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片手トリルに関するいくつかの考察

※※※この記事は全文無料で読めます※※※


 いつもお世話になっております。うっでぃです。


 今回はちょっとした依頼を受けたので、片手トリルについて僕の知る限りのことをお話ししようかなと思っている所存です。
 ちなみに毎度のことながらめちゃくちゃ保険をかけますが、殊この分野に関してはほぼ全部感覚的な話になるので、厳密な話を読みたい方はブラウザバックをおすすめします

 「出来ている時どんなことを実現しているか」を思い出しながら書くような形になるので(これはどの記事でも大体とっている手法です)、「これを意識すれば出来るようになる!」という語り口ではなく、「こういう意識が無意識レベルまで定着すると出来ている状態に近付くだろう」というような意味合いであることを念頭に置いておいていただきたいです。


 それでは、本題に入っていきましょう。



片手トリルの何が難しい?

 そもそもの話として、片手トリルの何でつまずいているのか?というところから考えていきましょう。原因が分からないと対処法も見えないので。


 思うに、「片手トリルが出来ない」という人の言う「出来ない」は2通りしかありません。

 「間に合わない」か、「キープできない」です。

 ただし、「本来間に合うはずのスピードなのに遅まってニアを量産してしまう」は後者の「キープ出来ない」に該当します。つい最近僕もタイフーンクラッシュでやらかしました。


 さて、この二つのうち、これから文章だけで解決出来そうなのはどちらでしょう?

 シンキングタイムもいりませんね。「キープできない」の方です。「間に合わない」の方はフィジカルを頑張って鍛えてね!以外に言うことがない。


 というわけなので、これから「片手トリルをキープできない理由」について考えていきましょう。



片手トリルキープのどこが難しい?

 端的に言って、片手トリルを一定のリズムでキープ出来ない理由はほぼ全て、「手指の力の入り方に問題があるから」で説明がつきます。
 正直なところ、これは片手トリルについて出来ない、苦手だという自覚がある人ですら理解していることなのではないでしょうか。
 トリルの最中に手が強張ったり、空回ったり、走ったり……全てもっと筋力があって制動力が足りていればこうはならなかったのに。そう考えている人がほとんどでしょう。

 ところが、僕の経験上はこれだけで終わる話ではありません。


 さらに解像度を上げて、「では、手指の力の入れ方を間違える理由は?」と問うてみた時、そこに答えはあるように思います。



筋力?

 一番単純なところで、指を動かす筋肉がなさすぎて鍵盤が反応しなかったりするとか、反応しないことを避けるために力みすぎて上手く指が回らなかったりするとかいったことがあります。
 これに関してはもはや答えは一つです。鍛えましょう

 指を動かす筋肉とは、実のところ前腕の筋肉であるらしく、「チェリーピッカー 筋トレ」で調べてみるとそういうトレーニング種目が出てきますので、実践してみましょう。


 とはいえ、ここに書かれているレベルで筋力が足らない人はそもそも他の鍵盤が押せているかも怪しいので、多くの人にとってはこれが直接の原因とは限らないこともご承知ください。



手のフォーム?

 片手トリルが下手だと自覚する多くの人は、おそらく自分自身の指の動きを制限してしまうような余計な力みを入れてしまっているのではないでしょうか。
 他の人の手の動きにそこまで気を配って見ているわけではないので、あくまでも推測以上のことは言えませんが、できない人の大体は「指が伸びている」か「指が反りすぎている」か「手首が回転するような動きをしている」かのどれかに当てはまるのではないかと思います。

 上記3通りの全てに共通して、「鍵盤を押す時の理想的な手の形」を作れていないことが問題であると考えています。

 鍵盤を押す時の理想的な手の形とは、手首を少し高めにし、リラックスした時の自然な握り具合で、指の"先"が鍵盤に当たるような状態です。言葉では無理があるので図解します。

ボタンを押す時の、おてての形

 毎度毎度、これでよく図解とか言えるなというレベルの画力ですみません。

 より余計な力が抜けている下側の手の形の方が圧倒的に鍵盤は押しやすいし、同様にトリルも押しやすくなります。実際に手の形を作ってみれば火を見るより明らかでしょう。
 自然に手を開き、手のひらを下に向け、第二関節から先だけを曲げ、手首を少し上げると基本姿勢の完成です。そのままなるべく手首を動かさずに指を根本から上下に動かせば、理想的なトリルが出来るという寸法です。この時、指周りを力んでしまうと動きが鈍くなるので、指に言うことを聞かせたい時は前腕に力を入れる感覚でやると楽になります
 この姿勢を常々心がけているだけで、結構劇的に指の動きが変わるのではないかなと思っていますが、むしろ窮屈になったと感じたり不慣れな動きに困惑したりする方もいるかもしれません。そういった場合は手首の位置が高すぎる可能性があるので、水平よりは少し高め、程度を目安にして調節してみてください。


 先ほど挙げた3通りとも、力の入り方が適切ではないという点に疑う余地はありません。しかし、指を伸ばしているほうが/反りすぎている(=手首の位置が低い)ほうが遅いトリルについては動きを制御しやすい、という方法論もあれば、手首を動かすほうが早いトリルに対して間に合わせやすい、という方法論もあります。
 あくまでこの「理想的な手の形」をニュートラルとして、トリルの速度次第では指を突っ張らせる・手首を低くする・手首を動かすなどの方法を試してみるのも良いかもしれません。



認識?

 実はこれの問題が非常に大きいのではないかと考えているのが、この「認識」についてです。


 何が言いたいかというと。
 まずは下記の画像をご覧ください。

STULTI[MXM]

 たとえば上のように「ほぼトリルしかない譜面」が来た時、画面を見る目線がどこに行っているか自覚したことがあるでしょうか?
 多くの「片手トリルが苦手」と自覚している人が、ややもすれば判定ラインぐらい下の方に目線がいってしまっているのではないかと思うのです。

 もちろん、それでも問題なく捌くことが出来るならこの話は終わりになりますが、ほとんどの場合「精度を取ろうとして押し遅れる」「認識できないままとにかく頑張って押して早まる」かのどちらかになってしまっているのではないでしょうか。

 上記のどちらのケースとも、本来の理想的な認識から逸脱して(概ね目線が下がって)しまい、同時並行で処理されるべきデバイスの操作を認識と噛み合わないかたちで意識的に行なってしまい、その結果として「押せない」となっているのではないか?と考えているわけです。

 より端的に言うなら、「他の普通の譜面と同じように認識できれば結構マシになるよ」ということです。


 これは長めの縦連とか壁とか、片手に偏った配置とか、手が間に合う限界ギリギリのBPMの譜面とか、それこそ片手トリルなどにも総じて言えることなんですが、「頑張らないと押せない」と自覚させられるような譜面では、自分でも気付かないまま目線が下がり、認識が崩れがちです。
 どれだけ長いこと音ゲーをやっていても、忘れた頃にこの現象は起こり、「原因の分からない不調」として顕れたりします。

 その対策は「目線が下がっていることを自覚する」ことと「目線が下がらないように意識する」ことしかありません。ないはず。多分。
 まずはとにかく自分の目線がどこにあるのかを理解し、一定の位置を見られているか把握しましょう。そして、「いつやっても出来ない」と感じる譜面で意識的にその目線を固定し、普段と比べてみましょう。手の動きも、認識に追いつこうとすることで自然に早くなることが往々にしてあります。


 とはいったものの、どのような意識を持てばトリルを認識できるのか?というところが疑問として上がってくるのではないかと思います。
 これについては各個人が自分なりの感覚と成功体験を見出すほかないと考えますが、ヒントぐらいにはなるかと思いますので、僕のトリルの認識の仕方をお伝えしておきます。

 まず、普段の認識の時の目線の高さで単押しを光らせられるタイミングを把握しておきます。レーンプレビューで判定ライン付近を見ずにSクリティカルが出せれば大丈夫でしょう。
 その上で、トリルの頭拍となる方を同様の認識方法で入りからしっかりと目視します。4つ区切りにして4分だけを認識するという方法もありますが、個人的には8分を見る方法をおすすめします。その理由はこの後に書きます。
 頭拍を認識しながらトリルを叩いていくわけですが、ボタンを叩いている指の感覚と見えている譜面をリンクさせます。頭拍を叩いている指がちゃんと8分を刻んでいる感覚を掴めれば、判定が迷子になることも避けられます。先ほどの説明にあった「4分より8分の方が良い」とした理由もここにあり、4分では押している感覚を得るのに歯抜けが出来てしまい、むしろ力が入って流暢な動きを妨げられる恐れがあります。


 以上が僕のやり方になります。正直なところ「16分以外では意識が難しい」とか「左手で同じことをするのが難儀」とかいった弱点はありますが、僕にとっては結構勝率の良い方法になるので、是非とも参考にしてみてください。


 僕の考える片手トリルができない理由は上記の通り、「筋力」「手のフォーム」「認識」の3つです。
 やはり概ね認識に問題があるパターンだと思いますので、これで少しでも改善させられたら嬉しい限りです。

おわりに

 きっかけは友人のリクエストとはいえ、結構書きたいことというか知らしめたいことは書けたのではないかと思いますし、書いた側としては満足のいく形になりました。
 あとは読んだ方が成果を出せたなら、それが一番良い答え合わせになるのかなと思います。フィードバックを心待ちにしております。

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