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2020シーズンの思い出深い試合・前編

はじめに

キャンプも終了し、J1で迎えるシーズンの開幕が近付いてきた。

わくわくする気持ちをそのまま文章にぶつけ、アビスパ福岡に関する記事を1日おきに最低5つは投稿していこうと考えているので読んで頂けると幸いである。

第1回目と第2回目はまず、新型コロナウイルスに負けず、本当に充実していた昨シーズンを改めて振り返る。
あくまでも独断で選定したものではあるが、昇格を果たすうえで特に重要であった試合をまとめた。

…いや、まとめようとしたのだが、思い出深い試合が多かったために2回に分けたというのが正直なところだ。

第1節 アウェー・ギラヴァンツ北九州戦

開幕戦から、J3で優勝しJ2に復帰したギラヴァンツ北九州とアビスパ福岡による福岡ダービーが実現した。

アビスパ目線で言うと、長谷部アビスパの初陣ということでどういったスタメンになるかが注目を集め、結果的に8人が新加入選手と大幅な入れ替えとなった。

ダービーということもあり、また長谷部監督らしさも小林監督らしさも感じられる内容であり、どちらのチームも非常にアグレッシブなプレーを披露。

その中でも最も輝いたのはJ初出場となったFW遠野大弥。未知数の選手だったが、積極的な仕掛けとシュートへの高い意識で一気にサポーターの心を掴むと44分、こぼれ球に反応しボレーでネットを揺らした。

監督も選手も代わったために完成度が高かったとまでは言えないが、長谷部監督が目指すチームの方向性がはっきりと見えた試合だった。

一方で北九州も「昇格請負人」小林監督がJ3時代から作り上げたチームは完成度が高く、敗れたとはいえ躍進を感じさせるゲーム内容。実際に中盤戦までリーグを引っ張る存在へとなっていく。

そしてこの試合は、両サポーターにとって昨シーズンで唯一チャントを歌うことのできた試合となった。


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第5節 ホーム・ジュビロ磐田戦

開幕戦こそ勝利したものの、大幅な中断期間を経て行われた第2節からの3戦は1つも勝てず。第5節にホームに迎えたのは昇格候補の筆頭とも言われたジュビロ磐田だった。

ボールを握る磐田、守備ブロックを形成するアビスパという構図が続き、遠野、菊池の決定的なシュートもGK八田の好セーブに遭い0-0のまま。

それでも70分だった。
相手DFが繋ごうとした際のミスを見逃さず遠野がドリブルで持ち上がり、DFを引き付けて横の増山へパス。

GK八田が詰めてきたが、増山は冷静にループシュートを選択し先制ゴールを奪った。

シーズンのなかで初めてベススタにサポーターが集まって行われた試合で、しっかり3ポイントを積めた意味は大きかった。


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第8節 ホーム・愛媛FC戦

磐田戦から3連勝、4位まで浮上したアビスパは、ホームに愛媛を迎えた。

しかし試合終盤の77分、カウンターから川村に見事なシュートを決められリードを許してしまう。

それを見た長谷部監督は、大胆な采配を行う。80分にDF登録の三國を最前線で投入すると、直後のCK、サロモンソンのボールに頭で合わせ同点ゴールを奪ってみせたのはその三國だった。
その後の、元々FWの選手らしいゴールパフォーマンスも強く記憶に残っている。
逆転には至らなかったが、このドローでチームは4戦負けなしとした。


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第10節 ホーム・ヴァンフォーレ甲府戦

上記の第8節・愛媛戦のあと、チーム内に新型コロナウイルス感染者が出てしまい、また濃厚接触者となってしまった選手がいたこともあり苦しい台所事情のなか行われた一戦。

それでも城後らしい、滞空時間の長いジャンプからのヘッドで先制。だが、その後逆転を許す。

1-2で迎えた90分、ペナルティアーク付近にこぼれたボールに完璧に右足を合わせたのは遠野。
土壇場で同点に持ち込み、貴重な勝ち点1を手にした。


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第16節 アウェー・ジェフユナイテッド千葉戦

キャプテンの前を欠いた影響は大きく、15位まで順位を下げてこの試合を迎えていた。

増山の得点で先制するも逆転され、無情にも時間ばかりが過ぎていく。
このまま終了かと思われた後半アディショナルタイム、それも掲示された5分を過ぎてからだった。

左サイドから松本がクロスを供給すると、頭で合わせたのはフアンマ。
劇的な同点弾で勝ち点1を手にし、結果的にこの試合が転機となる。


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第17節 ホーム・レノファ山口戦

前節を引き分けに持ち込んだとはいえ、順位は17位にまで下がっていた。
さらに11分には山口にPKを与えてしまう。
この大ピンチを救ったのは守護神・セランテス。完璧にキャッチし試合の均衡を維持すると、21分にはアビスパがカウンターを炸裂させる。

湯澤が積極的な上がりからクロスを送ると、遠野がダイビングヘッド。これで先制し、65分には遠野のドリブルから輪湖がクロスを送り、フアンマが潰れてこぼれたボールを木戸が蹴り込む。

2-0と、シーズンで初めて複数得点差で勝利した試合となった。


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第9節 アウェー・大宮アルディージャ戦

節の数字がおかしいと思われる方がいるかもしれないが、新型コロナの影響で延期となっていた試合なのでこれで合っている。

山口戦からスタートした連勝を3に伸ばして迎えた一戦。27分にCKから上島がヘッドで合わせたが、これはGKクリャイッチがナイスセーブ。

それでも65分。前が左SBの輪湖にボールを預けると、珍しくそのまま左サイドを駆け上がる。
スペースに入り込んでリターンパスをもらい、そのままダイレクトでクロス。

ゴール前のフアンマにピタリと合い、この1点が決勝点となって勝利を収めた。

そして、この試合から前が機を見て攻め上がるシーンが観られるようになっていく。

ちなみにグローリが正当なタックルで大宮の選手4人を次々となぎ倒したのもこの試合である。


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第21節 ホーム・ザスパクサツ群馬戦

5連勝で4位へと一気に順位を上げたアビスパは勢いそのままに、34分にGK村上のキックが左サイドの菊池へ繋がり、クロスに遠野が左足を完璧に合わせる。が、これはGK清水のビッグセーブにあってしまう。

76分には群馬にカウンターを受ける。田中が積極的に仕掛けてグローリを抜き去り、引き付けてフリーの大前にパス。
あとは決めるだけに見えたが、シュートは僅かに枠を外れ事なきを得た。

直後の77分だった。前が裏のスペースに走った増山目掛けてロングパスを送ると、DFがクリアし損ない増山がゴール前へと独走。

そのまま身体を開きながら左足で巻き、逆サイドネットを揺らしてみせた。

しかし試合の締め方が甘く、ラストワンプレーでFKから決定的なシーンを作られてしまうがポストの活躍によりなんとか失点は免れ、1-0で勝利した。


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次回は後半戦です。

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