
話題のAIインフラ史上最大級の投資『Stargate Project』についてのまとめ
ソフトバンクグループの孫さんが会長となり、OpenAI、Oracle、MGXをはじめとした世界のトップ企業群の投資発表について公表されている情報をもとにまとめました。
Stargate Projectの概要
「Stargate Projectは、OpenAIのために新たなAIインフラストラクチャを米国内で構築するため、今後4年間で5,000億ドルを投資することを計画している新会社です。このうち、1,000億ドルの投資を直ちに開始していく予定です。このインフラストラクチャは、米国のAI分野でのリーダーシップを確立し、数十万もの米国の雇用を創出するとともに、全世界に経済的利益をもたらします。このプロジェクトは、米国の産業の再活性化をサポートするだけでなく、米国とその同盟国の国家安全保障を強化するための重要な基盤を提供します。」(ソフトバンクグループからの発表の引用)
今回のプロジェクトは、OpenAIのAIインフラをアメリカで構築し、米国の雇用創出、最終的には全世界的平和を目的とする歴史上最大規模の大型投資プロジェクトであると言えそうです。
Stargate Projectの座組
新会社「Stargate」の設立と出資構成
OpenAI
Oracle
MGX
ソフトバンクグループ
これら4社が共同で出資し、新会社としてStargateを設立しています。ソフトバンクグループとOpenAIがリードパートナーとなり、実務面・意思決定面で中核を担う構造です。
MGXについて
MGXは、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで設立されたテクノロジー投資会社で、人工知能(AI)と半導体分野に特化しています。UAE政府系ファンド「ムバダラ」とAI企業「G42」のパートナーシップを基盤としており、世界的なAI研究や半導体開発を支援することを目指しています。具体的には、AIスタートアップへの投資や、米国のオープンAIとの連携、さらにAIの性能向上に不可欠な半導体チップの開発に力を入れています。MGXは、これらの取り組みを通じてUAEをAI先進国に押し上げると同時に、数年以内に管理資産を1,000億ドル規模にまで拡大することを目指しています。
リードパートナーの役割分担
ソフトバンクグループ
財務管理を担当
巨額投資の資金面をリードする立場
孫正義氏がStargateのChairman(会長)に就任し、トップとして統括
OpenAI
運営面を担当
AI技術を実際に開発・実装するリーダー企業
Stargateの活動全体がOpenAIの研究・事業を加速する基盤になる
この二つの企業が“財務管理”と“運営”をそれぞれ受け持つことで、巨大プロジェクトを動かす仕組みになっています。
初期テクノロジーパートナー
Stargateには、出資者とは別に、AIインフラを具体的に構築・運営するための主要テクノロジーパートナーが参画しています。
Arm
ソフトバンクグループ傘下のイギリス半導体企業。チップ設計技術を提供し、大規模AIシステムに最適化された半導体の開発・応用を支援。Microsoft
OpenAIとの既存のパートナーシップを強化し、クラウドプラットフォーム「Azure」を提供。OpenAIのAIモデル訓練環境も担う。NVIDIA
GPUおよび半導体分野でのリーディングカンパニー。OpenAIとは2016年から協力関係にあり、大規模AIモデルの学習を可能にする高性能GPU・システムを供給。Oracle
クラウドサービスやデータベース管理で世界的に実績がある。新会社の出資者でもありつつ、医療分野など企業向けソリューションで中心的役割を果たす。
これら企業は、Stargateの一環として大規模データセンターの建設やAIインフラの構築を分担し、互いの技術やサービスを組み合わせることでAIの大規模化を実現していく形です。
トランプ大統領とプロジェクト中心メンバーからの発表会見
上の動画での4人の発言を日本語にしたため、ご確認ください。
トランプ大統領
「彼ら(投資家)にとっては自信を持って投資できると感じているし、大金とハイクオリティな人たちだ。私にとっては久しぶりにゆったりとした生活を送った後の初日となるが、今日は世界を代表するテクノロジー企業のCEOが3名来てくれている。そしてラリー・エリソンに至っては、単なるテクノロジーを超えて“あらゆるもののCEO”とも言える存在だ。素晴らしい人物であり、素晴らしい経営者だよ。
今日は、史上最大規模のAIインフラプロジェクトについて発表する。しかも、すべてここアメリカで行われる。ご存知のとおり、AIをめぐる競争は激しく、ほかの国もいろいろと動いている。でも今回は最高レベルの投資家たちがアメリカに来るんだ。ここにはオラクルのエグゼクティブ・チェアマンのラリー・エリソン、ソフトバンクのCEOで私の友人マサ(孫正義)、そしてOpenAIのCEOで、私が読む限りでは今最も注目されている専門家のサム・アルトマンがいる。本当にすごい人たちだ。こんな才能と大資本の集まりはめったにない。
彼らは共同で“スターゲート(Stargate)”という新しいアメリカ企業を立ち上げることを発表する。今後この名前を耳にする機会が増えるだろう。少なくとも5,000億ドル(約50兆円)をAIインフラに投じる、桁外れのプロジェクトだ。それが全てアメリカ国内で速やかに進められ、すぐに10万人を超える雇用が創出される。これは、新しい大統領のもとで、アメリカの潜在力を信じるという力強い宣言でもある。
彼らが“新しい大統領”と言ってくれた。私がそう言わせたわけじゃない。彼らがそう言ってくれていることに感謝するよ。だが、このプロジェクトはテクノロジーの未来をアメリカ国内にとどめるために非常に大きな意味を持つ。中国なども競争相手だが、我々はこの仕事をアメリカ国内に残し、それを活性化させたいんだ。そして私は非常事態宣言を通じて、これらの建設を大いに後押しする。私たちは“緊急事態”に直面しているからだ。必要な電力を大量に生み出さないといけないので、彼らが望むならAIプラントの敷地内に発電施設を建設できるように、許認可の手続きを簡略化するつもりだ。それは素晴らしいことになるだろう。とにかく、この巨大プロジェクトは、すべてアメリカ国内でAIとテクノロジーを生み出していく。
この“スターゲート”は、AIの次世代の進歩を支える物理的・仮想的インフラを構築する。その一環として、超巨大データセンター、非常に大きな建造物の建設が予定されている。私は不動産業をやっていたからわかるが、本当にとてつもなく大きく、美しい建物を建てる予定だ。そして国内各地の物理的キャンパスや拠点を今まさに選定しているところだ。用地候補もいくつか決まってきているようだが、詳しくは本人たちに話してもらおう。
では、ここでラリー、サム、マサに一言ずつ話してもらいたい。もし質問があれば、そのあとにほかの話題も少しやろうと思う。私にとっては5,000億ドルもの“スターゲート”プロジェクトは非常に重要で、これがもっと大きな成果につながる可能性を秘めているんだ。じゃあラリー、あなたから始めて、それから順に話してもらおう。
ラリー・エリソン(Oracle CEO)
「ありがとうございます、大統領。大統領がいなければ、このプロジェクトは絶対に実現できませんでした。本当に不可能だったと思います。AIは、私たちみんな、あらゆるアメリカ人にとって大きな可能性を秘めています。実は私たちはOpenAIやマサともすでに協力を進めてきました。データセンターもすでに建設が始まっています。最初の施設はテキサスに建設中で、1棟あたり約50万平方フィート(約4.6万平方メートル)のビルが10棟、まず作られています。それが20棟規模に増える可能性もあり、アビリーン(テキサス)の施設以外の場所でも建設が続く予定です。
どんなアプリケーションを作っているかの一例としては、非常に重要なものですが、電子医療記録(EHR)を挙げたいですね。ただデータを保存するだけでなく、AIを使って医師たちが患者の症状をより深く理解し、最適な医療プランを立てられるようになる。たとえば、インディアンのリザベーション(先住民居留地)の医師でも、メモリアル・スローン・ケタリングやスタンフォードの医師がどう治療するか、その情報と指針を得られるわけです。これは、ガンをはじめ様々な病気の患者を診るうえで非常に役立ちます。これを可能にするのがAIの力なのです。
長く話すのはやめますね。これからマサに渡しますが、本当にこのプロジェクトに参加できることはエキサイティングです。ありがとうございます。」
この発言からOracleが、医療の領域とAIに着目して、プロジェクトに強く関わる意思が見られます。
孫正義(ソフトバンクCEO)
「大統領、ありがとうございます。私は大統領が勝利されたときにお祝いに来て、1000億ドルを投資すると約束しましたよね。すると大統領から“2000億ドルいけるだろ”と言われました。それで今回、さらに5000億ドルを持ってやってきました。(笑)
これは、昨日大統領が“アメリカの黄金時代の幕開けだ”と言われていたように、その一大事例だと思うんです。もし大統領が勝っていなかったら、私たちはこの決断をしなかった。昨日、正式にこのプロジェクトをスタートすることにサインできたのも、このタイミングだからです。
まずは今すぐ1000億ドルを投じ、4年以内には5000億ドルに拡大していく計画です。これは大統領の在任期間中に実現させたい。私たちは本当にワクワクしています。今回のパートナーは、ソフトバンク、OpenAI、Oracle、そして追加でMGXという投資パートナーも入ります。さらに、技術パートナーとしてNVIDIA、そしてサムにとっても支援を続けるマイクロソフトも入っている。これはビジネスだけでなく、人々の生活に役立つんです。ラリーが言ったように、社会の多くの問題、難しい課題をAIの力で解決できると思います。
私は、汎用人工知能(AGI)はもうすぐ来ると思っています。そして、それがゴールではなく、その先の“人工超知能(ASI)”が来れば、人類がそれまで解決できなかった問題も解決できるはず。まさにこれが“我々の黄金時代の始まり”だと思います。」
サム・アルトマン(OpenAI CEO)
「彼らの取り組みが参考になると思うので、彼らに話してもらいます。私たちは、医療分野での進展を大きく後押しできると思っています。近い将来、驚くほどのスピードで様々な病気やガンが治るようになるはずです。心臓病でもなんでも、ものすごい速さで治療法が確立され、高品質な医療が低コストで提供されるようになるでしょう。これは、このテクノロジーがもたらす最も重要な貢献の一つになるでしょうね。」
3人の世界トップ起業家と大統領が、これだけ強く自信を持ってAIによって国家を前進させようとした取り組みは、過去にも類を見ないでしょう。
Elon Muskの意見
イーロンマスクはOpenAIの発表に対して、以下のように投稿をしており、実際のところSoftbank Groupがどのように資金を集め切るのかは今後も注目事項になりそうです。


まとめ
Stargate Projectは、ソフトバンクグループとOpenAIがそれぞれ「財務」と「運営」を担うコアパートナーシップを中心に、OracleやMGXなどの出資企業、さらにArm、Microsoft、NVIDIAといった主要テクノロジーパートナーが協力し合う多層構造で動いています。これまでの企業連携とは規模も目的も一線を画しており、大規模データセンターとAIインフラを米国内に整備することで、次世代のAI開発と社会実装を爆発的に加速させる計画です。
この座組によって、巨額の資金を一元的に運用する仕組みと、最先端のAI研究を動かすための大規模クラウド・ハードウェア環境が同時に整備され、アメリカ国内へ雇用や投資が集まるサイクルが生まれることが期待されています。各社の強みを活かし合う連合体として、Stargate Projectが今後どのようなインパクトをもたらすか注目が集まっています。
参考資料
Announcing The Stargate Project
— OpenAI (@OpenAI) January 21, 2025
The Stargate Project is a new company which intends to invest $500 billion over the next four years building new AI infrastructure for OpenAI in the United States. We will begin deploying $100 billion immediately. This infrastructure will secure…
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