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世界のホースマンよ見よ!これが日本競馬ドラマの結晶だ!! 〜感想編〜
前回はコチラ👇👇👇
人気馬たちはほとんど内枠に収まった。
スターズオンアース大外枠に関しては、元々出遅れがちな彼女にとっては好都合だと思うのでそこまで心配することはない。
馬自体の力もそうだが鞍上が非常に頼もしい。
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スタートした。
パンサラッサがすぐにハナを奪って後続を突き放していった。
離れてタイトルホルダーが後ろ集団を引き連れるように逃げる。
その後ろにイクイノックス、そしてリバティアイランドがイクイノックスの後ろをピッタリマーク。
並ぶようにしてスターズオンアース。
パンサラッサはまぁ大逃げかまして有力馬は先行するだろう。
自分の予想通りの隊列となった。
1000m通過は57.6。
うん……いくらなんでも速すぎないか!??
ここ2400mですよね???
やっぱりパンサは逃げるよねーという雰囲気だった場内がどよめいた。
玉砕覚悟だろうが快速すぎる。
流石ロードカナロア産駒。
4角曲がって直線コースに入った。
あ、この光景既視感ある(笑)
直線入った後はアニメのコマ撮りのように、瞬きする度にイクイノックスがタイトルホルダーをあっさり交わして前へ進出していった。
パンサラッサもいつの間にか交わして先頭に立っていた。
逆によくここまで逃げたと思う。
直後にリバティアイランドが追いすがるが
「あ、ダメだ。。此奴には敵わない……」
と察して無理に追うのを辞めてとにかく2着をキープしようと踏ん張っていた。
スターズオンアースは+12kgが懸念されていたがいつもの末脚を魅せてくれた。
5馬身程離してイクイノックスが先頭でゴールイン。
鞍上ルメールはほぼノーステッキ、彼は大変涼しい顔で駆け抜けていった。
やっぱりシンボリルドルフもディープインパクトもオルフェーヴルもアーモンドアイすら敵わないと思ってしまった。
そのような中2着に入線したリバティアイランドという3歳牝馬は世界最強かつ歴代最強を除けば他の古馬たちを一蹴したことになる。
優勝したイクイノックスに注目しがちだが2着のリバティアイランド、将来がひたすら楽しみだ。
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以降は個人的にドラマ性を感じた馬たちをそれぞれ紹介する。
01.タイトルホルダー
私がドゥラメンテが亡くなって落ち込んでいた時、彼は父が忘れた菊のタイトルを拾ってくれた。
就活が上手くいかなくて泣きじゃくっている時、彼は栄光ある春の盾を勝ち取った。
卒論が辛くて逃げ出そうとしている時、彼は再び父が忘れた春のグランプリを制覇した。
しかもレコード。
小さくて可愛くてタフなメロディーレーン唯一の弟(当時)というところも着目ポイント。
しかもお姉ちゃんと一緒だと強い(笑)
そして父の出走が叶わなかった凱旋門賞へ。
ドゥラメンテ初年度産駒。
なんて孝行息子なのだろうか!
彼には特別な想いしかない。
彼のおかげで今私は無事大学を卒業し社会人となった。
ずっとキミに会いたいと待っていたがなかなか府中に来てくれないため、もう現役時代を見ることは無理だと諦めかけていた。
やっと逢えたね
ドゥラメンテの後続種牡馬として早めに引退してもおかしくない中、リスク覚悟で凱旋門賞へ出走し、5歳の有馬まで彼を走らせてくれた陣営の方々には多大なる感謝しかない。
「タイトルホルダーが本当に強い馬であれば、早く種牡馬にするよりも競馬に使うほうが彼のためにはいいのではないか、と思う」
岡田牧雄代表のお言葉
結果は5着。掲示板に載っただけでも素晴らしい。
今年の有馬記念で奇跡…いや、実力を示すに違いない。
私の24日中山競馬場指定席が奇跡的に当たりますように。
02.スターズオンアース
ドゥラメンテの2年目産駒。
2歳時は勝ちきれない部分があり、桜花賞は7番人気。
人気があったのは阪神JFを勝ったサークルオブライフや前哨戦のチューリップ賞を勝利したナミュール、そして弟 武幸四郎と兄 武豊兄弟の想いを背負ったウォーターナビレラの3強が注目の的だった。
鞍上は川田将雅だったが、出遅れがちで不利を受けやすく勝ちきれなかったスターズオンアースは人気を上げることが出来なかった。
最終直線で“スターズオンアース”という名を呼ばれたのはたった1度だけ。
相変わらず彼女は囲まれたがなんと馬群を縫って、そして父を彷彿させる末脚を披露した。
思わず涙が出てしまった。
川田、ありがとう。
そして優駿牝馬ではアクシデントが起こった。
なんとサウンドビバーチェが放馬し、発走が15分も遅れたのである。
(サウンドビバーチェもドゥラメンテ産駒…)
人気のサークルオブライフやナミュール筆頭に多くの馬が待たされることを嫌がり、イライラと焦りを見せていた。
そんな中、大外枠かつ桜花賞をフロック視されていたため3番人気に留まっていたスターズオンアースは非常に落ち着いていた。
メンタル面が強い。。
私は彼女の勝利と栄えある未来確信した。
タイトルホルダーと共に活躍していたので彼女の勝利にも沢山励まされた。
彼女の走りを現地で目にするのはこの日から約1年後の大阪杯(結果は2着)。そしてその約半年後の今日も逢えた。
嬉しくて嬉しくて仕事の疲れなんて忘れてしまった。
03.リバティアイランド
ドゥラメンテ3年目産駒。
2歳の頃から溜息が漏れるほどとてつもなく強かった(笑)
桜花賞の時はしんがりからの全頭交わしたパフォーマンスは心臓に悪かったが、まるで二冠馬ドゥラメンテに捧げるように、二冠牝馬スターズオンアースを報いるようにあっさり三冠牝馬となった。
初めて見たのは優駿牝馬の時。
当時私は200mハロン棒の付近のところにいたが、丁度先頭のラヴェルを交わすところだった。
チャーミングなポンポンと三つ編みに反してとても3歳とは思えない馬体。怪物2世だ……やたら荒ぶった走りをするし
そしてなんの因果か知らないけど主戦が川田将雅J。
ベイビーズジョッキーの時は息子の純煌くんに手振ってもらったし……笑
仏頂面の川田がゴール板過ぎた後顔ぐちゃぐちゃになっていたからこちらも感極まってしまった。
川田もやっと逢えたんだな
※ちなみに秋華賞の日は川田の誕生日でもあった。
人馬一体、強い縁を感じる。
ジャパンカップの結果は2着だったが川田は無理に追わせなかった。
相当大事にしているんだろうな。お嬢さんだもんね。
嗚呼、これからが楽しみだ。
04.パンサラッサ
私がnoteで競馬を綴るきっかけとなった馬。
コントレイルの引退レース以降は就活もあり、現地観戦は控えて為久しぶりに指定席を当てて行った一生忘れられない天皇賞・秋。
丁度4角前の席だったので完全に脳が焼かれた(笑)
距離や適正を考えて、正直チャンピオンズカップを目指した方が好走できそうだったが矢作調教師は引き際にジャパンカップを選んだ。
彼は最後まで自身のスタイルを、大逃げを貫き通す最高のエンターテイナーだった。
ロードカナロア産駒、母父モンジュー
世界のパンサラッサの逃げをもう見ることはない。
結構悲しかったが6歳まで走ったんだ。
本当によく頑張ったよ。。産駒でパンサのような面白い仔が生まれれば本望所望。
お疲れ様
05.ディープボンド
馬名の意味は「深い絆」
相棒和田竜二を背に走るもなかなかGIを勝ち切れないズブ馬。
沢山走っているイメージがあったが地味に初めてお目にかかった。
凱旋門賞2回挑戦、春天3度連続2着。
いつもいつも強い馬が現れてしまう。
それでもめげない、衰えない、負けても負けても挑戦し続ける。
彼が走るだけで多くの人が背中を押される。
まるでステイゴールドのような名馬でもある。
個人的には春天で報われて欲しい。
今回もよく出走してくれた。漢の中の漢だよ。
06.チェスナットコート
何が凄いって彼は最初矢作厩舎に所属し、中央競馬を走っていたものの、成績が振るわず地方の園田に移籍していたのである。
そして9歳、千秋楽として走るレースはかつて在籍していたGIレース、しかもこんなに豪華メンバーのジャパンカップ。
あまり注目されていないがこれ以上の運命が、ドラマが存在するのだろうか。
後に知った話だが、矢作調教師がパドックでチェスナットコートのお出向かいをされていたそう。
そういうのダメ……(泣)
9歳までの競走人生お疲れ様でした。
07.イクイノックス
特に意識していないが彼の始まりと終わりを見た。
2022年天皇賞・秋と今年の天皇賞・秋、そして今回のジャパンカップ。
正直な話、昨年の秋天はパンサラッサばかり見ていてあまりよく見ていなかった。
場所も悪かったし…ごめんね
全てが完璧だった。
追込~逃げ、中山の特殊な2500mも問題なし。
何が一番怖いってノーステッキでペースも関係なく涼しい顔でゴール板を駆け抜けるから。
GIレースを馬なり調教と勘違いしているのではないか!??
不安要素を考えても考えても負けるビジョンが全く見えなかった。
耳タコができるくらい何度も言うが、ルドルフもディープもオルフェもアーモンドアイも勝てないと思う。
「憧れすら追いつかない」を体現している馬だった。
青鹿毛だし顔もイケメンだし。
今年凱旋門賞出ていたら悲願は叶っていただろう。
短距離も長距離もダートもいけそう。
今回のジャパンカップを最後に引退したが、秋古馬三冠を達成するところとか見たかった。
まだ4歳だから勿体ないと思いつつも、仕方がない。
キタサンブラックも初年度から歴代最強馬を輩出してビックリしているかと。
ドゥラメンテ産駒ファンとしてはヒールだったが矢の如くターフを去った彼を三度も現地観戦できたのは後世に語り継がれる貴重な感じる。
ここは勝負の世界だから必ず勝ちと負け、そしてどうしても強い弱いが顕著になってしまう。
GI馬だろうがオープン馬だろうが地方馬だろうが、競走馬一頭一頭には物語がある。
数年競馬をやっているが、その醍醐味を今日やっと掴んだ気がした。