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キネマの神様
ー観るたびに思う映画は旅なのだと
幕開けとともに一瞬にして
観るものを別世界へ連れ出してしまう
名画とはそういうものではないか
エンドロールは旅の終着駅訪れた先々を、
出会った人を懐かしむ追想の場所だ
だから長くたっていい
それだけじっくり思い出に浸れるのだからー
この言葉から小説が始まる
映画を楽しむ定義は人それぞれあると思うが
自分自身の映画の楽しみ方はまさにこの通り
どう伝えて良いか分からなかった気持ちを
言葉にしてみたときすっきりした気持ちになった
この小説には映画好きの登場人物が3人登場する
ギャンブル依存症で借金を抱える主人公の父
円山郷直通称ゴウちゃん
もう1人はゴウちゃんがネット投稿する映画評論に
鋭い角度から批判をする謎の人物 "ローズバッド"
顔も知らない2人の愛あるやりとりがなんとも心地よく
いつまでも続いて欲しいと願いたくなる
そしてもう1人の映画好きは作者の原田マハだ
まるで一人一人に魂が宿ってるかような
キャラクター作りと主人公の様々な感情の変化を
繊細かつ平易に書かれている
そして全体を通して表面ではなく
内側の1番深いところから感じる映画愛
ネットと家族
1番遠い距離と近い距離で生まれる友情と愛情に
小生、初めて小説で涙しました
映画を見終わった後のさりげなくそして
柔らかく点る灯りのようにいつまでも心に残る作品
そして、映画『キネマの神様』で
ゴウちゃん役を演じるはずだった志村けんさん
まさにハマり役でスクリーンで見てみたかったなと...
公式ホームページにはとっても粋な計いが
気になる方は見てみて下さいキネマの神様
では、この辺で
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