月までバカンスしたい

現在、就職活動真っ只中でして…正直、自分がこの時期まで就職活動を行っているとは3月の自分は想像もしていなかったな…
私は生まれてこの方ずっとやりたいことがなかった人間で、そんな人間が大学4回生になって突然夢が出来たんですね。それは出版社に就職して本を作るということ。どこかにいる誰かにとって、何の心配もなくもたれかかれるような人文書を作りたかった。就職活動って自分を真正面から否定される機会だと思っていて、自分の足りないところが恐ろしい勢いで浮き彫りになって、気付いたら自分だけ孤島に居て、もう行き場がないみたいな…

「与えられた課題に対して一般論として検討するのではなく、提案者個人として具体的にどの程度その問題に関心があるか、それがなぜ今必要とされるのかなどを明確にしないと、一般的な書籍あるいは問題の中に埋もれてしまう。」これが私が出版社を諦めることになった言葉。私は何も考えられてなかった。知らない誰かの人生を救いたいなんて思っていたけど、本当は自分の人生を救って欲しかっただけ。ふざけんな。

私はいつも、自分の人生なのに当事者意識が欠けていて、他人事みたいに物事をこなしてしまう。自分の本心を知られたくない。決めつけられたくない。でも、誰かが居ないと息が出来ない。誰かに背中をさすってもらいたい。それってすごい愛だと思うから。

とある企業の面接でジェンダーについての学びを話した時、面接官が「自分もアライで…」「話したくないことがあったら話さなくていいから」と言ってくれたことがすごく自分にとって新鮮だった。他人の性別やセクシュアリティに良い意味合いで、興味関心がない人ってちゃんと存在していて、私の中にある緩やかな絶望の暗闇に一筋の光が差した感覚。隙間からこぼれ落ちないように必死だった、掴んで離したくない光だった。あまりにも眩しくて苦しかった。自分の人生を手放したくなる瞬間って日常のあちこちに散りばめられていて、それを必死に拾い集めて私は生きているんだけど、今夜だけは月までバカンスしたい。もう辞めてやると匙を投げてもいいのに、それでも就職活動を行っているとこんな体験が出来るんだなって少しだけ心が落ち着いた。

早く大丈夫になりたいです。その大丈夫が一体どういう意味か私にも分からない。内定を貰うこと?就職活動を辞めること?分からない。ついに正解のない人生に手を出してしまった感覚。いつだって物事には分かりやすい正解があって欲しいし、簡単にそこに辿り着きたい。きっと私は正解からはみ出して生きることしかできなくて、途方もない闇に囲まれた夜を越えるのが辛い。でも、それでも、いつか自分で見つけ出した大丈夫になりたい。私だけの大丈夫。夜を越えることも朝を迎えることも、誰かを特別に思うことも誰かの特別になることも、全部全部諦めたくないな…。

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