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オーストラリアで叶える理想の子育てとは? 職業:母 4ー父親を尊敬させる

『父親を尊敬させる』
子育てをするにあたり子供に父親を尊敬させることは
私にとって重要な要素の一つでした。

これまで述べてきた私の理想とこだわり
1土地 
2戦争のない環境
3時間こそ最大の愛情

そして

4 父親を尊敬させる。
察しの良い方ならもうお分かりいただけるかと思うのですが
そうです。
夫は私が何もしなければ、子供が勝手に尊敬しうる父では無い
のです。
しかしながら、夫婦喧嘩が無いだけに留まらず
お父さんが凄い人だと思って育つ事のメリットは
子供にとって大きいと私は思っているのです。

自分と言う人間を創り上げた半分なのですから

夫は、基本的に子供に興味が無い
正確に言うと、そもそも誰かを喜ばせる事に感心が無い人なのです。
ですからお願いしなければ子供と遊ぶことも無い
誕生日を祝うことも無い、
彼が出席した子供の学校行事は小学校と高校の卒業式の2回のみ。
それも私が言わなければ来なかったでしょう。

休日は遅くまで寝ており、食事以外は部屋にこもって
ゲームをしているか、アニメを見ているか、寝ているか
もちろん家の事など何もしません。
旅行に行くとなってもついてくるだけで何もしない
お酒を飲みだせば酔いつぶれるまで飲んで寝てしまう
その上、英語が全く話せず私がいなければ何もできない
唯一、仕事だけは日本語環境なのでできますが
ただし、シフトワークなので帰宅は子供の就寝後
家の中にはお父さんの影がない状態だった訳です。

しかしオーストラリアはファミリーファーストの社会なので
いつも一人で学校に来る私を見ていた周りの人は
シングルマザーだと思っていたようです。

そのような環境であったにも関わらず
娘は父を尊敬して育ちました。思春期にありがちな
「お父さんあっちいって!」「うざい!」などとは無縁で
お父さんが大好きで育ちました。

何故なら、私が常々「お父さんは素晴らしい人」
「あなたもお父さんの様な人になりなさい」と
言い続けてきたからです。
幼い頃からそう聞かされて育った娘は無条件に
お父さんは凄い人!と思い育ちました。
何もしない夫でしたが、
あたかもお父さんが何かしてくれているように演出し続けました。

そして娘と一緒に買い物へ出かけても
「これはお父さんが好きだから買って帰ろう」
「今度の休みはお父さんが好きなパスタにしようか」
など、居ないけれども居ない事を感じさせずに育てました。

仕事で頑張っているお父さんは好きなだけ寝ていていい
絶対に起こしてはいけない。と教えてきたので
休みの日に父親が部屋から出てこなくても疑問に思うことなく
育ちました。

また、夫が何かしてくれた時には子供の前で労う事も
欠かしませんでした。
夫が得意な事を子供の前で披露してもらう機会を作り
ここぞとばかりに子供の前で夫を褒めちぎる事も大事にしてきました。

大学生となった娘
さすがに、自分のお父さんがどんな夫であるかと言う事を認識し
「お母さん、いつ離婚してもいいよ」と
数か月前、突然言われました。
もちろん、夫婦喧嘩をしている訳でも何でもなく
これまでと同じように笑顔の絶えない家庭なのですが
娘から見て、妻としての母親を不憫に思う所があるのでしょう。
何せ、夫は私の誕生日を一度たりとも覚えていた事がありませんから

その反面
「子供が父親をどう思うかは母親次第」という確信も
娘の中にはあるようです。それを肯定的に受け取ってくれています。
自分のお父さんがどんな男性であるかを
客観視できるようになった今でも
幼少期から育まれた”父親は凄い人”
という思いも消えていないように見えます。

何故なら、私が嘘を教えてきた訳ではないからです。
人間だれしも長所と短所があります。勿論私もそうです
夫の短所を娘から見えないようにし
夫が持っている長所を強調して凄いと話して聞かせてきただけで
ありもしない話をして来た訳ではないからです。

こうやって自発的には何もしない、何もしてくれない夫を
父親として尊敬させられるようにできたのも

”職業:母” であったからに他なりません。
言うなれば『 プロフェッショナルリズム 』なのです。

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