アルジャー・ヒスとデイヴィッド・ロックフェラー
こんにちは。いつもお越しくださる方も、初めての方もご訪問ありがとうございます。
今回はアルジャー・ヒスとデイヴィッド・ロックフェラーについての個人的な考えをお話ししたいと思います。記事中には私個人の偏見や認識の誤りも含まれていると思います。その点のご理解のほど、よろしくお願いいたします。
アルジャー・ヒス
以前にソヴィエトのスパイ、アルジャー・ヒスの英語版Wikipediaを翻訳しました。アルジャー・ヒス Alger Hiss は1936年から国務省のコーデル・ハルの下で働き、第二次世界大戦中は、極東問題特別顧問、スタンリー・ホーンベックの下で助手の仕事をしています。1944年には戦後の国際組織を創設するための特別政治局局長に任命され、1945年には国連国際機関会議の事務局長を務めました。
1945年の2月にフランクリン・D・ルーズヴェルトに同行し、ヤルタ会談に参加し、戦後のヨーロッパ分割と国境線の設定などの話し合いを行いました。戦後に、ヒスはカーネギー国際平和基金の会長に就任しました。
カーネギー国際平和基金とロックフェラー
1947年、カーネギー国際平和基金にデイヴィッド・ロックフェラー David Rockefeller が招待され、そこでロックフェラーはアルジャー・ヒスからカーネギー基金の役員に選出されたことを知らされます。
当時の役員会にはドワイド・D・アイゼンハワーや国際弁護士ジョン・フォスター・ダレス John Foster Dulles などがいました。ダレスは後にアイゼンハワー政権で国務長官を務めた人物で、弟には第5代CIA長官となったアレン・ウォルシュ・ダレスがいました。ジョン・フォスター・ダレスとデイヴィッド・ロックフェラーは旧知のなかでした。
デイヴィッド・ロックフェラーはカーネギー国際平和基金の役員に選出されたことを兄のネルソン・ロックフェラーに報告した所、ネルソンはデイヴィッドに対して、アルジャー・ヒスがソ連の諜報員であるというFBIによる確かな情報を知らされます。
デイヴィッド・ロックフェラーはこの事をジョン・フォスター・ダレスにも報告しました。結局、デイヴィッド・ロックフェラーはこの年に、カーネギー国際平和基金の役員になることを引き受けました。
しかし、1年後に、ヒスのスパイ容疑が新聞を連日賑わすことになりました。ヒスを告発したのは、元タイムの上級編集者で元共産党員のウィテカー・チェンバースでした。また1945年にソ連のスパイの連絡係だったエリザベス・ベントレーにより証言されていました。
チェンバースによる告発の後にカーネギー国際平和基金の役員会が開かれ、晩餐会では会長の周辺には誰も座ろうとはしなかったと言われています。このためデイヴィッド・ロックフェラーはつぶさに彼の右側に座り、ハーヴェー・バンディがヒスの左側に座りました。すると、ロックフェラーの右側にケンタッキー州の弁護士、ウィリアム・マーシャル・ブリットが座り、食事の間、ヒスの裏切り行為を大声で捲し立てました。
この時、デイヴィッド・ロックフェラーはアルジャー・ヒスを弁護する側に回りましたが、火に油を注ぐだけであり、無駄な努力に終わったと告白しています。その後、議題がヒスの満場一致の票決で、ヒスを即時解雇するという話になりかけましたが、ここでもデイヴィッド・ロックフェラーはヒスを弁護して、有罪が確定するまでは休暇を取ってもらうということで話をまとめました。
有罪が確定したのちも、アルジャー・ヒスは無罪を主張し続けましたが、デイヴィッド・ロックフェラーはヒスをソ連のスパイだと思えたと告白しています。
誇り高き国際主義者
デイヴィッド・ロックフェラーは回顧録の中で、ロックフェラー家について次のように言っています。
ロックフェラーは自分が秘密結社の一員であり、国際主義者として「一つの世界」を実現しようと試みていると告白しています。また続けて言います。
ロックフェラーが理事会に選出された外交問題評議会も、あるいは第一回から参加しているビルダーバーグ会議も、彼が設立した三極委員会も、いうなれば、国際主義者たち、あるいは秘密結社の一員たちによる集まりであるということを実質上告白していると見なすべきでしょう。そしてカーネギー国際平和基金もまた、こういった秘密結社員によって運営されている財団であったということも推測するに難しくありません。
ソ連と秘密結社
デイヴィッド・ロックフェラーがアルジャー・ヒスを早い段階からソ連のスパイであろうと認識し、更にそれが露呈した後も、アルジャー・ヒスを擁護し続けたのは、アルジャー・ヒスもまたそういった秘密結社の一員であったからと見れば全く、彼の行動に不都合はありません。
かつて日本でもロシア革命は秘密結社フリーメイソンを牛耳っているユダヤ人が起こした革命であると一部では認識されていました。戦後ではこういった解釈は一切葬り去られましたが、デジタル化が進んだ現在はこのような情報にアクセスすることが容易にできるようになりました。
ユダヤ人の作家のヘンリー・メイコウ氏はロシア革命以前にアメリカで僅かな期間活動していたレオン・トロツキーをウォール街が支援していたことを曝露しています。
ウォール街と共産主義者が実は互いに利害関係のある仲間だったという理屈は戦後の日本では、ほとんど誰も信じていませんが、実際に歴史を紐解けば、彼らには互いに結びつく理屈があったのです。この事実をより確からしいと確信させてくれる証拠として、ソ連のスパイであったアルジャー・ヒスとデイヴィッド・ロックフェラーとの関係があると考えることもできるのではないでしょうか。
いずれにせよ、秘密結社については明るみにでない情報も多く、推論するより仕方がない部分も実際はありますが、彼らがなんの陰謀もなく活動していると考えることは、これらの推論よりも一層にありえない話のように思えてなりません。
関連記事
最後に
最後までお付き合いいただきありがとうございました。もし記事を読んで面白かったなと思った方はスキをクリックしていただけますと励みになります。
今度も引き続き読んでみたいなと感じましたらフォローも是非お願いします。何かご感想・ご要望などありましたら気軽にコメントお願いいたします。
Twitterの方も興味がありましたら覗いてみてください。こちらよりも少し口が悪いですけれど気にしないでください。
今回はここまでになります。それではまたのご訪問をお待ちしております。
世界が一日もはやく呪われた微睡の日常から目が覚めますように。