サッカーに憑かれた者たちnote版:志知愛弓さん(アビスパ福岡・志知孝明選手の妹さん)[全文無料公開]
開幕前は多くの解説者に降格候補筆頭に挙げられていたが、15試合を終え暫定とはいえ5位。アビスパ福岡はJ1で台風の目となっている。
既存の選手の成長はもちろん今季加わった選手の活躍も目立つチームにおいて、その中でもここ数試合抜群のプレーを見せているプレーヤーがいる。
今季横浜FCから加入した、左SBの志知孝明選手だ。
今回はそんな志知選手の実の妹で、まるで熱狂的なサポーターのように熱く応援している志知愛弓さんに話を伺い、応援し始めたきっかけや身近な人ならではの内容を聞くことができた。
熱く応援するようになるまで
今は熱く応援しているが、小さい頃から試合を観に行っていたのだろうか。
「子どもの頃はたまに観に行っていました。私が5・6歳くらいの時だったと思います。
でもその時はルールも分からないし、ただボールを蹴っているだけだったのですぐ飽きちゃって。帰りたがっていた記憶があります(笑)」
それから時は経ち、志知選手が松本山雅FC(J2)でプロになった際もまだ、Jリーガーになるという凄さはあまり分かっていなかったそう。
「兄が松本に入団した時は私は中学生で、所属した事の凄さがあんまり理解出来ていなかったんです。松本山雅というチーム名も知らなくて、『へぇ!選手になれたんだ!』くらいの気持ちでした」
それでもその翌々年、初の現地観戦を体験している。
「初めて行ったスタジアムは湘南BMWスタジアムで、福島(福島ユナイテッドFC=J3)に期限付き移籍してる時です。
行った時の感想は、テレビで見てた通りの感じだなぁって思いました(笑)
試合が始まる前、座席で待ってる時間にサポーターの方が太鼓を叩いてたんですが、その太鼓の音がこの後の試合に対して鼓舞している感じで『今から試合始まるのかー!』と、初のスタジアム観戦だったこともありワクワクしていました」
とはいえこの頃はまだ、今ほどの熱は感じない。
「本格的に応援し始めたのは水戸(水戸ホーリーホック=J2)に移籍してからですね。
水戸に所属したばかりの時は、松本の時と同じく『水戸ホーリーホック』というチーム名を聞いたことがなくて。調べてJ2のチームだということを知りました。
そうやって調べていたら兄の『Wikipedia』のページが作られていて。その時に兄の凄さを理解しました(笑)
有名になってほしいですし、サッカーしてる所を改めてちゃんと見たかったので応援するようになりました」
スタジアム観戦の際には、写真を撮ることも多い。
「(写真を撮るようになったのは)水戸の時からです。水戸vs新潟の試合から撮り始めました。
写真は前々から好きです。高校のときには写真部にも所属していました。
とはいってもカメラマンのように本格的に撮ってるわけでもなく、外食したときに出てきた料理を如何に美味しそうに撮るか、そのレベルです(笑)
サッカーだと、蹴る瞬間が綺麗に撮れると嬉しいので撮るのは飽きないです!」
志知選手が水戸に所属していた2019シーズンの間に、かなり熱いサポーターへと急成長した事が分かるエピソードを教えてくれた。
「水戸の時は特に、ホームで売られてるガチャガチャを、兄のが出るまでやり続けました(笑)」
水戸所属時、その後の横浜FC所属時にガチャガチャでゲットしたキーホルダーを見せてくれた。
横浜FCの時は志知選手のは出なかったそうだが、「レジェンド3人のは出ました!」という発言からもサッカー自体に詳しくなったことがよく分かる。
身近な人だから分かること
何年間も志知選手を中心に観ている愛弓さんだからこそ気付くプレー面の変化、そして好きなプレーはどういったものだろう。
「変わったところですか。難しいですが、テクニックを見せる頻度が増えたような気がします。
福島とか山雅では見られなかったようなテクニックが今では見られてるかなって思います。
たまたま私が見えていなかっただけかもしれませんが、観戦してる時『え、すご!なにそのテク!』って思うことが多くなりました!
あとは、一目でわかるあの見た目ですね(笑)
山雅の頃とは髪型も顔つきも全然違います」
「好きなプレーは、アシストしてるとこですかね。陰ながら支える感じが好きです。
(クロスを味方が合わせてのゴールは)めちゃくちゃ最高ですね!!
クロスが本当に上手なので、上手いこといくと気持ちがいいです!」
また、どうしても志知選手に目は向きがちだが、他の選手もしっかりと応援している。
「他の好きな選手は村上昌謙選手ですかね。
水戸の時から知ってる選手ですので『え、あのボールを止めれるの!?』って思うことが多々あります(笑)
反射神経はもちろん視野の広さも尊敬します!
村上選手に何度助けられたか…。まさに鉄壁だと思います!」
続けて、アビスパ福岡や志知選手のサポーターであれば気になるであろう、普段の姿についても少しだけ聞くことができた。
「普段と試合の時と、そんなに変わらないですね。裏表は全くないですし。
普段もクールな感じで口数少ないので(笑)
でも、試合中の集中してる時の表情は家ではなかなか見ないのでそこは新鮮でした!強張ったような険しいようなあの表情です」
最後に、今後の志知選手、アビスパ福岡に期待することを尋ねた。
「こうなってほしいというのは特にありませんが、本人が全力でやれるならどんなプレーでも観たいです!もちろん反則行為以外で。
あとはゴールを決めるとこをもっと見たいです。
(アビスパは)今5連勝を果たして調子も上がってきましたし、兄もアビスパに馴染んできたと思います。
J1クラブと戦うのは難関かもしれませんが、サポの方々が『今年のアビスパは強い』と口を揃えて仰ってるので、このままの調子で今後の試合も全力で頑張って欲しいですし、全力で応援していきたいです!
初アビサポである私ですが、何故だか上位にいけるような気がしています」
志知選手は5月9日の柏レイソル戦でCKに合わせて加入後初の、そして決勝点となる貴重なゴールを奪った。
身近な人からの応援を背に受け、攻守に安定感抜群の左の槍が、蜂の一刺しをする姿をこれからも何度も観たい。
※写真は全て、愛弓さんが撮ったもので構成させて頂きました。
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