第37節 アビスパ福岡vsベガルタ仙台 レビュー
前半に見せた鬼気迫るプレーと、後半に見せた押し込まれ続けるというJ2でくすぶっていた頃のようなプレー。
最終的には追い付いたが、今季のアビスパらしくない二面性が出てしまう試合となった。
スターティングメンバー
システムは前節と同じく4-4-2。だがメンバーの入れ替えは多く、左SBに輪湖、左SHに石津、CHにカウエ、FWに城後と、今季出場機会の少ない選手が起用された。
試合内容
8位を確固たるものとしたいアビスパ福岡と、残留という目標の達成はできなかったもののこれまで背負っていたプレッシャーから解き放たれたベガルタ仙台。
予想の難しい一戦となったが、明確に前半と後半で流れが大きく変わることとなった。
前半は完全にアビスパのペース。渡と城後が最前線から追い、高い位置でボールを奪うとそのまま攻めきる。
ベガルタはCBの足元での繋ぎが安定せず、ボールを失う場面が多かった。
26分に右サイドから切り込んだクルークスがゴラッソを決め、アビスパが支配したまま前半終了。しかし後半に入ると前半と真反対の展開に。
後半開始早々の49分にCKから氣田が決め、同点。
アビスパは3枚代えで流れを取り戻そうとしたが変えられない。
64分に再びCKから氣田が決めてベガルタが逆転。同じような形で2度決められたため、組織として修正しなければならない。
アビスパは金森と志知を投入し、早々に5枠を使い切る。
ベガルタも選手交代をしつつ逃げ切りを図るも87分、クルークスの右足でのクロスをフアンマがファーサイドから折り返すと、金森が押し込み同点に。
お互いに最後まで得点を目指したが、最終的には痛み分け。アビスパにとっては今季ホーム最終戦だったが、勝利で飾ることはできなかった。
採点(及第点5.5)、寸評
GK 31 村上昌謙 5.5
前半唯一の大きなピンチ、CKからのヘッドをしっかりセーブ。その後も堅実なプレーだったが、チームとして2失点しては評価は上がらない。
DF 3 エミル・サロモンソン 5.5
後半に宮が合わせたCKは精度が高かったが、その他の数多くのセットプレーではなかなか味方に合わず。後半は裏のスペースを狙われた。
DF 33 ドウグラス・グローリ 6.0
SBの裏のスペースを突かれたが、適切にカバーし流れの中からは破綻させなかった。
DF 5 宮大樹 6.0
いつものように安定したプレー。出場機会は多くなくとも、しっかりと準備していることが窺える。
DF 22 輪湖直樹 5.0 (71分OUT)
攻守に積極的に絡む姿勢は見せたが、石津とのコンビネーションでサイドを崩すことはできず。
久しぶりの出場で90分プレーしたかったが。
MF 14 ジョルディ・クルークス 6.5 MAN OF THE MATCH
川崎フロンターレに初めて土をつけた第節でのゴールを思い出させる、26分の一撃で先制点を記録。一度は逆転を許したが、今度は右足でのクロスで同点ゴールに関与した。
MF 15 カウエ 5.5 (55分OUT)
前半はチーム全体がアグレッシブで、対人に強いという強みをいかせていた。だが、後半は押されたまま流れを戻せず交代となった。
MF 6 前 寛之 6.0
後半は押し込まれる時間が多かったが、タイミングの良い攻撃参加から惜しい場面に絡んだ。やはり相棒は中村の時がバランスが取れている。
MF 16 石津大介 5.5 (55分OUT)
攻から守への切り替えの早さはチーム随一だった反面、サイドでの打開力のなさは致命的。
FW 17 渡 大生 5.0 (71分OUT)
前半、積極的なプレッシャーと鋭い出足でチャンスに絡んだ。
だが後半、CKで競り負け、2失点共に絡んでしまった。
FW 10 城後 寿 5.5 (55分OUT)
2度の決定機でスタンドを沸かせたが、惜しくもゴールはならず。前半のプレーは、J1でもまだまだやれると思わせてくれるものだったが。
途中出場
MF 8 杉本太郎 5.0 (55分IN)
球離れが悪く、奪われる場面が目立った。目立った試合は球離れが良く、そこを安定させられるかが課題。
MF 40 中村 駿 5.5 (55分IN)
投入後しばらくは流れを取り戻せなかったが、終盤は前とのコンビで押し返し勝ち点1に繋げた。
FW 9 フアンマ・デルガド 6.0 (55分IN)
仙台に支配され難しい時間帯が多かったが、自慢のキープ力から徐々に流れを取り戻し、ヘディングでの折り返しで金森の同点ゴールに繋げた。
FW 37 金森健志 6.0 (71分IN)
久しぶりにFWとして出場したためか試合に入れていない様子だったが、一瞬の嗅覚で同点ゴールを決めた。
DF 14 志知孝明 5.5 (71分IN)
杉本との連携が合わない場面はあったが、やはり強度の高さは素晴らしい。
監督 長谷部茂利 5.5
前半は素晴らしい内容。高い位置からのプレスでボールを奪い、チャンスを生み出し続けた。
しかし後半は一変。仙台に押し込まれて逆転を許し、勝ち点1を取るのがいっぱいいっぱい。前半のサッカーが本当にやりたい内容なのだろうが、まだまだ課題は多い。
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