シン仮面ライダーを見た話(ネタバレ有)

他にもブログを書くところがあるけど、色んなものの感想を書ける場がほしかったので作りました。

先週、シン仮面ライダー見てきました。
Twitterでは賛否両論、なんだか否の方も言葉を濁してるような、迷作にしようとしてるような、風潮があったので「大丈夫か?」と思って観たんですけど、言葉を選ばず思ったこと書きます。

個人的にはめちゃくちゃ面白かった。

でもこれ、「仮面ライダー」に何を求めてるかで感想が変わってくると思います。
正直、映画やストーリー自体の出来は庵野監督自体が映画をメインにしている監督ではないので、平凡あるいはそこを映画を観るポイントにしている人は平均以下だと思うんですけど
要は「仮面ライダー」にカッコ良さ、ヒーロー然とした姿を求めてる人はこの「シン仮面ライダー」つまんないと思います。初代のオマージュがあるぐらいで。
ただ「仮面ライダー」に人間臭さを求めている人、これ平成ライダーファンに多いと思うんですけど、そこを求めている人はめちゃくちゃ刺さる映画だと思います。

そこを踏まえて感想。思ったことを箇条書きで書いていきます。

・仮面ライダーの俳優はイケメンじゃなくて三枚目!でもヒロインは男の夢だから美女ね

っていう庵野監督の声が聞こえるように、池松壮亮と柄本佑という攻めたキャスティング。
そして仮面ライダーウィザードが好きな浜辺美波。浜辺美波は咲-Saki-の実写版で知ってwiki見たら仮面ライダー好きと書いてあったから、いつかライダーヒロインやってほしいなーと思ってたら爆売れしちゃったんですが、こんな形で実現するとは。
池松壮亮と柄本佑をWライダーにした理由は本作を観たらわかりました。こういうキャラクター像にしたいなら納得の人選。

・健気についてくるサイクロン号くんかわいい

・あー、Kってロボット刑事のオマージュか。

・ハチオーグとのシーンはキルビルオマージュ?

・仮面ライダー作品なのにとにかく主人公が悲しんでる、泣いてる

ここで「仮面ライダーのカッコ良さ」を求めてる人は拒否反応あると思います。
でも仮面ライダーのマスクに涙ラインがある理由は仮面ライダーが「本当は争いたくない、でも人を守るために拳を振るわなければならない悲しみ」を背負い、それを見せないために仮面を被ったヒーローだから。仮面の中では泣きながら闘っている。でも、シン仮面ライダーのマスクは涙ラインが目立たないデザインになっている。その代わり、作中ではマスクを外して感情を表す。
この描写、この本郷猛を描きたいがための池松壮亮。
この仮面ライダーの闘う理由の設定の解像度が「シン仮面ライダー」を面白いと思えた一番の理由です。クウガもそうですけど、「ほんとうはやりたくない。でも、闘わなければならない」それが仮面ライダーの原点のはず。
昭和では「仮面ライダーとは?」と聞かれたらバイクに乗った悪に立ち向かうヒーローだと思うんですけど、平成、特に龍騎以降では「人間はみんな仮面ライダーなんだよ!」と「仮面ライダー」は概念化したわけです。
人間はみな何かしらの「仮面」をして闘っている。だから「仮面ライダー」。
話を戻しますが、本郷猛、ルリ子が死に一文字隼人が意志を受け継いで「仮面ライダー」となるシーン。マスクデザインが「二号」になって
ここでようやく涙ラインが目立つ。
つまり主人公達がマスクを脱いで感情を出すのではなく、「仮面を被って」闘うことを決めたシーンでもあるわけだと思うのです。

・森山未來
森山未來が日本舞踊出来るから、チョウオーグも日本舞踊のような戦い方だったの良かった

・赤いマフラーの意味合い
ルリ子が死んだとき、赤いマフラーは消えずに残ったのを見せたあと
本郷猛が死んだときは赤いマフラーごと消える。
これは初めに「ヒーローと言えば赤いマフラーでしょ?」と付けさせられたのに対して
最後はヒーローの象徴として消える。
本郷猛がヒーローになれた瞬間。



いやー、正直、確かに映像や映画としては面白みはないし、カッコ良さやシンゴジラみたいな大衆的面白さは無いよ?
ただ、仮面ライダーが好きで仮面ライダー作品の「人間臭さ」や「人間の弱さ」みたいなのが好きな僕としては、この辺の描写、設定の解像度はファン向け作品という枠組みを越えた演出だと思うし、この映画の素晴らしい点として挙げたい。


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