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神山竜一、引退。
神山竜一が今季限りでの引退を発表した。
今回は、神山竜一のプロサッカー人生について、そして思うことを記すことで、感謝の気持ちとしたい。
1.神山竜一のプロサッカー人生
神山は、2003年、島根県の立正大学淞南高等学校からアビスパ福岡へと入団し、プロサッカー選手としての一歩を踏み出した。
GKはサッカーにおいて特殊なポジションである。唯一手を使えるということもそうだし、出場枠は常に1つのみ、ベンチ入りもほぼ1枠のみ。
そのため若手選手には中々チャンスが巡って来づらい。
高卒でアビスパに入った神山もやはり、しばらくは出場機会を掴むことができなかった。
デビュー戦はプロ4年目となる2006年。
念願のJリーグ、それもJ1でのデビューを飾ったものの、この年の出場は1試合のみ。
だが翌年、こちらもアビスパサポーターには馴染み深い水谷雄一が移籍でアビスパを離れると、神山がレギュラーに定着する。
武器は188cmの恵まれた体格をいかした圧倒的な1対1の強さ、全く迷いのないプレー。反面、ビルドアップやキックの精度には難があったが、やはりGKのプレーで一番盛り上がるのはシュートストップの場面である。そこが素晴らしい神山は、さらにピッチを一歩離れると非常に優しく、ファンサービスも素晴らしいこともあり多くのサポーターに愛されることとなった。
その後も、2009年こそ怪我で長期離脱を強いられ出場が0に終わったものの、2006年〜2016年の長きに渡り試合出場を重ね、その合計はJ1で26、J2で216をも数えた。
そして2018年をもってアビスパと契約満了を迎えてしまったが、15年もの間多大な貢献をしてくれた。
その後も現役にこだわり、JFLのラインメール青森に移籍。2019シーズンは13試合に出場したが、今季はここまで出場がなく、今季いっぱいを持って引退することを発表した。
2.神山というGKへの想い
仮に、アビスパの歴代ベストイレブン、そしてベンチ入りの7名を個人的に考えたとする。
忖度を抜きに正直なことを言えば、スタメンのGKは中村航輔かセランテスを入れるだろう。
だが、ベンチには間違いなく神山竜一を入れる。それは出場するための準備を全力でし、仮に出場機会がなくてもチームファーストの考えでチームを盛り上げ、出場機会が訪れた際には常にベストを尽くすことのできる選手だから。
実力ももちろんのこと、チームに確実に良い影響を与えてくれるからだ。
これができる選手は、意外と少ない。
キャリアの多くはJ2であり、日本代表歴がある選手などのように記録に残る選手ではない。しかし、これからもずっとアビスパサポーターの記憶に残り続ける選手であったことは間違いない。
まずは、今季のJFLの日程が終了するまで確実にベストを尽くすであろう、神山を応援したい。