![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61112785/rectangle_large_type_2_6f7cc271f63780cfe95320d5c691f407.jpg?width=1200)
Rの軌跡 第四話「ファーストライブへの道」
メンバー:3個上の先輩って、うちの学校がめちゃ悪かったときのか、、
2時間目の休み時間。メンバーを廊下に集め、O先生と話した内容を共有する。誰もがぼんやりと校庭を見つめたまま動かない。
3つ上の先輩様方は界隈でも有名な不良集団で、正門以外にもう一つの門があるのもこの人たちのおかげだ(忙しい朝には非常に助かる)よくわからない鉄の塊(じっくり見ると自転車だと分かる)が学校周辺に放置されているのも納得だ。
ライブはやりたい。でもできない。どうしたらいい?署名でも集めるか。皆協力してくれるだろうか。楽しそうならなんでもいいじゃんって中学生特有の無責任なノリで何とかなりそうな気もするが。。
学校が終わり家に帰る。風呂上がりにテレビを見ていると時代劇がついていて、お決まりのせりふ回しが始まった。
越後屋:お代官様、つまらないものですが
代官:越後屋、おぬしもわるよのぉ~
代官と越後屋:うっしゃっしゃっしゃー
それを見た僕は「これだ!」と思いついた。もちろん金銭ではない。先生達が困っていることや面倒なことを引き受けて貢献すれば、少しは考えてくれるかもしれない。そのためには、、
生徒会長になればいい。
その日から僕の政治活動が始まった。
そもそもうちの学校では生徒会長なんて誰もやりたがらない。ライバルもいないし立候補すればおそらく信任されることは間違いない。ただ一つ気になることがある。
この不良少年の多い学校でも優等生グループというものは存在する。既存の生徒会役員共はそういったメンバーで構成されており、ここに入り込むのは一筋縄ではいかないだろう。
まずは情報収集。これ戦の基本。彼を知り己を知れば百戦殆からず。ええこと言う。やるやん孫氏。
現生徒会長(男)と副会長(女)。彼らは当校でベスト5の頭脳を持つ二人。彼ら生徒会役員共に近づく方法を考えなければいけない。何ができる、、んー。
昼休みがもうすぐ終わるという頃、僕は何か近づく手立てはないかと、彼らを監していた。向こうから教室へ戻ってくる二人を発見!美男美女で成績優秀、周りの空気がきらきらしてやがるぜ。神様のばかやろうー。
そんな彼らから遅れて、見覚えのある男がその二人に近づいていく。あれ?
やがて追いついた彼は二人に声をかけ楽しそうに会話に参加した。
おい、あれうちのボーカルやんけ。
僕:ちょちょちょちょ、お前なんで生徒会役員共と友達なん?
駆け寄る僕。
ボーカル:え?同じクラスなのと同じ塾やから、、
僕:そうなん!もしかしてお前めっちゃ頭良かったりするわけ?
ボーカル:まあ、お前よりは。。
僕:はっきり言ってくれるじゃない。とほほ。あ、紹介して。
ボーカル:は?何を。
僕:いや、だから生徒会役員共に俺の事紹介してって。
ボーカル:ああ。ええよ。彼一緒にバンドやってるF君
僕:よろしく!(閉じたピースサインで敬礼みたいにするダサいポーズ)
生徒会役員共:、、あぁよろしく、噂は聞いてるよ。ギターうまいんだって?
僕:いやー、それほどでもあるけど。まあこの学校では一番って言われてたり言われてなかったりするかなー
(キーンコーンカーンコーン)
生徒会役員共:チャイムなっちゃったね。じゃまた。
僕:あ、あー、はい。
そんな初対面だった生徒会役員共はとってもいい人達だった(神様与えすぎだって)すぐに打ち解け僕の話を理解し、なんなら協力もしてくれた。
そして、いよいよ生徒会役員投票当日である。