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変なテンションで音楽集の曲語りをするけど許してくれよな

こーんにーちは〜(夜)
秋ですね。どうも、むし。です。
なんだか久々にnote開いたし記事書いてる気がする。

さて今回は2024年10月30日に公開致しました、
『行方知らずの放浪記-つれづれなる音楽集』
の楽曲語りをします。
変なテンションで。
昨日はハロウィンだったので気分が浮かれていたかと思いきやなぜか気分がずーん…となってしまい、その反動がここ最近来ております。
はっぴーはろうぃーん!!!(一昨日)

てな訳で早速参りましょう、レディゴー!

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※この記事は『行方知れ不の放浪記(第十記)』と『行方知らずの放浪記-つれづれなる音楽集』をどちらも読了/お聴きいただいた後に読むことを推奨しております。
第十記はこちらから(ここから曲も聴けるよ!)

もう読んだよ!って方やネタバレどんと来い!な方はそのままお読み下さい。

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制作しようと思ったきっかけ

2024-10-27。とある方のお声がけがきっかけで、東京流通センターにて開催された同人音楽即売会「M3」に一般参加することになりました。
そのとある方は私に渡したいものがあったらしく、こちらが何も用意しないのは失礼だなと思い、何か持って行けるものはないかと考えた末……

「よし、新譜作ろう」

新譜を作ると決めたら次は題材をどうするか。
この時浮かんだのが、行方知れ不の放浪記-第十記の制作です。
第十記は「三人が短めの旅に出て、夢遊町にいる外界人達に会いに行く」というお話の都合上結構大掛かりな回になると思っていて、もしやるなら音楽集みたいにしたいな……と以前よりうっすらと思っていました。
それを実現させよう。私ならできるぞ(おい)!
ちなみにこれを決めたのはM3の約1ヶ月前です。
約1ヶ月という短期間で、なおかつ大学の課題を二つ掛け持ちしている状態(&TDLのハロウィンパレードの黄金像に狂う→パーク行く)の中、無事完成させることができました。
ただ、M3までに楽曲は間に合ったのですが文章と挿絵が間に合わず、結局第十記の公開は3日遅れた10月30日になりました。
おかげで疲れ果てちゃって持ち垢全垢分のハロウィン絵まで気が回りませんでした……

さて、ここからは1か月の短期間で作り上げた全10曲を語り尽くしたいと思います。
音源名(GarageBandユーザーしか分からないしユーザーでもいちいち覚えてないかもしれない)とかも普通に出しちゃうかもなので
「へー、そうなんだー」
くらいの軽い気持ちで読み流してくれればと思います。ただの自己満足なので。

また、今回の記事では過去に投稿した楽曲を挙げる事が沢山あります。文章中の「♪(曲名)」となっているものは曲名をクリックすると対応する楽曲が聴ける場所(Youtubeか SoundCloud)につながりますので、気になったものがあればぜひ聴いてみて下さい。

楽曲語りの巻

01.旅はつれづれなるままに

音楽集及び第十記の表題曲です。旅の始まりの曲なので、そこまで癖を強くせず爽やかな曲にしてみました。今作は行方知れ不の放浪記の音楽集なので、始まりは過去に投稿した行方知れ不の放浪記メインテーマ、「♪旅路は続く、淡々と」という楽曲に作風を寄せています。音源もこの曲に使われていたものを中心に使っています。

また、今作は全体的にアコースティックなドラム音源が少し多めだったり、16分ドラムロールがところどころ散見されたりと、一応全体的な雰囲気は共通させているつもりです。

さて、一曲目の個人的な好きポイントは変拍子。(3拍子→5拍子×3→3拍子)×2→3拍子統一の流れの場所です。ここ、大学への通学中にふと思いついたんです。忘れないうちにメモできてよかった。3→5の変拍子だったり、そこの部分のドラムパターンだったりと、この部分に関する自分のやりたい事は全部できた。めちゃくちゃお気に入りです。

02.再会は突然に

音楽集の二曲目、本来のポジションは夢遊シリーズ第1弾の3面道中テーマです。初公開。

この曲はすごく昔(ちゃんと作ったのは6年前くらいだが、オリジナルはもっと昔)に作った曲をリメイクしたものです。当時は作曲はじめたてだったのでベースの概念を知らず、メインメロディとドラムのみで進行する曲でした。今回もそれで行こうかなと思っていましたが、やはり物足りないのでベースをガンガン入れて盛り上げちゃいました。とってもスポーティー(?)でノリノリな曲に仕上がったと思います。

この曲の個人的な好きポイントはオーボエの旋律です。ちょっと音同士の相性が悪くてぶつかり合い気味のオーボエさんですが、これは6年前に作ったものをそのまま打っています。変えてもいいかなーとは思ったのですが、なかなかお気に入りだったので変えずにそのまま採用しました。
あと、陽向とないじってこのオーボエみたいな感じの関係性だと思っているので……

03.picture of the World

こちらは夢遊シリーズの主人公、弥生陽向のテーマ曲です。夢遊第1弾の3面ボスBとして登場する時のテーマ曲でもあります。

この曲は『異時空並びに夢遊史記』の第参弾ぶりのリメイクです(♪夢遊史記バージョンはこちらから)。オリジナルは先程の曲と同じく6年以上前に作っていたのですが、夢遊史記に陽向が登場するにあたって一度リメイク、そして今作でもう一度リメイクされています。

なぜもう一度リメイクしたのかというと、音楽集『解凍』にて、ないじさんの曲を"ちゃんと"リメイクしたからです。"ちゃんと"とはどういう意味なのか。それは、夢遊史記とは別にちゃんと"その人自身のテーマとしてリメイクした"という意味です。異時空並びに夢遊史記は夢遊町と異時空界の繋がりを意識した作品でもあるので、夢遊史記バージョンの陽向の曲はオリジナルアレンジが入っています(三時の曲「♪志理思想の不完全世界〜dream of scholar〜」のフレーズが混じっています)。なので、今作では陽向本人のテーマ曲として、アレンジ部分を抜きにしたオリジナルに忠実なものを作る必要がありました。

さて、個人的な好きポイントは冒頭8小節です。
「picked」というギター音源(ほぼベース)を用い、出だしから思い切りカッコよく仕上げました。また、この曲に対応するお話は弾幕戦を中心としているので、中々に相性抜群で気に入ってます。あと、ほぼこの曲にしか使ってないシンセ音源も好き。

04.螺旋階段状の淑心

こちらは夢遊シリーズ第1弾4面道中テーマです。
夢遊史記第壱弾ぶりのリメイク。この曲、作曲はじめたての頃に作った曲の中でもめちゃくちゃお気に入りの曲なので、またリメイクしちゃいました。

実は2曲目から4曲目までの流れは夢遊シリーズ第1弾の3面道中→3面ボス→4面道中という流れになっています。杉浦教授らが出会う人々の順番がこの流れそのままなので、楽曲の順番も流れに沿わせてみました。ちょっとしたこだわり。

個人的な好きポイントは、♪夢遊史記バージョンとの相違点です。
例えば、夢史ver.では二胡を使っていたところをクラリネットに変えたり、ドラム音源を電子的なものからアコースティックなものに変えたりしています。楽曲や場所の雰囲気をもっと正確に表現するため、音源を少しクラシック寄りに。またBメロには夢史ver.にはないピアノを入れたり、サビのドラムに加えて「パァーンッ!」という効果音を入れたのもお気に入りです。
この曲、自分の思った以上にこだわりが詰まってるな……

05.メモリーダストソレイユ

こちらは書き下ろしの完全新曲です。本来は夢遊シリーズ第4弾の5面テーマのつもりで作りはじめていたのですが、作っているうちにそんな感じじゃなくなりました。
この曲は対応するお話を書いてから制作したので、古い建物の中にある研究所とか、記憶の中の向日葵畑とか、煬杯教授のとある一面だとか……とにかくお話に関わる要素が散りばめられた曲になっています。ってことはー、間接的にシュタインと煬杯教授の思い出と現在を繋げる曲ってことになるのかなぁ。

電子的なイメージで作りはじめたので、一度使ったきり使っていない音源を使ってみたり、少し懐かしい音源を使ってみたりしています。例えば冒頭から使われている音源は「♪荒波鎮む海域〜Pirates treasure hunt」で使ったきりのものが多いし、A'パートのサブメロディを奏でているシンセなんかは「♪この世で一番甘い日常」ぶりだし、サックスも「♪夕空飛行」でほんのちょっと使ったっきりだけど、がっつり使ったのは終末蝶3作目の4面テーマなんじゃないかなぁ……。

前の曲が3拍子だったから次の曲も6/8拍子なのはどうなのかな、と心配していた部分はありましたが、雰囲気がかなり違うのでなんとかなりました。旅路2日目の開幕の曲としてはちょっと異質な楽曲になりましたが、作曲者本人がめちゃくちゃ気に入ってるのでそれでよし。

個人的な好きポイントは……もう全部好きなので省略します。制作中も制作後も鬼リピしてる。

06.周期表の果ての未来

5曲目からの完全新曲ラッシュ、2曲目はダルク・ケミストのテーマ曲です。タイトルかっこいいよね(自画自賛)。彼も物語の根幹に関わる重要人物並びにEXボスなので、盛大なテーマ曲を作ってあげたかった。

この曲を制作するにあたり、参考にしたのが東方導命樹の6面ボス曲です。あんな感じの曲を作りたいなって。ケミストさんといえばマッドサイエンティストなイメージが強いですが、在弥三時や石座三ツ輝のように、彼も何か一つの目標に全力な研究者の一人です。なので、マッドというより"ひたむきに何か一つのものを追い求める"、瞳の先には希望しか見えていない、けれど少し不安定で盲目的な、いっそ清々しい曲を目指しました。

個人的な好きポイントは、小難しい要素を取っ払ってボスボスしい曲調に全振りしたところです。
ベース代わりの低音エレキギター、初っ端から出てくるオーボエ(しかも三段構え)、鉄板のクワイヤ、アコースティックと電子ドラムの合わせ技など、これでもかと終盤辺りのボス曲に使っている要素が一曲通して使われています。
こんな本気を詰め込んだような曲が6曲目でいいの?こいつのせいでこれから先の楽曲見劣りしない?とちょっと心配になりましたが、そんな事はありませんでした。むしろ、場面転換のいいスパイスになったのではないかなと思ってます。

07.成れ果ての皇族達

完全新曲ラッシュ、3曲目は須藤峻くんのテーマ曲です。なんかよく分からない曲になりました。最初にイントロ後の二胡地帯を思いついて、それからどんどん思いつくままにメロディーを書き連ねていたらいつのまにか曲全体のメロディーが出来上がっていました。そこに装飾音やベース、ドラムを加えてできあがり。ヴァレッツコンツェルト(白昼の園の物怪達のテーマ曲)と同じような手順です。

この曲は須藤峻くんのテーマ曲です。大事なことなのでもう一度、この曲は"須藤峻"のテーマ曲なのです。オルゴールやマリンバを使用し、どこか不安定だけど楽しげな曲調を目指しました。転調を沢山入れたのもお気に入り。
あと、曲名の"皇族達"というのは須藤峻と煬杯教授のことを指しています。煬杯教授は元ネタが皇帝とか隋の使者とかだったりするし、須藤峻くんも元ネタがどっかの皇族だしねぇ。そういや、この行方知れ不の放浪記って太子と妹、我翔が主役の飛鳥創作と繋がってるんだったっけ。

この曲の好きポイントは、マリンバです。
マリンバとはいっても、超改造マリンバです。
good night étudeの牛(頭粗の牛骨)以来使っていない超改造マリンバ、3年以上の時を経て復活。それだけで嬉しいものがあります。いや、一度超改造マリンバを使った曲を作ってはいたのですが、どういう訳か没になっちゃって……というのはさておき、これからも使える時にどんどん使っていきたいですね。そしてゆくゆくはZUNペットみたいな「むし。マリンバ」とかいう造語が……生まれないかぁ。

とにかく、この楽曲を通して須藤峻という謎めいた存在に対するアンサーを私なりに示せたと思います。そのうち文章で書くことになるとは思いますが、それまでどうか。

08.倫理的罪人は小槌を振るう

こちらは異・シリーズ第八弾にて公開した儒真聡成さんのテーマ曲です。ケミストのテーマと同様ボスボスしい曲でございます。でもこちらはケミストのような盲目な光ではなく、眩しい威光のような曲です。うまく差別化できてるんじゃないかなぁ。

この曲は第八弾で公開してからけっこうな時間が経っているので、さすがにリメイクしたいなぁと一年ほど前から思っていたのですが、今作を制作すると決めるまでずっとほったらかしていました。ごめんね裁判長。彼の曲も実は実質3回目のリメイクでして、八弾よりも前に原型があり、その原型をほぼリメイクという形で完成させたのが第八弾で、それをリメイクしたのが今作です(♪第八弾ver.はこちらから)。
なんだろう、この曲にはとてつもない思い入れがあるような気がする。今も昔も、この曲を作る時は私の本気を全部詰め込んで作っていたからかな。

リメイクにあたって、以前のバージョンよりも威厳や正義感、ラスボスっぽさををマシマシにしたいと考えていました。なので一部の音源を変えてみたり、ドラムパターンを一新したり(一部除く)、音の位置やミックスにいつもより気を配りました。結局いつも通りになってしまったけれど、おかげで段違いにカッコよくなったような気がします。
ちなみに、曲名も第八弾ver.とは違いサブタイトルを入れていません。入れ忘れじゃないよ。

個人的な好きポイントは、特にドラムパターンを一新したA'メロ地帯です。以前あの箇所は静かな雰囲気だったのですが、今回のリメイクではガンガンドラムを鳴らして盛り上げています。あの部分については、ここでドラムを盛り上げたけど少し経つとまた静かになってしまう少し中途半端な構成になっていたので、リメイクする時にどうするか結構迷いました。思いきってドラムを入れてみたら上手くいきました。何事も挑戦してみるものですね(それを現実にも反映させなさい)。

09.demonstration-barrage style.

こちらは堂棟さんのテーマ曲です。以前SoundCloudに単曲公開したものの別ver.です。以前公開したものは足音で終わっていましたが、こちらはなんと約5分弱のフル尺となっております。あれはフル尺ではなかったのだ……(♪SoundCloud ver.はこちらから)。

こちらはbarrage styleと銘打ち、SoundCloudのものよりもドラムマシマシなバージョンとなっています。ドラム以外の楽器は以前のバージョンのものを(ミックスを手直ししつつ)ほぼそのまま使っており、フル尺に必要なフレーズを足して完成させました。ドラムロールはいつもの8分スタイルのものではなく16分のものを使っており、元バージョンとbpmは同じでもこちらの方が疾走感があるように聞こえるのではないでしょうか。

さて、この曲を9曲目に持ってきたわけですが、この曲はこの位置じゃなきゃいけなかったのです。個人的に、ストーリーのある音楽集において最後の曲の一つ前ってとても大事なポジションだと思っていて、その作品において一番重要な楽曲をその位置に持って来ることが多いような気がします。
堂棟のテーマ曲は、お話の流れ的にというのもそうですが、今回の旅路において堂棟という人物が非常に重要な立ち位置にいるというのが大きいです。なにせ、珍しく"まともな"堂棟さんが"いつもにも増して真剣に"患者と向き合っているのですから。え?いつも真剣だって?ナンノコトカナー

個人的な好きポイントは、Bメロのドラムとフル尺追加地帯です。
Bメロのドラムは他の場所と違い8分のものを使用し、疾走感とは打って変わって真剣な空気を醸し出す役割を果たしています。マジでお気に入り。
フル尺化に伴う追加地帯は堂棟の曲の中で私が一番好きなパートです。以前のバージョンでは曲の背景事情の関係上あそこで切らざるを得ませんでしたが、やっとお披露目できました。嬉しい。ちなみにサビ終わりのオーボエのフレーズは新規で付け足したものだったり。

10.3%の労い

エンディングテーマ曲です。曲番号の関係で「10.3%の労い」に見えるけど、「3%の労い」です。この3%という数値はお酒のアルコール濃度です。煬杯教授が3%の酒を飲むなんて、珍しいですね。

さて、対応するお話の舞台が天ノ華酒場ということで、『異時空並びに夢遊史記』第参弾の一曲目、「♪天ノ華酒場〜plase of relaxation」に曲風を寄せています。コロコロとした音のキーボードやベースなど、音源もわりと共通のものを使っています。アコースティックギターのイントロもわりと上手くできた気がします。まるで酒場の常客の弾き語りを聴いているような気分(個人差)。

この曲の好きポイントは、ずばり転調です。
私がエンディングっぽい曲を作る時、いつも肩の力が抜けたような、気の抜けた状態で作りがち。
この曲も割と気を抜いて作っていたのですが、二胡のメロディーを打っているうちに「これ転調させるといいんじゃない」と閃きが降りてきて、そこからは力を抜かずに本気で作りました。なので、エンディング系統ではいつも簡素になりがちなドラムパターンもわりと真面目に考えて作っています。


さいごに

旅は一段落しましたが、まだ彼らの旅は終わっていません。
これからも不定期更新にはなりますが、彼らの辿る旅路を共に追って頂けると嬉しいです。

それでは、またどこかで。

2024.11.2 むし。

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