25歳。社会人になって1ヵ月が経った。
25歳の春、私は新卒で就職した。
大学院への進学や、休学。
色々な事情が重なり、他の大学までの同期からは3年遅れて社会に出る形となった。
自分は永遠に学生のままなのではないだろうか、と思っていた。
自分はどこか人とずれている、と感じていた。それがいわゆる
「生きていく上で社会に適応できない形」
として表面化したのがちょうど3年前であり、精神的に思いつめた結果休学するに至ったと考えている。
休学直前~休学中は、今まで何とかしがみついてきた人生のレールをとうとう外れてしまったな、という絶望感でいっぱいだった。いわゆる「詰んだ」状態。
大学院を中退するか、しばらくの間悩んだ。
その後、やはり後悔しないのはこちらだと思い、復学することにした。
就活のことも然り、学部時代に散々揉めたこともあり、両親とは距離を置きたい気持ちが強かった。逃げるように実家を出た。
その後は、ゆるゆると自分のペースで修士研究に励んだ。
研究の傍ら、就活にも取り組んだ(とはいえ、最初の方は情報収集や業界研究を行う程度だったけれど)。
就活を進める中で、素敵な出会いもたくさんあった。それは今思えば、私の「休学=社会のレールを外れる=詰んだ」という価値観を180度覆す経験であったように感じる。
「新卒時の年齢が25歳」という、現代日本ではネガティブなイメージを持たれがちな事実。
実のところ、研究に励んでいる時もそれ以外の時間もほぼずっと、そのことへの不安が頭をもたげていた。最初に選考を受けた企業の一次面接の時までは、ずっと怯えていた。
「なぜ休学していたんですか?」という質問に、どう答えればいいのだろう。と。
しかし思いの他、休学の理由を気にされる場面は少なかった(もちろん質問されたことも、うまく答えられなかったこともある)。
その頃から「年齢やブランクの期間のことも受け入れてくれる環境で働きたい」という願いが、自分の中でよりはっきりと明確なものとなった。
少し話が前後してしまうけれど、復学して約半年後の就活にぼちぼち力を入れ始めた頃、修士の講義で偶然、運命的な出会いがあった。「ここで働きたい」と強く思い、インターンシップにも遥々足を運んだ。そしてなんと現在、その職場で働いている。
とても幸いなことに、職場環境や人には非常に恵まれたと感じている。
先に新卒で就職した友人たちからも話を色々な聞いていたこともあり、多少仕事で辛いと感じることは覚悟していた。ところが、今のところその心配はない。今のところは。
私自身、物事を覚えるのも、こなせるようになるのも、人一倍時間がかかる性質があるように思う。しかし、そんな「ゆっくり成長すること」を許し、見守ってくれる環境は、どこの世界を見てもあまりないのではないだろうか。その点で私は運が良かった。
現在に至るまで、本当に紆余曲折があった。学部卒で就職していたのであれば、全く異なる選択をしていた可能性が高い。
正直就活の際に両親、特に父親から干渉されたことに対して気持ちが晴れている訳ではない。学部卒での内々定をいただいた時に「就職失敗したな」と言われたことを許せている訳ではない。
ただ。
結果的に両親の意向に沿うような選択にはなってしまったけれど。
やりたかったことや、どのように貢献したいか、将来の方向性など。
諸々を加味した上で、納得した選択をすることが出来たといえる。
永遠に学生を抜け出せないままだと思っていた私が、周りに迷惑をかけながらも、なんだかんだ社会人として生きることが出来ている。
22歳の思い悩んでいたばかりの私に、そっと「大丈夫だよ」と言ってあげられる。
ということで結論、社会人は思っていた以上に楽しい。