記載するため、現地のことを知るため(正確には知った気分)」という辺りなので、当然と言えば当然の結果と言えます。

この時に感じる違和感ですが「表敬訪問・意見交換」とは名ばかりで、実は一方的な「情報収集」にも関わらず、なぜか当の本人にはこれが「プチ迷惑行為」という認識自体が無いのです。
迷惑行為と表現すると、そんな大袈裟なと感じるかもしれませんが、相手の立場からは「君たちから依頼があったから、スケジュール調整をし、今日を楽しみにしていたのに実際会ってみると質問ばかりで、こちらからの質問や提案には明確な答えや意見も中々もらえず残念だったな」
当たり前ですが時間だけは全ての人に平等であり、場合によっては相手の貴重な資源を奪う行為とみなされてしまいます。

本当に価値ある時間にするならば
海外展開に対して「どういった可能性があるかわからない、商売の形がまだまだ分からない」という意見は理解できます。だからこそ海外出張を単なる「視察」で終わらせずに有益なものにしたい、出会った相手には価値ある人物と認識されたいですよね。

翻ってお互いの時間の大切さを考えると、まずは粗削りで良いので仮説(提案)を立てて、実際に現地企業に話をしてみるのが一番良い方法です。仮説は難しく考えずに、ご自身の夢や目標を少し具体化するだけでよいのです。(この言語化する作業は出来れば自分自身でされることをお勧めします)
皆さんの想いの断片が届けば、相手側も生の情報を提供してくれますし、場合によっては新しい方を紹介してくれる場合もありますから。

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