海外で日本人が日本人を騙すということ
海外では日本人が日本人を騙すということは一定数存在する。この業界で仕事をしていると良くも悪くも色んな話を耳にする。
ただし、何をもって「騙した」と定義するのは実は難しい。
と言うのも明確な詐欺行為を行っているわけでは無く、多くの場合は市場相場と乖離した費用請求、ほぼ成果が出ないまたはほとんど実体のない請負業務など「本当のことや大事なことを開示していない」というケースの方が圧倒的に多く、依頼者側の知識不足によるところも大きい。
実は知人が勤務している会社においても中々のことが発生していたことを先日しった。その会社はある代行業者を通じて台湾で店舗展開をしている。
私の知人は20代後半で、この詐欺にあった会社の現地法人で勤務をしている。一番驚いたのは、日本本社からの出向にも関わらず、何故か本人は現地採用扱いとなっていた点だ。加えてビザも改ざんされており、賃金は一日12時間労働で手取り14万円程度と、もはや何をどう転がったらそうなるのか教えてほしいくらいである。
且つその知人は口頭で承諾をしたからという理由だけで、あと1年はこの条件で勤務をして後任を育てた上で退職するという「馬鹿さ加減」である。もはや後任もいい迷惑である。
因みに彼とは決して深い中では無かったが、今まで何度か催事の現場で他愛もない話をする関係であった。催事中の彼の働きぶりはとても勤勉で、北京語が出来ないにも関わらずセールス力があり、私自身も見習う点があり、とても印象的であった。
その為、良かれと思って後日、彼には私や私の会社ができる現状打破の提案を行った。合理性や生活の保障を考えると、彼にとってはメリットしかない提案である。
しかし彼は「如何に出来ないか」という理由を並べ始めた、結局彼は最後まで首を縦に振らなかった。
当然、多少の痛みは伴うが、今このまま時が過ぎるのをじっと待つことの意味や道理が私には本当に理解できなかった。いや今でもできていない。
何より驚いたことは、深く話を聞いていくと、代行業者と日本本社がある種グルになっていることである。最初は代行業者が日本本社を騙しているだけかと思っていたが、どうもそうでは無いらしい。実際、一部内容は本社も代行業者の養分にされているようだが、今度は結託して彼に不利益な条件を押し付けていることである。
一人でもこのような被害者が出ないことを願って。