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第26節 アビスパ福岡vs川崎フロンターレ レビュー

アビスパ福岡対川崎フロンターレの歴史

博多の森での、川崎フロンターレ戦は何かが起こる。

2011年8月14日。小林悠に先制点を許すも終盤の城後の2ゴールで逆転勝利。
シーズンを通して苦しいシーズンだったなか、強く記憶に残る場面である。

2016年6月18日。リーグ戦初優勝を目指し首位を走る川崎フロンターレ相手に、金森の2ゴールで2-2のドローに持ち込む。
この引き分けで川崎は首位陥落。結果的に優勝を逃している。

なお、2000年3月11日にはアビスパが2-1で勝利しているが、この時に2点のビハインドから1点を返したのは川崎の現監督・鬼木達だった。

そしてなんと言っても1998年11月19日。J1参入決定戦の1回戦で相見えると、2度リードを許す展開から終了間際に山下芳輝の起死回生のゴールで追い付き、延長戦でフェルナンドが決めて勝利。
これがかの有名な「神を見た夜」である。

今回の試合

そして2021年8月25日。
今季無敗で首位を走る川崎フロンターレを相手に、アビスパは新たな歴史を作った。

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序盤からボールを握られたが、前節から9人を入れ替えたこともあり出足良く守備を続け、チャンスはほぼなくピンチが多い展開でもスコアレスで前半を終える。
サッカーは90分間で勝敗が決まるスポーツ。長谷部監督の采配からはその意識を強く感じる。

後半に入ってもしっかりと耐え62分。
山岸、ジョン・マリ、前を投入し明確なスイッチを入れると流れは一変。65分にクルークスがゴラッソを決め、その後もカウンターを見せながら守り抜いた。

川崎フロンターレは連戦が続いており、それでも前節からの入れ替えは3人。しかし、これが完全に裏目に出た。
3節前の柏レイソル戦からのスタッツ、中でも走行距離を見てほしい。

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試合をこなす毎に明らかに運動量が低下しており、25分ほどをリードされていた今日の試合で100kmを切るというのは普段のフロンターレを考えると異常とさえ言える。

ここまで多くの試合に出場した選手達は明確に疲労が溜まっている。
優勝を達成するためには、鬼木監督がより総力戦という意識を持つことが求められるだろう。

採点(及第点は5.5)、寸評

GK村上昌謙    7.5  前半をスコアレスで折り返せたのは彼の活躍があってこそ。鋭い出足で1対1の場面もゴールを死守した。

DF湯澤聖人    7.5  村上と並び陰のMOMの1人。豊富な運動量、タイトな守備、78分にはカウンターから長い距離を持ち上がった。

DFカルロス・グティエレス    7.5  この試合最大のピンチにも見えた78分、家長のシュートに長い足を伸ばしてブロック。15分にも決定機を防いだ。

DF宮大樹  7.5  試合を通して高さ・強さを発揮し、さらに鼓舞し続けた。出場機会は多くないが、間違いなく優れたCBだ。

DF志知孝明    6.5    時間の経過と共に向上したが、やや無理のあるカットを狙う場面が目立った。

MFジョルディ・クルークス    8.0  MOM。多くの時間で守備に奔走し、疲労もあるなかで66分に左足一閃。ゴラッソを叩き込み、勝ち点3の立役者となった。

MFカウエ    6.5  普段の試合以上に守備重視で戦うなかで、主に守備面で役割を果たした。

MF重廣卓也    6.5  フィルター役になれない場面もあったが、機を見た攻撃参加で厚みをもらたした。

MF杉本太郎    6.5  中央に寄った立ち位置から、運動量で広いエリアをカバー。26分のシーンはファウルに見えたが…。

FW渡大生    6.5  スプリントを攻守に使い、広いエリアでプレー。城後とのコンビは献身性No.1だ。

FW城後寿  6.5    裏を狙う姿勢、献身的な守備で大きく貢献。53分にはGKチョン・ソンリョンに紙一重のプレスをかけ、このプレーが雰囲気を変えた。

MF前寛之  6.5   62分からカウエに代わり出場。正確なパスでリズムを作り、先制後は持ち前の守備力を発揮。

FW山岸祐也    6.0    62分から渡に代わり出場。5バックに移行後は献身的な守備を見せるなど、チームのために働いた。

FWジョン・マリ  6.0   62分から城後に代わり出場。運動量には欠けるが、特に5バックになってから彼の存在感は大きかった。

MF金森健志   採点なし   役割を理解し、守備にしっかりと奮闘した。

DF奈良竜樹   採点なし   さすがの安定感で、川崎のパワープレイをシャットアウト。

長谷部茂利監督    8.0    耐える60分、そこから3枚替えで明確なスイッチを入れて攻めるというゲームプランを完璧に遂行。5バックにしても川崎が攻めに100%を注げないよう、最前線に1発のあるジョン・マリを置くことも含めて適材適所だった。

印象に残った場面:試合終了直後。出場機会のなかった選手も含め、ベンチメンバーが優勝したかのように喜んでいる姿にこのチームの強さを見た。

最後にもう1つ。負傷交代となったフロンターレの旗手は、33分にシュートを放ったシーンですでにもも裏に違和感を覚えていたように見える。長引かなければいいのだが。

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