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わたしのからだの話について


もうすぐ、人生で初めてのzineを出す。

新大久保の韓国料理屋さんで友人を誘ってから、割と長い年月がかかってしまった。
「zineを一緒に作ろうよ」と声をかけてから、何も決めず撮影したり、時間を忘れて語り合って、やっと共通認識ができたりして。
私はとても素敵な友人を持ったなあと誇りに思っている。

私たちが語り合ったランジェリーについての話は、きっとその先に、フェミニズムが繋がっている。

お互いにこれまで語ることのなかったランジェリーの話、身体の話、セクシュアリティの話、ジェンダーの感覚。話してみて、個々の体験は違えど、私たちには共通の感覚が存在すると知った。
その体験は、私の人生の中で何にも変え難い、大事な一部となった。


私たちの言葉や作品は、どのように捉えられていくのだろう。zineにして、規模は小さくとも世に出すということは、共通感覚の無い人たちに伝えていくということだ。
それはとても難しいことだということを知った。

だから今日はほんの少し、いまの私の感覚をシェア出来たらと思う。
zineの導入的な感じで読んでもらえたら嬉しい。


最近、「ボディポジティブ」という言葉がよく唱えられる。この言葉に私が出会った時、救われた気持ちと同時に、心の奥がもやっともした。

いつかの記事で書いたけれど、私は元々太りやすいタイプで、ずっと(それはもう中学や高校生の頃から)ダイエットを続けてきた。
当時は「痩せなきゃ」という強迫観念と、「楽しく食べたい」という気持ちが混在していて、暴飲暴食とダイエットを繰り返していた。
そんな時にランジェリーに出会って、世の中の「かわいい」の基準からはみ出たって可愛いんだということを知った。以前みたいにダイエットはしなくなったけど、依然として「かわいい」の呪縛からは逃れられていない気もしていた。

「肉感があるのだってかわいい!自分の身体を認めてあげよう!」

こうやって思い続けて(もはや自己暗示にかけるように)、どうにか自分の身体を愛そうとしてきた。


だけど、救いだと思った「ボディポジティブ」も、すぐに無意味だと知った。
「私の身体は私が可愛いと思っていればいい」
そう思っているはずなのに、デートの前にはご飯を食べなかったし、ダイエットをしていた。私が良いと思っていても、私の意中の相手はやっぱり細い女の子が好みなのではないだろうか。
そんな不安が付きまとっていて、こと恋愛になるとやっぱり「可愛い」は正義だった。


そんなもやっとを抱えつつも、自分の身体を「肯定的に」捉えようともがいていた時、『ボディニュートララリティ』という言葉を知った。

ボディニュートラリティとは、

容姿は自分の価値や幸せを定義するものではない。

という「容姿に対してニュートラルな価値観」のこと。簡単に、そして大雑把に言えば、からだを機能としての役割として捉えることだと思う。私のからだのこと、好きな時もあれば嫌いな時もある。


そんな価値観を知って、自分のもやもやの正体を知ることが出来た。言葉ってすごいよね、たかが言葉でも、その言葉によって形が作られる。
わたしのもやもやの正体は、「ボディポジティビティ」が抜け出せていない「客体化」への違和感だ。
私はこれまで、自分のからだを他人や自分の視線に晒してきた。分かりやすく言うと、私は私のからだを「評価の対象」として、常に土俵にあげてきたのだ。
誰かに(もしくは自分に)私のからだが客体化されることが当たり前だと思っていた。
「かわいい」の枠に入れることは、「かわいくない」も隣にある事だ。ボディポジティビティという考え方は、「可愛い」の範囲を広範囲に広げただけで、自分の身体を肯定的に捉えることを課している。それが苦しくなってしまう原因だった。

だから、「ボディニュートラリティ」を知った私のいまのからだとの向き合い方は、毎日元気に過ごすことが出来る私のからだへの愛しさ。愛しくない日もある。
そうやって考えられるようになってから、魔法にかかったように、自分のからだへの執着が薄れていった。食欲が旺盛な時はもちろん肉付きも良くなるけど、「あ、最近むちってきたな〜」くらいで、そこに良い悪いの価値判断がない。とっっっっても楽である。


ただ、私がこの記事やzineで言いたいことは、「みんなもボディニュートラルで生きようぜ!」ってことでは無い。価値観の押しつけではなく、みんなどの価値観を採用するかを選べるよ!という提案をしたいのだ。

価値観って、メガネのようなものだと思っていて。その都度かけかえはできるし、掛け替えが必要なときもある。
まずは、色んなメガネがあることを知ってもらいたい。あなたの感じる"当たり前"の価値観ですら、あなたは「選んでいる」ということをみんなで自覚しよう。色んなメガネがある事を知ると、自分のかけているメガネで誰かを評価することがナンセンスだって分かる。みんながそれを出来るようになったら、みんなが生きやすくなるじゃん?
そういう優しい世界の第1歩を踏み出したいよね〜という話なんです。


だから私は、この記事を読んでくれたあなたや、zineを手に取る未来のあなたに、「あなたはどんなメガネをかけているの?」「どんな世界で生きているの?」てことを聞きたい!

そんなきっかけになるための、"わたしのランジェリーの話"だと思うのだ。
『Let's talk about lingerie』では、私の初めてのランジェリー体験について話しているよ。それを読んで、あなたの「ランジェリー初体験」の話や「ランジェリー未体験」の話を聞かせてくれたら嬉しく思う。


zineは4月29日のtiny zineっていうイベントで出すよ!
ぜひ見にきてくれたら嬉しいです。


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