レポート課題:わらしべ長者
今、大学はfinal exam とfinal report の提出時期で、多くの学生が普段以上に勉強をしているころである。
自分は今回、レポート課題しか出していないので、煩わしい試験監督の業務がなくうれしい限りである。
さて、タイトルにあるように、組織行動論という講義で「わらしべ長者」という課題を学生に取り組んでもらった。内容は以下の通りである。
最終レポート「わらしべ長者 (The straw millionaire)」
1. 100円ショップ (DAISO など)で好きな商品を一つ購入しなさい。
2. 購入した商品を使って他の人(友人、親戚など)と交渉を行い、より価値の高いものと交換をしなさい。
3. 交換してもらったものを使って他の人(友人、親戚など)と交渉を行い、さらに価値の高いものと交換をしなさい。
4. 最後に、もう一度交換してもらったものを使って他の人(友人、親戚など)と交渉を行い、さらに価値の高いものと交換しなさい。
ルール:
1. 同じ人と複数回交渉を行ってはいけません。毎回違う人と交渉を行ってください。
2. 交渉をするにあたって、戦略を練り、目標を設定してそれを達成するようにしなさい。
3. 交渉する相手に対して、その交渉が「講義の課題である」ということを伝えてはいけません。
この課題の意図は、組織行動論のトピックである交渉について実践することである。
交渉をスムーズに行うためには、最終的な交渉の目標を立てなくてはならない。とりわけ、今回は合計3回の交渉を行う必要があるわけで、各交渉を通じて最終的な目標(最終的に自分が交換して手に入れたいもの)にどうやって到達できるかを考える必要がある。
各交渉において目標を立てつつ、最終的な目標にどうやって到達できるのかを考えなければならないのである。
それゆえ、交渉においては計画が非常に重要である。どのような相手と交渉を行うのか、どのような商品を最初に選ぶか、どのような状況で交渉を行うか、などの戦略を練らなければならないのである。
さらに、必ずしも交渉がうまくいくわけではない。その場合、BANTA (Best Alternative to a Negotiated Agreement) を事前に設定し、交渉に臨むことである。BANTAがあると合意案に対する目安にもなり、交渉に余裕も出てくる。これらを実践するのが今回のレポートの目標であった。
学生はずいぶんとレポート課題を楽しんでいたようだった。他のレポートよりも内容が面白く、そんなことまで書かなくてよいよ、ということまで書いていた。
つわものは100円ショップのアイテムを数万円以上の価値のあるもの(新幹線のチケット、洋服など)に交換していた。
恐るべし、学生。
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