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Mt.Seppiko

今日は兵庫県の雪彦山へ。絶好の登山日和だった。頂上は標高915mで、雪彦山とは本峰、洞ヶ岳、鉾立山、三辻山の総称。ロッククライミングで有名な山で、石英粗面岩でできた険しい岩壁は昭和初期に開拓されたらしい。登山道ものんびり歩けるようなコースではなく、汗びっしょりになるような急登で始まり、その後はひたすらに岩場を登っていく。

登山口
すぐ横に川が流れていて、空気が少し冷たい
鎖場
足腰よりも腕の力で登る

写真を撮る余裕もなく、ひたすらに登る。途中からは山道で出会ったご夫婦や雪彦山にかなり慣れているおじさんと仲良くなり、岩場の安全な登り方や下り方を教えて頂いたり色々とお話したりして、気付けば下山して登山口に戻るまで一緒だった。そのご夫婦は北アルプスの槍ヶ岳や剱岳にも登ったことがあるとのこと。それも毎回テント泊で行くというなかなかの強者。お二人ともとても優しくて、鎖場を抜けたり岩を登り切ったりするたびに「上手だわ!すごいわ!これなら槍ヶ岳も大丈夫だわ!」とまるで父母のような温かさで声をかけてくれるので、途中からわたしは彼らをお母さんお父さんと呼んで、彼らは「娘たち、着いてきなさーい!」と先導してくれた。

ご夫婦に色々と教えて頂き
かなりレベルアップ
覗き岩
逆光ですがこれはハイジです
ここはスリムでないと通れません
地蔵岳という岩の上
ここに登るのが少し大変だった

下山後は銭湯に入り、カフェでケーキを食べて帰って来た。銭湯では身体を洗っていると横で何やら喋り声が聞こえて、シャンプーをしながらちらりと見てみると80代くらいのおばあさんが「腰が痛くて低い椅子に座れないわどうしましょう」とひとりごとを言いながらあたふたしていた。浴室内を見てみるとシャワーチェアがあったので、それをひっぱってきて「こちらはどうですか?」と勧めてみると「あらこれはいいわ!」と喜んでくれた。今度はシャワーの使い方がわからないらしく、身体を洗うのはどれかしら?頭を洗うのは?と困っていたので、これはシャンプーとリンスが混ざったものですよなどと話していたら仲良くなって、更衣室ではおばあさんのマシンガントークが止まらなかった。息子さんとお孫さんと3人暮らしで、久しぶりに息子さんの運転で銭湯に連れてきてもらったとのことだった。とてもチャーミングなおばあさんで、色々な言動から察するに認知症なのではと思うが、どこへ行ったとしてもその先々できっと人に助けてもらえる方だなとほっこりしてしまった。

旅先では刹那的なたくさんの出会いがある。そういう出会いこそ心に深く残ることがあって、その思い出たちは心や身体の一部となってわたしを強くたくましくさせてくれている。これだから旅はやめられない。山に行くことだって旅の一つだ。



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