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動物はモノじゃない(ペットの車内放置~夏を前にして~3)

 前回、ペットの車内放置の問題を、事例を用いつつペットの救出に法的根拠があるかを私なりに考え、法的根拠はない、と結論付けました。
https://note.com/i_love_wanko/n/nb4c8adc0dd4e

ペットの車内放置シリーズの3回目はこちらをご紹介します。↓

【警察官職務執行法が動物救出の法的根拠】
 動物の緊急保護の法的根拠を4月の環境委員会で質問をしたことを、串田誠一参議院議員がツイッターで紹介しました。
 これに対する政府参考人の回答は、「警察官職務執行法第4条第1項・第6条第1項に基づき、必要な措置をとる可能性がある」というものでした。


警察官職務執行法第4条第1項
警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる

警察官職務執行法第6条第1項
警察官は、前二条に規定する危険な事態が発生し、人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合において、その危害を予防し、損害の拡大を防ぎ、又は被害者を救助するため、已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる


 車やペットの所有者がすぐに見つからない場合、いわゆる所有権の壁(動物を虐待者から救出したくとも、所有者が所有権を盾に拒めばそれ以上のことはできないことから、巷ではこのように言われている)に阻まれ動物救出に時間を要していたことからすると、公的な場で法的根拠が示されたことは画期的であり、動物の法的救出にとってある種の朗報といえるでしょう。


 同時に、「合理的に必要と判断される限度において・・・立ち入ることができる」として、最終的な判断は現場の警察官にゆだねられているものでもあります。
 ペットの車内放置に心を痛める人にとり、警察官職務執行法が救出の根拠と成り得る点は喜ばしいことですが、警官が必ず動物を迅速に救出できる法的根拠としてもっと確かなものも今後求められるでしょう。

ペットの車内放置シリーズは、3回まででいったんおしまい、とします。機会があれば、また記事にしたいと思います。

画像出典:パブリックドメインQ
https://publicdomainq.net/dog-cat-bulletin-board-0070543/


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