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オーストラリアで叶える理想の子育てとは? 職業”母”3ー時間こそ最大の愛情 

理想の子育てこだわり その3 『 時間こそが最大の愛情 』

『時は金なり』 とは言いますが、読んで字のごとく
まさに人間は時間をお金に変えて生活をしています。

東京で自分のお店を開業させるまでの私の平均月収はおよそ
50万円。20代の女性にしては良い方だったと思います。
人はどれだけ自分の時間を高く売れるか、
高く買ってもらう為に知識や技術を身に着け仕事を得て
生きていくのだと思います。

成人するまで子供が親の何を一番欲しているか?
私は”時間”だと思うのです。
働けばお金になる時間を、どれだけ子供に割くことができるか?
子供はかなり早い時期から親の時間がどれ程価値あるものかと言う事に
気づくのではないかと思います。

「OOちゃんのお母さまは、いつもゆったり待っていらっしゃいますね。」
とは、娘が新宿で通わせていただいていた保育園の玄関で
お迎えを担当していらした職員の方に言われた言葉です。

保育園の玄関で児童は靴を脱ぎ、それを下駄箱に入れ
下駄箱から上履きを取り それに履き替え、教室へ行く
と言うのが一連の流れ。
保育園の玄関は送迎の保護者でせわしなく
どの保護者の方も忙しいながらも我が子が
教室に向かう所までは見送るわけですが
「早くしなさい!ほら靴脱いで!何してるの!行きなさい!」と
どのお母さんも仕事が控えているので必死です。

私の娘は観察をするのがとても好きな娘でした
玄関に入ってから靴を脱ぐまでが長く、
脱いでから目の前の下駄箱までがこれまた遠く、
後から登園してくる児童に面白いほどどんどん追い抜かれていくのです。
娘は何をしているというわけでは無く、何かを感じて見ている
といった風で、私には分かりませんが、その様をただ眺めていました。
きっと、何かこれが彼女の個性でありいつか長所となるだろうと
何をするにも時間のかかる子でしたが、周りと比べる事はせず
彼女のペースを把握してたっぷり時間を用意してあげる事に注視しました。
保育園の日は娘に必要な時間を与えてあげる為にいつも早く支度をして
登園をしていました。

他に手段があるというのに「バスに乗りたい」と言い出した時には
一緒に1時間もバス停で待っていた事もありました。
それから暫くは彼女のバスへの好奇心を満たすために
バスで終点まで行ってみるという二人遠足をしてみたものです。

泣いてぐずったりした時に、周りの保護者の方は
お菓子をあげたり、おもちゃを与えたりしていましたが
子供は主人に従うように学習させる犬猫ではありません
私は娘の気が済むまで何時間でも抱きしめ続けました。

イヤイヤ期にはベビーカーに乗ってくれなくなり
ある夏の暑い雨の日、仕事帰りでクタクタで両手に買い物袋に傘
でも泣き始めてベビーカーでのけぞり始めた時も
「二人で雨に濡れて帰るか。」と早々にベビーカーを諦め
通常であれば雨とは言え20分で済む帰り道を1時間かけて帰りました。

それからひと夏、抱っこをして散歩をする事を日課にしたのです。
内心、この暑さで娘からベビーカーに乗りたいと言ってくれるかも?
と言う下心はあったのですが、
お互い汗でびちょびちょなのに娘はとても満足げでした。

全く手をつないで歩いてくれなくなる時も来ますよね。
心当たりのある保護者の方は多いかと思います
その時期は、娘が私から離れて自由に歩き回っていい場所へ連れて行き
気が済むまで一人で探索させ続け
それを陰からこっそり見守り続けました。

何故これが最大の愛情だと思うのか?
これは私の経験でしかないかも知れませんが
子供が必要と感じた時に十分に親が時間を使ってくれる事は
子供の安心感/情緒を育むことが出来ると思うのです。
必要な時に助けてもらえる、何かあったらお母さんが必ずいる
1人じゃない。
自分はとても大切な存在なのだと自己肯定感を高められるのです。

泣いたら、ぐずったら物がもらえる、ゲームが出来る
甘いお菓子が食べられる。これらの事から子供が学ぶことは何でしょうか?
泣いたら、ぐずったら、わがままを言ったらー抱きしめてもらえる。
この違いは大きいのではないかと思います。

『 9歳まではフェアリーランド 』

私はそう思って子育てをしていました。
夢の世界に居られる時間は長い人生の中でも最初の数年です
その時期にしっかり子供をさせてあげる事が重要だと思っています
言う事を聞かないからと手をあげたり叱った所で恐怖でしかありません
その時にゆとりを持って親が十分に時間を使ってあげられる事が
子供のその後の人生を大きく左右すると思うのです。

極端な例かも知れませんが、
富裕層の中には子供に好きなだけ物を与え、お金を与えたにも関わらず
子育てに失敗した事例は数多く報道されています。
子供の自己肯定感を高める為に一番必要なのは親の時間だと思うのです。
勿論、医食同源と言うように正しい食生活で健康な身体を与える為にも
時間がなくては出来ません。

その為には親にゆとりが無くては出来ません。
薪で焚いていたお風呂がスイッチ一つで用意できるようになり
お釜で焚いていたご飯もタイマー予約で好きな時に食べられるようになり
洗濯板から全自動洗濯機になり、電子レンジに冷蔵庫と
子育てをする親の生活は便利に、そして時間の余裕が出来た筈なのに
子育てに費やす時間はどんどん減っているのではないでしょうか?

私は娘と顔を合わせる際には
まず笑顔を作り必ず笑顔で対応します。
そして、話しかけられた際には
何をしていても手を止めて真っすぐに娘と対話する
これを今現在に至るまで続けています。

日本は世界の中でも女性の社会進出が多い国の一つであり
一方では、賃金格差の大きい社会だそうです。
安い賃金で働き、時間に追われて子育てをする日本のお母さん
本当にご苦労様です。
私も、あのまま東京にいたならば私の時間は
娘に費やすのではなく、お金に変えていたのでは無いかと思います。

しかし、職業:母 を選択した私にはゆとりがあったので
彼女を眺めていた全ての時間が愛おしく脳裏に焼き付いており
私の財産となって残っています。

次回 理想の子育てこだわり その4 『 父親を尊敬させる 』