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縁を切った友人
この話は、子供を捨てた母親をどう思うか?と言う話しです。
私は彼女との縁を切る選択をしたのです。
許すとか許せないとかでは決してありません。
私が「子供を捨てた母親と笑顔で顔を合わす事ができない」
と言う事であり
縁を切ったと言っても、連絡を絶ったと言った方が正確かも知れないし。
そもそも友人であったのかも疑問です。
彼女とはアルバイト先で出会い、その中でも彼女と私を含め
意気投合した4人でよく遊ぶようになったのがきっかけでした。
年齢もバラバラの4人で一番年上だったのが私でした。
彼女はまだ短大生でしたがとても可愛く明るい女の子でした。
暫くして、4人それぞれ違う仕事に就き毎日会うような事は無くなったのだけれど、折を見ては集まって朝まで話し込んだりもし
友達という友達がいなかった私には珍しく貴重な友人たちでした
それから間もなくして彼女が子供を産み結婚をしたのです
まだ20才でした。いわゆる授かり婚です。
私はフルタイムの社会人で彼女は短大生と言う事もあり
あまり顔を合わす事は以前ほど無くなっていたので
私が久しぶりにあった時には既に子供は生まれていました。
学生だった時にバイトをしていたキャバクラのマネージャーとの間に
子供が出来、結婚をしたと言う事でした。
私にはそれに対する偏見など全く無かった為
良くも悪くも彼との出会いや大学についてや
本当は何かしたい事があったのかなど、
彼女に詳しく話を聞く事すらしませんでした。
何度か彼女の家に遊びに行った時も
「随分と痩せたな」と思ったぐらいで
乳飲み子がいるのにタバコを吸っている事も
乳飲み子にデリバリーピザを食べさせている事も
私自身、独身を謳歌している最中だったため
ただ、いつもの4人が揃った事に楽しい事に夢中で
何か彼女に対し言う事も言おうとした事もありませんでした。
それから数年後、、、
彼女が忽然と姿を消して見つからない。と
私たち3人の元に彼女の夫から連絡が来るようになりました。
荷物も持たず、サンダル履きで出て行ったきり行方がわからないと。
子供を保育園に迎えに来なかった事で発覚したようでした。
それまで彼女の夫とは顔を合わせた事がある。
と言う程度だったにもかかわらず
あの当時は毎日のように連絡が入り
まさに「血眼になって探している」といった風でした。
私も彼女とは連絡がつかず
他の2人も連絡がつかないと言う事でした。
しかし後になって考えてみた所、
もしかしたら他の2人は知ってたのかも知れません。
私は昔から住む場所も仕事も転々としており
日本にいるのかいないのかも分からない所在不明な存在だったので
一番連絡が取れない状況にいたのです。
事の結末は
「彼との生活が嫌になり子供も捨てて家出をし、実家に逃げた」でした。
しかも子育てのストレスからか経済的理由からだったのか
飲み屋でアルバイトを始めていて、そこで出会った男性と恋に落ちたのも
家出の大きな理由だったと言う事でした。
それから数年後、私も結婚し子供を持ち共働きで忙しくしていた頃
彼女があの家出のきっかけになった飲み屋で知り合った男性と
結婚式を挙げると言う事で招待状が届き、
久しぶりにあの4人が揃う事になったのです。
高砂でほほ笑む彼女はあの20才の授かり婚の時とは別人のように
まぶしく輝いていました。
私はというと、何か心に引っかかる事はありながらもお祝いをしたのでした。
それから更に数年後、彼女が妊娠したと、
今となっては記憶も定かでないので出産したという連絡だったかもしれません。
また4人で集まろう。お祝いをしてあげようという連絡だったのですが
その時には私もすっかり母親となっており
子育てに自分の人生の100%を注いでいたこともあり
あの当時の彼女の最初の子供の事が思い出され
どうしても祝福できない、どうしても出来ない。と
その招待を断りました。
彼女の今の幸せを心から祝福する為には
あの時、本当は何があったのか?を知る必要があったのですが
それは私の個人的な感情であって
今更蒸し返すような事は出来る筈も無かったのです
そして理由を告げる事も出来ず、
ただ 忙しいから。。。とそれと引き換えに
彼女以外の他の2人とも連絡を絶つことを決めたのです。
私の子供はもう成人し私も母親として成人したけれど
今でもやはり子供を捨てる母親には嫌悪感を持ってしまいます。
私自身の家庭環境が酷く、誰からも愛されず育った事も
無関係ではないかもしれません。
親に愛されず安心して帰る事の出来る場所が無く育った人間の
悲惨な人生を嫌と言う程知っているがゆえの事かも知れません。
取り返しのつかない大きな傷を負うのです
現在、お亡くなりになり話題となっている方も
多くの方が優しい言葉をかけている様子に一人驚いており
こんな記事をしたためたくなったのです。
いくら親権を渡す事が離婚の条件だったとしても
自分が離婚をしたいと思うような男性に我が子を任せる事を
選択する事も理解できないのです。
(ここでは彼女の夫の人格は関係ありません。)
離婚をする事を決断したとしても
子供にとって、子供の人生にとって大事な事は
母親がどれほど必死に自分といる為に心力を注いでくれたかだと思うのです
好きな人が出来た。という事も理由だったとか
子供よりも自分自身の一時の感情を優先する事も愚かとしか思えません。
その時のその人と添い遂げたのならまだしも
非常に短い恋だったとか。。。。
人間には男性、女性に関わらず親に不向きな人がいます。
子供を持ってみなければ分からない事かも知れないけれど
不幸な子供が増えればその不幸は次の世代へと受け継がれもします。
世界がもっと温かく穏やかであるためには
幸せな子供を一人でも多く大人が育てる。
子供が幸せに安心して育つことのできる社会を大人が作る
そのことに尽きると私は信じています。