1週間ほど入院した話④
手術当日(入院2日目)
手術は午前中
手術前準備
朝ごはん後から麻酔科の先生の説明やら執刀医の先生の説明、手術室の看護師さんの紹介、シャワー浴して、点滴して、ドドドーっと一気に時間が進んだ感覚。
1番衝撃だったのはその日の担当看護師さんからの「部屋変わるよ!」という一言。
術後は経過観察室に入るらしい。
何も知らなくて(事前に知らされるもの?)、皆さんの記事を読みながら『術後はこの部屋で数時間おきに看護師さんがやってくるのか。大部屋って大変だな』とか思ってた。違った。
昨日、お向かいさんにイライラされながら完璧に用意した生活空間はあっという間にカバンに詰められた。看護師さんニコニコしながら「荷物多いね!きれいに片付けられてるのにごめんね!これ後で移動するとかなら大変だった!今言って正解だった!」とか言う。
すでに点滴が入った腕は使い物にならなくて
大半は『心からのすみません』と
少しばかりの『部屋変わるなら早く言っといて』
と言う気持ちを抱きつつ経過観察室に移動。
経過観察室に移動
弾性ストッキングも装着して
そこから1時間弱の待機時間があった。
ここにきて更にドキドキ…、するかと思いきや
意外に冷静で『個室で音気にしなくて良いって最高!』とか『術後はあのトイレまで歩くのも大変なのか』とか無駄に点滴の入った腕の写真を撮影したりした。
いよいよ手術室へ
人生初の手術。
何もかもが初めて体験することばかり。
手術室に向かう前に旦那と一瞬だけ会える。
多く時間が取れる訳でもなく「行ってくるねー」「頑張ってねー」の二言三言で手術室に繋がるエレベーターへ。
エレベーターを降りると担当看護師さんが手術室の方に変わる。名前や生年月日、手術内容などの質問に答え、いざ手術室へ。
手術室までの通路はなんだか不思議な感覚だった。看護師さんに「緊張してる?」と言われたけれどそんなこともなく。ただただ『手術室ってこんな感じなのか』『テレビで見たことあるやつ』と、あまり実感がなかった。
手術開始
促されるまま手術台にのり、麻酔科の先生から再度説明を受ける。沢山の人がテキパキ動いていて、いろんな装置を付けられてあっという間に準備が整っていく。怖いとか不安とかではなくて、関心だった。
あと、子どもがここに来る場合はとっても勇気がいるんだろうな。怖いんだろうな。とぼんやり想像した。
酸素マスクを付けられ「まず酸素出まーす。深呼吸してー」の声。ゆっくり深呼吸を繰り返す。
「じゃあ次は麻酔入れるからねー。大丈夫だよー。安心してねー!」深呼吸を続ける。
2回目の深呼吸で部屋がぐるぐるし始めて、3回目の深呼吸でふわふわとした心地よい感じになり、そこで意識が途絶えた。次に目覚めた自覚があるのは病室にいる時だった。
手術終了(余談)
麻酔科の先生から「手術終わったら麻酔覚めてるかどうかの確認で手を握ってとか返事してとか言うからご協力お願いしますね!」と言われていた。「それ確認できてからじゃないと酸素の管抜けないから!」と。
皆さんの記事を読み
麻酔後はとっても気持ちが悪い、とか
病室に行くまでの振動が痛い、とか
色々あったのでちゃんとできるか不安だったけど、できたらしい。でも、本当に一切覚えてない。
旦那からは
「手術室から帰る時に一瞬会えて『大丈夫?』って聞いたら大きく頷いてくれてたよ!頑張ってね!」とか後でLINE来てたけど(コロナの関係で退院まで会えない)、びっくりするぐらい記憶にない。
ネット情報によると
後でぼんやり思い出す人もいるらしいけど、本当に、全く記憶がなくて。ぼんやり思い出してるっぽいこの記憶は、たぶん皆さんの記事から創造された記憶なんじゃないかと思ってるぐらい。それぐらい記憶がない。
けれど、しっかり酸素の管が抜かれているということは《ちゃんと反応した》結果で、人間ってすごいな、自分ちゃんとしてて良かった、って改めて思った。
手術後
次に目が覚めたのが、病室。
想像していたほどの痛みはなくて、まだふわふわしている。しっかり意識を保ちたくても、すぐ落ちちゃうみたいな。
でも、とにかく寒い。ふわふわとして意識が落ちるけれど、体の震えで目が覚める。
看護師さんに「寒いです」と何とか伝え、電気毛布を持ってきてもらった。すぐに暖まるはずもなく、しばらく、震えで目覚め、眠たくないけれど起きていられなくて落ちて、また目覚め、の繰り返しだった。
暖かくなり意識が安定してきてから看護師さんに時間を聞く。18時前。
足のマッサージ機も、尿管も、あと18時間後には取れているであろうことと、同時に歩き始めないといけないのか、とぼんやり思う。
そこから看護師さんが来るたびに「何時ですか?」と聞いてみる。これがもう本当に時間が進まない。たぶん1時間ちょっとぐらいに1回来てくれていたんじゃないか。
2時間に1回の想定だったので、時間を聞いてまだまだ朝が遠いと知り残念な気持ちになる。
22時頃にはだいぶ意識がはっきりしてきたので、看護師さんに時計がわりにスマホを手元に置いておきたいとお願いする。
そのついでに、とりあえず両親と旦那に「元気です」とLINE。
その後は看護師さんが来るたびに起きたり、足のマッサージ機の音で起きたり、でもボーッとしてるうちにまた寝てたり、を繰り返してやっと次の朝を迎えた。