ジャニーズに訪れる「転職」時代。
ついさっき、ビックリするようなニュースが飛び込んできた。
“ジャニーズ事務所の人気グループ「V6」の森田剛(42)が今秋にも同社を退所する意向を固めたことが週刊文春の取材で分かった。同時に昨年デビュー25周年を迎えた「V6」はグループとしての活動に区切りをつけ、今年11月1日のデビュー記念日をもって解散する。”
(文春オンラインさんより)
ジャニーズ事務所で唯一、誰1人欠けずに数十年以上活発な活動を繰り広げてきたV6。ジャニオタ界隈では「最後の砦」感のあったV6だったが、ついに解散とは。(文春報道なので、ほぼ確実だと見ています)
ここ数年、ジャニーズ事務所においてタレントの「ジャニーズ離れ」が加速している。渋谷すばる、錦戸亮、錦織一清、植草克秀、中居正広、今井翼、山P、手越祐也などなど。挙げだしたらキリがないほどに。ジャニーズは今や「転職」時代に突入しているのでは。
そしてその「転職」時代のきっかけとなったのは、ジャニー喜多川氏が逝去されたことではないか?と。恐らく、ジャニーズ事務所におけるジャニーさんの存在は我々が想像する以上にデカかったのだろう。私は幼い頃からジャニーズのタレントを見てきていますが、皆一様に「ジャニーさんがいるジャニーズ事務所」への帰属意識が強い印象を持っていた。つまり、「ジャニーさんがいるから今の自分がいる」というような。だから、ジャニーさんという大きな存在が現実でなくなった今、それぞれ次のステップを考えるきっかけになっているのかなと想像する。
ただここで考えてみてほしい。V6のように20何年もの間、誰1人欠けずにグループを維持することは普通はほとんど不可能だ。会社に例えると、1つの部署が誰1人転職・退職せずに残っているようなものだから。そう考えると、ジャニーズのグループ管理はほとんど「奇跡」と言ってもいい気がする。私がそう感じるのは、私がK-POPファンでもあるからだ。
1. K-POP界の「7年目のジンクス」
K-POPが好きな人は既に知っていると思うし、もしくは好きだったグループの解散を経験した人もいると思うが、K-POPには「7年目のジンクス」というものがある。簡単に説明するとこうだ。
厳しい練習生期間(ジャニーズJr.とは違って、メディア露出はほとんどない)を経て、満を辞してデビューを果たしたとしても、確実に売れる未来が待っているわけではない。本当に人気が出なかったグループだと(特に中小の事務所)、1〜2年活動して解散なんてこともザラだ。もしグループがうまく軌道に乗っても、7年を迎えた折で事務所を去るという決断をする人も多い。なぜ7年なのかというと、韓国の芸能事務所がデビューしたアーティストと最初に結ぶ契約の期間が7年間だから。大体のグループは、それなりの人気があったとしても、7年という節で「事実上」解散してしまう。7年を超えてもメンバーが誰1人欠けずに、今もきちんと活動してるのはもしかしてBTSだけなのではないか?
根本的な疑問として、なぜK-POPグループが7年で解散してしまうのかというと、デビューしてしばらくは音楽活動一本だからなのではないかと思う。K-POPというのは、デビューすると一つ屋根の下でメンバー全員が共同生活をする。そして通常は、俳優業バラエティなどの活動はあまりせず、音楽業一本で勝負している。(スジちゃんやディオなどの例外はあるが)
※こちらの記事にも少し書いています。
ジャニーズのようにアイドルグループが地上波の冠番組を持つこともないし、地上波のドラマに出演することも稀だ。日本の芸能界と違って、アイドル/俳優/タレントという区分がはっきりしているなという印象。アイドルであるうちは、音楽以外の活動はセーブされているような気がする。だからこそ、7年という期間を経て、自分のこれからのキャリアを考えた時に、活動領域を広げたいという思いで移籍する人が多いのだろう。
2. ジャニーズのグループ管理のスゴさ
韓国のアイドルグループが解散していくのを見ると(たとえ人気があったとしても)、ジャニーズのグループ管理のスゴさを感じる。言うまでもないが、ジャニーズは日本の芸能界においてとてつもない影響力を発揮している。Jr.でもバラエティ番組やドラマにどんどん出演させるし、デビューしてからも個人活動を容赦無くさせる。一言で言うと、「抜かりがない」(笑)
こうして色々な活動をさせるからこそ、メンバー個人が自分の得意分野、つまりアイデンティティを築きやすいのだと思う。それにアイドルやりながらそれらができちゃうしね。だから解散を選ぶ理由がないというか。わざわざ移籍するんでもないという感じ。
3. 最近訪れる「転職」時代
ここでやっと本題に入るわけだが、本来側から見ると「移籍しなくてもうまくいってるじゃん!」みたいな人も、最近はジャニーズ退所を選ぶ人が多い。それは前で触れたように、ジャニーさんの存在の大きさというのもあるのかもしれない。
でもやっぱり、身近な先輩・後輩たちが退所して自分が思い描いた道を進んでいるのを見ると、なんか刺激されるものがあるのかもしれない。身近に転職して刺激的な毎日を送ってそうな人を見て、「自分も考えてみようかな」となるような感じ?しかも今だったら、退所した先輩方がうまくやっているのをテレビなんかを通して見れるし、「退所したとしてもやっていけるかも」という気持ちが湧くことも理解できる。
また山Pのように、「海外を見据えた活動をしていきたい!」という人もいると思う。昨年デビューしたSixTONESやSnow Manの意気込みからわかるように、今のジャニーズ事務所も海外展開を意識はしているのだとは思う。ただ、海外市場は日本の市場のようにCDが売れる訳ではない。海外は「サブスク至上主義」なところがあり、CDよりもサブスクの方が盛んなことはもはや当たり前だ。でも今のジャニーズ事務所を見ていると、「まだ完全にCDの売上を捨てきれていないな」と強く感じる。「サブスク解禁=CD売上が下がる」訳だしね。それじゃ、海外で人気に火が出るわけがない。海外だと日本のテレビ番組はそうそう見れないし、サブスクを解禁してないからネットを通して広まる訳でもない。今の時代、K-POPに刺激を受けて「自分も海外で活躍したい」という人がいてもおかしくないし、ジャニーズ事務所にいるとそれができないというモヤモヤを感じている人も少なくないと思う。
あとは、ジャニーズ事務所がそもそも色々なタレントを抱え込みすぎで、キャパオーバーになってる感も否めない。今やデビューを待ち構えているJr.のグループが何組も存在するし、ジャニーズのグループは基本長寿だから上も詰まってるし...みたいな。そのキャパオーバーを察して、他を拠点にした方が活発に活動できると判断する人もいるのかも。(最近設けられたJr.の年齢制限もこのような面を考慮してのことなのかな?)
これらをまとめると、ジャニーズが今「転職」時代に突入している理由には、①ジャニーさんという存在が席を空けたこと②独立した周りの先輩・後輩の姿③海外志向の高まり④ジャニーズ事務所のキャパシティの限界などがあるのかなと思う。(あくまで個人の見解ですが)
4. 最後に
たださっきも言ったように、ひとつの会社のある部署だと例えるならば、数十年も誰1人欠けずにその団体を維持するのは至難の技だし、ここはジャニーズ事務所が誇れる部分だと思う。
今や時代はひとつの会社に所属し続けることから、自分の描きたいキャリアに向かって転々とする方向に変わりつつあるし、少し遅いけれどもジャニーズ事務所にもその風が吹き始めたのだろうと思いたい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨
(トップ画像はお借りしました)