藤本タツキへのラブレター
藤本タツキ、オレにはわかるよ。
漫画でたくさん稼げるようになったけど、稼いだらその分税金で持ってかれて、でも自分にはマンガしかなくてさ、嫌なこともあるけどコレしかねーんだ、描きてーもん描くんだ、誰かが喜んでくれるんだって自分に言い聞かせてさ。
金の面だけじゃなくて外野にテキトーな事言われたりしてさ、勝手に期待されたと思ったら失望されて上げて落とされて…マジでタワマンのエレベーター並みの急激な高低差に正直身も心も付いてけねーだろ?なぁ?あんだけ熱入れて描いたルックバックも知らねー奴の自分語りやら映画知識マウントやらに消費されて…嫌んなるよな!
それでもコレしか、マンガしかねーんだろ?
わかるよ。
じゃあせめて吸われた税金は子供のために使われてるといいなーと思いきや逃げ切り世代のジジイやババアに吸い尽くされて本当に本当にバカらしくて仕方ねーよなぁ?なぁ!?
今週の描写はそういう気持ちの表れだろ!?
生にしがみつく老害どもの醜さを風刺する事で心の溜飲を下げたんだろ!?
なぁ、そうだろ!?
藤本タツキ、オレには分かるんだよ!お前の気持ちが!いや、オレは普通のオッサンで稼ぎも少ないんだけども!それでも分かるんだよ!
なぜなら!
なぜならば!!
オレはお前と同じだからだよ!
藤本タツキ、お前も…後付け外付けの金、名誉、賞賛では埋めることのできない大きな欠陥を抱えてるんだろ!?先天的に何かが決定的に欠けていて、それで心を摩耗した経験があるんだろ!?
分かるんだよオレには!
オレも同じなんだよ!いや、オレは金も名誉もないんだけどね!でも分かるんだよ!同じなんだよ!
だから成功してる現状でも何かしっくりこない違和感がヘドロのようにこびりついてるんだろ!?そうだろ!?(違ったらごめんね。違わなかったら続くから読んでね)
そのヘドロはな、後付け外付けの社外パーツじゃどうにもなんねーから!むしろ際立つから!
成功すればするほど、持て囃されればされるほど自分の本質とのギャップが生まれて、その違和感が地層のごとく重なって魚の目みてーに刺さってくんだよ!現に今そうだろ!?じゃあ、どうするんて感じだろ?
必要なのはな、理解者だよ。
知識だけでない、同じ経験をしたことのある真の理解者。これだよ。
つまり…
お前の事が本当に分かるのは!
お前と本当の信頼を築けるのは!
お前に真の安らぎをもたらすことができるのは!
オレだ。
オレだけだ。
…藤本タツキ、連絡待ってるぜ。
一緒に映画撮ろう。それかコントしよう。
いや、やっぱお互いクセ強そうでケンカになりそうだからやめとこう。
でも本当にキツくなったら連絡くれよ。
壊れる前に。
待ってるぜ。