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【1】言っておくけど、俺、心ないから。

場所はグアム。

基本曇天気味ではあったものの
青い空、透明な海をそこに備えたグアムの
空の下。
夫から言い放たれたこの言葉。

そう、ことの顛末は、明日帰国だねえ、
あっちゅうまだったねえ。
そんなことを話していた最後のディナー中。
グアムへはリフレッシュ!と思って
やってきたけれど
わたしはわたしなりに今後の身の振り方や
どうしたいのかとか
いろんなことを考えたり、飽きたり、
また考えたり、そしてどうでもよくなったり、そんな感情がくるっくるしていた数日間。

普段お互いに仕事してるし、特に夫は
シングルタスクの極み、みたいな人なので
(疲れてくるとブリンガーついて余計視野狭くなるし)
わたしがあーだーこーだーいったところで
「ふーん」とか「へえー」とかしか返ってこないのに、だ。この旅行では珍しく←(ごめん)
めっちゃわたしの話に耳を傾けてくれた夫。

ブリンガー


夫婦でのあの話し合いはどこにいった?

だんだんと話しがエキサイトしてきたところで
私「えっと、だからね、まだ私もわからなくて…」
夫「俺から客観的にみてさ…」
私「でもね、だってさ」
夫「だったらなんでやらないの?
私「!?」
私「お前!」
夫「(やばい)…」

他のご家庭と比べたことはないので定かではないが、わたしたちは結婚してからとにかく喧嘩が多い方の夫婦だと思う。
ただその喧嘩は、大概がお互いの興味の違いで起こることが多い。ほんとうによりにもよって、お互いがお互いに大事にしているものに
全くといって興味がもてないという、どえらい価値観の違う夫婦なのだ。

で、その喧嘩が勃発すると若いころは日が暮れるどころか日が昇るまで言い合いをし
殺し合いみたいになったりもしたわけなんだけれど。
でもそれでもやっぱり、「価値観」ともなるとなかなかどうしてわかろうとしても難しいものだから。

先日長きにわたる友人とランチしていた時に
「なんか、うちの息子、検査したら耳から入る情報は理解弱めで、視覚からの方が強いらしいの。」という話を聞き(というか今の子供さんてちゃんとそういうの調べてくれて、どうやって接したらいいのか分析してくれるんだねえ、と時代の変化に感心)
わたしもピンときた。

きっとあいつ(夫)もそうに違いねえ。

そう思ったわたしはある時の夫との喧嘩の際にホワイトボードを採用してみた。

内容はちょっと乱雑すぎてお見せできず
モザイクで失礼。

ちなみに。
「ねえ、ここに私が書いたこの内容、これだと伝わらないからわかりやすく作り直して」
と夫に言ったら作ってくれた

夫、ほんとこーゆーの作るの得意。
えらいクオリティーのだされてびっくり。

まあ、要するにこういうことを視覚化して
伝えたわけですよ。

わたしは「心」が重要。
夫は「行動」が重要。

この違い。

で、もしもわたしに行動を求めるならば「心」にフォーカスしてくれないと行動にはつながんないのよ、と。例えば二の足踏んでたとしたらそこは心がしっくりきてないからなのよ。と

夫「すんげえわかりやすい!俺、頑張る!」

お前どの口が言った?

夫「・・・またやっちまった。。。」
私「あのホワイトボードで説明したわたしの労力と時間を返せ!バカヤロウ!」
ボイルしてもらった蟹を剝きながら(こーゆーなぞにシリアスっぽいところで蟹剥いちゃうのも夫らしいのだ)そこで夫は言い放ったのだよ

言っておくけど、俺、心ないから。

私「はあ?」
夫「・・・??なに?心ないって。人間なのに。。。」
私「え、え、どゆこと?え誰の事?(パニック)」
夫「いや、俺自身のこと。自分で言っておきながらなんだよな、って思って、せっかく人間に産まれたのに。

????

わたしは何を思えばいいんだろう。
わたしは何を言えばいいんだろう。
何か言いたいことも奪われたような、宙に飛んでいったような。

相変わらず癖が強い。。
モウワケガワカラナイヨ、。

帰りの飛行機の座席。
何もリクエストしなかったとはいえ
夫と謎に縦並び、ウインドウ夫婦になった。
わたしはぼんやりと雲海を見ながら

色々と先はなげえな、コンチキショウ。

それだけは確証した、そんな旅となった。

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