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駐車場業界にイノベーションをもたらす――将来性のある領域でスピーディに開発を進めていく面白さ
「未来の『駐車体験』を形にする」をミッションに掲げ、ロック板のない駐車場やスマートフォンから精算できるアプリを展開してきた株式会社アイテック。
2019年7月よりPKSHAグループに参画し、ソフトウェア全般の開発を内製化したことで、ハードウェアと連携した各種開発をより加速させています。さらに、2024年4月以降、三井のリパークにおいて新規に設置される駐車場では、順次ロックレス式駐車場の導入が行われています。
2024年3月に入社し、現在は開発部 機器開発課課長を務める碓井晋平さんに、アイテックに入社した理由、開発部の役割、駐車場業界の市況感と課題、やりがいや今後の展望などについて聞きました。
アイテック 開発部 機器開発課 課長 碓井 晋平さん
大学で電子情報工学を学んだ後、大手家電メーカーに就職。ビデオカメラなどのデジタル家電開発を担当。その後、ロボットなどの製造・販売を行う総合機械メーカーに転職し、産業用ロボットの制御装置の開発を担当。2024年3月、アイテックに入社。同年、開発部機器開発課の課長に就任。制御ソフトに携わってきた知見を活かし、製品メンテナンスを主に担当する。
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望んだのは、キャリアを活かせる風通しがいい会社
――アイテックに入社する前のご経験についてお聞かせください。
私は富山出身で、小さい頃からものづくりが好きだったため、工業高校の電気科へ進学し、大学は工学部で電子情報工学を専攻しました。卒業後は大手の総合電機メーカーに入社し、テレビやビデオカメラなどのコンシューマ向けデジタル家電の開発を担当しました。
東京と横浜のオフィスで15年ほど勤務した後、Uターンして富山の企業に転職することに決めました。ずっと何かを制御するためのソフトを扱ってきたので、そのキャリアを活かすべく、選んだのは産業用ロボットの製造販売をしている会社です。
分野こそ異なりますが、制御ソフトという点においてはそれほど大きな違いはありません。その会社では、組込みソフトエンジニアとして、産業用ロボットの制御装置開発を中心に、ユーザ保守、メンテナンス支援などに8年ほど従事しました。
ーーそこから、再び転職を考えたきっかけは何ですか。
産業ロボットを扱うことは面白く、技術的にも興味深かったのですが、社風や人間関係において課題を感じることもありました。当時45歳を過ぎており、「よりよい働く環境を探すならば、年齢的にも最後のチャンスだろう」と考え、悩んだ末に転職をしようと思いました。
最初は富山県内の企業を調べたのですが、地方では自分のキャリアを活かせる会社はなかなか見つかりません。モヤモヤしたまま時間ばかりが過ぎていきました。最終的に、家族には負担をかけて申し訳ないと思いつつも、覚悟を決めて単身で東京に戻ることにしました。自分の人生の中でもかなり大きな決断でしたね。
――その大きな決断で、アイテックを選んだ理由を教えてください。
転職先に第一に望んだのは、「風通しがいい会社であること」です。転職エージェントの担当者にも、業界や技術領域などよりも、忖度なく自分の意見を言える環境であることを軸に会社を選びたいと伝えました。
面談をしたとき、アイテックに対して「とても話しやすい」と感じ、はじめから好印象を持ちました。駐車場システムに関する知識はなかったものの、何かを動かしたり、制御したりすることは好きですし、未知の領域でものづくりに携われるのも面白そうだと思いました。
本音を言うと、それまでは駐車場業界に対して「昔からあまり変わり映えがしない業界」という印象を持っていたのです。しかし、面談の説明を通じてアイテックは新しいことに挑戦していると知り、今後はそれをさらに広く展開していきたいという夢を聞いてワクワクしました。
会社規模としては前々職や前職ほど大きくないものの、PKSHAグループはすでに上場しており、業績も安定しています。スタートアップのマインドはありつつ
も、今後どんどん伸びていく企業だと確信したので、人生をかけた転職をすることに不安はありませんでした。
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変化していく駐車場業界と、未来の駐車体験
ーーアイテック入社後、どのような役割を担っていますか。
私は開発部の機器開発課に所属しています。機器開発課は、駐車場の精算機や車のナンバープレートを撮影して認識する「ナンバー認識ポール」などの機器を開発する部署です。私はこれまでソフトウェアに携わってきたので、それらの機器を制御するソフトの開発やメンテナンスを主に担当しています。
実は、2024年9月までハード部門とソフト部門は別の課でした。しかし、よりスピーディーにものづくりを進めていくために、2024年10月に2課が統合され機器開発課になりました。そのタイミングで、私は課長を拝命しました。入社してから約半年でそんな大役をいただき、正直、緊張感やプレッシャーはあります。でも、それだけ期待していただけているのはありがたいですね。
ーーアイテックが挑む駐車場業界の市況感や課題をお聞かせください。
入社面談のときに聞いてワクワクしたアイテックの夢のひとつが、車のナンバープレートを撮影して認識するシステムです。料金未払いのまま出庫してしまった場合は、コールセンターが精算機を遠隔操作し、出庫後の支払い手続きをサポートします。
アイテックは「未来の『駐車体験』を形にする」をミッションに、そうした仕組みを日本で先駆けて開発している会社です。2024年は国内駐車場業界トップシェアの三井のリパークとの連携が実現し、事業が大きく加速しました。
もし、入社前の私のように「駐車場業界は昔から変わり映えがしない」という印象を持っている方がいたら、現在、駐車場業界は変革期にあると伝えたいです。運転者の行動を変える新しい仕組みがどんどん生まれており、すでに実証実験も始まっています。
技術的な課題は、料金精算におけるキャッシュレス対応や、スマホと連携して目的地付近の駐車場をすぐに見つけられる機能の搭載などですね。まだ地方では、都心部ほどキャッシュレス決済は浸透していませんが、今後は現金精算もできるし、キャッシュレス決済もできる精算機のような、より「お客様にとって使いやすいもの」を開発していきたいです。
ーー具体的なプロジェクトについても聞けるとうれしいです。
機器開発課では新しい製品開発と既存製品のメンテナンスの両方を手掛けています。私自身は既存製品のメンテナンスを多く担当しており、スピーディに不具合の原因を突き止め、問題を解決して、製品を継続して世の中に提供していく役割を担っています。
開発部全体では、現在はどちらかといえば新しい製品開発に力を入れているフェーズです。一例を挙げると、2024年12月から、AI画像認証技術を搭載した俯瞰カメラ式ロックレスシステムの実証実験を全国で順次開始しました。俯瞰カメラを使うことで設置する機器の台数を減らせるため、コストダウンと工事の簡便化ができ、導入しやすくなるのがメリットです。
とはいえ、新しいものを開発するには既存の仕組みを知ることが欠かせません。先人たちが培ってきたものを理解し、その上で「どう変えていけば、より使いやすいものになるか」と考えていくことが大切だと思っています。
将来性がある領域で、スピーディに開発を進められる
ーー開発していくなかで大事にしていることは何ですか。
自分も含めて、エンジニアって技術ありきというか、「自分はこんなことができるぞ」と押し付けがちな傾向が少なからずあると思います。でも、ものづくりにおいて重要なのは、利用者目線です。技術の押し付けにならないように気を付けつつ、「どうすればお客様にとってより使いやすいものになるか」という意識を大事にしています。
アイテックの仕事は、自分自身も車を運転するし、駐車場も使うので、開発者でありながら利用者の立場でもいられるので、利用者目線を持ちやすいです。開発した機器がどんなふうに使われているかもダイレクトにわかるので、やりがいを感じられます。
駐車場の機器をソフトで制御するにあたって、AIなどの新しい技術も導入していますが、「いかに無駄なコストを省き、品質のよい製品を作っていくか」というものづくりの考え方は、昔からあまり変わっていません。技術的には、結構泥臭いことをやっているんです。
ーーアイテックだからこその魅力もあれば教えてください。
駐車場領域は伸びしろがあり、アイテックのソリューションは将来性とニーズがあります。
駐車場は日本全国にあるので技術的な実証実験がしやすく、スピーディに開発を進められることは技術者にとって大きな魅力です。
そして、日本を代表するAI企業・PKSHAグループの一員になれるのも魅力だと思います。PKSHAのメンバーと一緒に仕事をすることもあるのですが、皆さんすごく賢いんですよ。スタートアップだからなのか、柔軟な考え方をする一方でこだわりもあって、一般的な機器メーカーにはあまりいないタイプの人たちが集っています。
いろいろな価値観を持つ人たちと混ざりあい、意見を出し合える環境は、かなり刺激的です。私のように機器メーカーで長く働いてきた人であれば、「こんなカオスな世界もあるんだ」と面白く感じられるのではないでしょうか。
入社面談で感じた「風通しがいい会社」という印象は今も変わっていません。職場の雰囲気がよく、人間関係も良好で、私はアイテックに入ってよかったと心から思っています。
求めるのは、楽しみながら突き進んでいける人
ーーアイテックの求める人材像を教えてください。
マインド面では、言われたことだけをやる受け身の方よりも、自らどんどん突き進んでいく方を求めています。風通しがよく一人ひとりが意見を出しやすい会社なので、ポジティブな方のほうが本人も楽しめるし、活躍できるでしょう。
スキル面では、ハードウェアとソフトウェア両方に触れたことがある人材が理想的ですが、機器メーカーで開発を経験してきた方や、開発に必要なスキルセットを備えた方であれば、歓迎します。私自身もそうでしたが、駐車場領域での経験はなくても構いません。
ーー候補者はアイテックに入社することでどのような経験を得られますか。
これまで機器メーカーで働いてきて「培ってきたスキルとキャリアを、異なる環境で発揮したい」と考えている方がいたら、アイテックでは面白い経験ができると伝えたいですね。日本のAI領域のリードカンパニーであるPKSHAグループの一員であることはもちろん、駐車場業界にイノベーションをもたらしていく挑戦は、他では得られない魅力があると思います。
働き方についても、カジュアルな服装で仕事ができたり、リモートワークに対する柔軟性が高かったりと、スタートアップ寄りだと思います。ライフステージに応じて勤務時間の調整もでき、男女問わず育休が取得できるので、プライベートと両立しやすいです。
一方、スケジュールや数値的な目標に対してはシビアで、設定した目標を達成したかどうかもしっかり見られます。そのぶん、目標を達成したときはきちんと評価や賞与に反映されるので、やりがいも感じやすいです。
ーー最後に、候補者へのメッセージをお願いいたします。
アイテックは仕事を楽しめる人が揃っている会社だと思います。守るべき期限の中で目標を達成するために大変なこともありますが、それも含めて風通しよく楽しめる会社です。そんな社風を好ましく感じ、駐車場業界にイノベーションをもたらせるワクワク感を味わいたい方からの応募をお待ちしています。