新加入選手紹介:カウエ オレンジからネイビーブルーへの転身
2月15日、大宮アルディージャやアルビレックス新潟でプレー経験のあるMFカウエがアビスパ福岡へ加入することが発表された。
出場枠が5である中で7人目の外国籍選手となるが、明らかに足りていなかったCHの救世主となり得るカウエがどういった選手なのかをまとめる。
カウエの経歴
カウエは2009年、ブラジルの当時セリエAに所属していたECサント・アンドレと契約を結んだことでサッカー選手という夢を叶えた。
しかしチャンスはほぼ訪れず、その後はポルトガル、ルーマニア、アゼルバイジャン、イスラエルと様々な地でプレー。どこでも一定の出場機会は得たものの、なかなか絶対的な選手にはなれず。
そんな風向きが変わったのが、2016年のポルトガル・モレイレンセへの移籍。2017年1月にはタッサ・ダ・リーガ決勝でSCブラガを相手に決勝点となるPKを決め、クラブに初タイトルをもたらすなど主力としてプレーした。
ここでの活躍が評価され、2017年7月、当時J1残留を目指していた大宮アルディージャへ完全移籍で加入。報道によると移籍金は50万ユーロ(約6500万円)とも80万ユーロ(約1億円)とも言われ、金額からも期待のほどが窺える。
この年は14試合出場1得点と出場機会は得たものの、しかしチームを救うことはできず大宮は降格してしまう。
翌年はJ2ながら出場機会が訪れず、8月に同じくJ2の新潟へと期限付き移籍。この地では13試合出場3得点と結果を出す。
そして2019年には新潟へと完全移籍。副キャプテンに就任すると、主力として35試合に出場し3得点の活躍。
7月にはキャプテンだった加藤大が移籍したこともあり、カウエがキャプテンにも就いている。
片渕監督からの評価も高く、「本当にいい選手」と手放しで褒められることもあった。
年明けの1月8日には2020シーズンに向けた契約更新を発表。ところが、1月27日に突然、双方合意の元で契約解除となる。
そこからしばらく所属先がない状況が続いたが、2020年8月にポルトガル1部のベレネンセスへ加入し12試合に出場。
しかしアビスパからのオファーを受けたからか、先月には契約解除となっていた。
そのため移籍金はかからず。さらに新潟時代の在留資格がまだ有効だったようで、緊急事態宣言下においても来日でき、本日から練習に参加している。
カウエのプレースタイル
中・長距離のキックの精度が高く、1本のパスでチャンスを作ることができる。
また、186cmの長身とコンタクトの強さを武器に、ボール奪取能力と空中戦に長けている。
テクニックも水準以上のものを持っており、プレスをかけにきた選手を足元の技術で剥がすケースもみられる。
また、キャプテンを務めたことからも分かるように人間性も優れているようだ。
一方で俊敏性に優れたタイプではないため、狭いスペースで細かくパスを繋ぐようなチームには適さない。
さらにスペースを埋めるという仕事もあまり得意ではない。
つまり、恵まれたフィジカル面をシンプルにいかすことができるチーム状況ならば能力の高さを示すことができる。
合流が遅れた分少し時間はかかるかもしれないが、前もしくは重廣という賢さのあるタイプとコンビを組むことができるため合うのではないだろうか。
カウエがプレーするCHの位置には前と重廣という軸がいるものの、控えは本職でない田邉、杉本、森山しかいない状況となっていた。
明らかな不安を解消するためにも、ここが本職であり実績もあるカウエにかかる期待は大きい。