個人的に選ぶアビスパ以外の試合ベスト15 第5〜3位
「個人的に選ぶアビスパ以外の試合ベスト15」
ルールは、生中継で観た試合限定で、アラサーの自分がしっかり覚えている試合のみ。
ほとんどがアビスパと同じぐらい大好きな日本代表絡みの試合です。
第5位「2002年日韓W杯・ベルギー戦」
2002年6月4日。日本代表がW杯で初めて勝ち点を得た日です。
その4年前、1998年フランスW杯に日本は初めて出場したものの3戦3敗。グループリーグ敗退となっていました。
自国開催であるW杯で初の勝ち点、そしてグループリーグ突破を目指し、初戦のベルギー戦に臨んだ日本代表。
当時のベルギーは現在ほど世界の強豪というわけではありませんでしたが、それでも日本より格上であったことは間違いありません。
そのチームを相手に、日本はホームの大歓声を背に勇敢に戦います。
前半はお互いに得点を奪えず0-0で終了。
試合が動いたのは57分。警戒していたはずのヴィルモッツに見事な先制ゴールを奪われてしまいます。
大歓声がかえってプレッシャーとなってしまいかねないこの状況で、チームを救ったのがFW鈴木隆行でした。
直後の59分。MF小野伸二からのロングフィードに飛び出すと、やや長いボールにも諦めず懸命に右足を伸ばし、つま先に当ててみせました。このボールが飛び出してきたGKの脇を抜け、魂のゴールで同点。
こうなると一気に乗るのがスタジアムだけでなく、国中からの声援を受けるホームチームです。
67分、前線に上がっていたMF稲本潤一が右足のキックフェイントでDFをかわし、そのまま左足一閃。
サイドネットを射抜き、2-1に。
日本代表はW杯で初めてリードを奪いました。視聴率が驚異の58.8%(ちなみに続くロシア戦は66.1%)だったこの試合。
この瞬間、スタジアムだけでなく日本中から大歓声が挙がりました。
ただ、このままでは終わらないのがさすがはベルギー。75分、フラット3の裏を突かれ失点。2-2。
その後はお互いにリードすべく一進一退の攻防を見せますが、スコアは動かず終了のホイッスル。
勝利こそ逃しましたが、W杯で初めて勝ち点を得たこの試合で得た自信が、続くロシア戦・チュニジア戦での勝利、そしてグループリーグ突破に繋がったことは間違いありません。
第4位「2018年ロシアW杯・コロンビア戦」
W杯本番が近付いてきたにも関わらず結果がふるわなかったために、大会直前にハリルホジッチ氏から西野朗氏へ監督を交代してロシアW杯に挑むことになった日本代表。
しかも初戦の相手はファルカオ、ハメス・ロドリゲス(怪我明けのためこの試合はベンチスタート)らを擁し、2014年大会で1-4と完敗を喫したコロンビア。
そのため、戦前の予想では圧倒的にコロンビア優位との見方でした。
しかし逆境に強いのが我らが日本代表。
試合開始から積極的な姿勢を見せると、試合の行方を大きく左右する出来事が起きたのは開始早々の6分でした。
FW大迫勇也がロングボールに巧みに身体を入れて前を向きGKと1対1。これは弾かれますが、詰めていたのはMF香川真司。
GK不在のゴールを捉えていたシュートを、MFカルロス・サンチェスが懸命さのあまり手でブロックしてしまいます。
これでサンチェスは退場となり、日本にPKが与えられます。
冷静に香川が決め、日本が先制。
コロンビアも意地を見せます。37分、FKを得ると、MFキンテロが壁の下を狙ったボールをGK川島永嗣が止めきれず同点に。
そのまま前半を終えます。
後半、数的優位をいかしチャンスを作る日本と59分に万全ではないハメス・ロドリゲスをも投入し、少ないチャンスを強引にでもモノにしようとするコロンビア。
次の1点を奪ったのは日本でした。
73分、CKに難しい体勢ながら頭で合わせたのはFW大迫勇也。これがネットを揺らし、2-1。
この得点が決勝点となり、日本代表が大方の予想を覆して貴重な勝ち点3を獲得しました。
次のセネガル戦でも勝ち点1を得て、決勝トーナメントに進出。初のベスト8をかけて、強豪・ベルギーと対戦することとなったのです。
第3位「2010年南アフリカW杯・デンマーク戦」
岡田武史監督率いる日本代表はこの大会直前まで調子が上がらず、急遽守備的な戦術に変更して大会に挑んでいました。
そのため良い内容とは言えませんでしたが粘り強く戦い、初戦でカメルーンに1-0で勝利、2戦目はオランダには0-1で惜敗。
2002年に行われた自国開催の日韓W杯でしか決勝トーナメントに進出したことがなかった日本は、国外で行われたW杯としては初の決勝トーナメント進出を賭けてデンマークと対戦しました。
日本は勝ちか引き分けで決勝トーナメント進出、デンマークもこの試合に勝つと決勝トーナメント進出という直接対決。
序盤はデンマークのMFトマソンを中心とした攻撃を止められず、ピンチを招きます。
そこで選手の意見を岡田監督が聞き入れてシステムを変え、バランスを取り戻すことに成功すると、17分でした。
ゴールまで30m以上の位置でFKを得ると、本田圭佑が直接狙います。左足から放たれた渾身の無回転のシュートはGKの予想外の軌道を描き、サイドネットへ突き刺さりました。
これで大きな先制点を挙げると、31分。
今度はゴール前25mほどの位置でFKを獲得。デンマークの面々は本田が蹴ると予測して壁を配置し、左足のコースを消しましたが、日本にはもう1人、FKの名手がいました。
むしろ短い距離はこの男のほうが得意。遠藤保仁です。右足で壁の外側から巻くシュートを蹴ると、完璧にコースを突いたボールがネットを揺らして2-0。
後半に入りデンマークは高さをいかしたパワープレーを仕掛けてきました。が、空中戦の強さなら間違いなく日本代表史上最強のCBコンビ、中澤佑二と田中マルクス闘莉王がしっかり跳ね返します。
それでも81分、身体を入れた長谷部誠のプレーが反則とみなされてPKとなり1点を返されますが、デンマークの守備陣はこの大会素晴らしい活躍をみせていた本田を止めることはできませんでした。
87分、DFを完璧なフェイントで置き去りにすると、GKが出てくるのを確認して冷静に横にパス。
途中出場の岡崎慎司は枠内に蹴り込みさえすればよく、これで3-1。デンマークを突き放すことに成功しました。
そしてそのまま快勝で、自国以外でのW杯で初めての決勝トーナメント進出を決めたのです。