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そろばん教室で日々実践している問題解決型学習(PBL)?!
走る哲学者、為末大さんのお話にはいつも大きな刺激を受けてます。
YouTubeでは、Globisでしゃべっているものがいくつか、そして為末さん自身のチャンネルもすごく勉強になります。
PDCAとは、Playである
為末さんの陸上選手時代、PDCAどころかトレーニングすら存在しなかったというお話。
試合の準備としてトレーニングがあるのではなく、日常的に試行錯誤の遊びがずっと続いていたとのこと。
遊びというよりもPlayという言葉の方がしっくりくるそうです。
PDCAよりPlay。
訓練より遊び。いいですね~
過程自体が楽しくないとできない、と思う自分にはぴったり。
そして、楽しいとモチベーション爆上がりのこどもたちにはまさに。
というか、自分がこどもなのか・・・
そろばんの練習でも、練習=遊びになって色々試してる子の伸び方は凄まじいです。
自分なりに色々な発見して、それを教えてくれます。もう、研究者そのもの。
楽しむ才能
いかに楽しむか。なんでも楽しく遊びに変えてしまうことができれば、どれだけこどもの能力は伸びるだろう?
なんでも自分で遊びに変えられたら毎日、毎瞬間が楽しくて最高!
逆に、受け身で与えられた課題をただ漫然とこなすのでは、楽しくないし単純作業能力は身についても賢くはならなそう。
楽しさと能力の獲得
そろばんだったら、同じ練習問題でも、何通りもの楽しみ方を作り出せます。
正確性を上げるには?
スピードを上げるには?
その試行錯誤そのものが遊び。
数学の楽しさも、プログラミングの楽しさもそこにあります。
もっとラクにできないかな?今風に言えば、ハックできないかな?
その中で構造的にとらえたり、ちがう見方をしたり、アイデアを組み合わせたりとさまざまな思考技術を獲得して賢くなっていく。
スポーツも、音楽の演奏もきっと同じ。
でも残念なことに、それが習い事になって教えられる立場になると、どんどんちがってきてしまう印象がぬぐえません。
「問題解決」のプロセスを楽しむ
「〇〇したい(レベル上げたい、できるようにしたい)」
「じゃあ、どうしたらいいか?」
それを、「がんばる」「気合」とかじゃあダメダメ。でも、結構そうなりがち。
授業では、こんなステップを踏みながらこどもたちと一緒に考えてます。
よ~く観察
対象について:どんな問題かな?
自己について:得意/苦手に着目
対象分析と自己分析
対象について:問題をタイプわけしてみる
自己について:得意タイプ/苦手タイプに整理
分析から推論、仮説を立てる
得意な理由を考える
苦手な理由を考える
解決策を考案
合格点をとるための作戦
優先順位
正確性を上げるかスピードを上げるか
得意を伸ばすか苦手を減らすか
目的にフォーカスした練習を考える
どの能力を伸ばしたいのか
その能力にはどんな要素があるのか
その要素を伸ばすにはどんな練習をしたら伸びそうか
練習をスモールステップ化する
自分のレベルにあわせて難易度を調節
短いサイクルで手軽にできる練習から
試してみて、フィードバック、1にもどる
なんだかこうして書くと複雑で難しそうに見えるけれども、実際にはそうでもないんです。
問題解決型学習って?
これって「問題解決型学習(PBL)」そのものでは?と思うのです。
問題解決型学習(PBL)とは?
問題解決型学習(Project Based Learning)。これは別名「課題解決型学習」とも呼ばれ、知識の暗記などのような生徒が受動的な学習ではなく、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育法のことを指します。生徒自身の自発性、関心、能動性を引き出すことが教師の役割であり、助言者として学習者のサポートをする立場で学習を進めて行きます。
また正しい答えにたどり着くことが重要ではなく、答えにたどり着くまでの過程(プロセス)が大切であるという学習理論のことで、1900年代初頭アメリカの教育学者ジョン・デューイが初めて教育現場で実践に取り入れたとされています。
PBLというと身近な問題とか社会問題の解決をグループでプロジェクト化して取り組むイメージが強くて、それはそれで素晴らしいし、先進的でかっこよさそうだけど、こどもによって向き不向きはすごくありそう。
あと、実際に試してフィードバックを得てという試行錯誤を繰り返すのが難しそう。
それよりも思いっきり「自分ごと」である「○○したい」「できるようになりたい」という欲求を満たすテーマの方がしっくりきます。短いスパンで試行錯誤しまくれるし。
自分の能力の高め方を習得しよう
「できない」を「できる」、「もっと上手にできる」に変えていくこと。
「自分の能力を高めるには?」という問題に対して解決策を考え、試行錯誤を繰り返す。
そろばん教室でこどもたちに身につけてほしいのはまさにこれなんです。
自分で自分の能力を伸ばしていくことができるという経験と自分にあった学び方の方法論を見つけること。
これができたら、学びたいと思ったことをどんどん学んでスキルを高められる。可能性が無限に広がると思いませんか?
だから、こどもたちが、「自分にあった学び方」=「自分の能力の高め方」を見つけて習得するためのサポート、促進するのが指導者の役割。
いつでも、主役はこども。
そろばん教室やってます。