革靴が好き(J.M.WESTON編)
私は革製品(レザー)が好きで、可能な限りレザーを使ったものを身の回りに置きたいと思っています。
(鞄、財布、手帳、ライダースやジャケット、そして靴などなど)
今回はそれらの中でも「革靴」について書きます。
J.M.WESTONをご存じですか?
私が好きな革靴ブランドの1つである「J.M.WESTON(ジェイエムウエストン)」は、1891年にフランスで誕生したブランドです。
(ブランド説明は以下のURLを参照ください)
ウエストンでは有名な靴のモデルがいくつかありますが、「#180シグネチャーローファー」と「#641ゴルフ」が特に有名かと思います。
※ウエストンのモデル名にはそれぞれ#数字が付き、靴好きは数字のみを読み上げればどのモデルかわかるという特殊技能を持っています。ウエストンですと、#180と#641、 #598(ハーフハント)、#705(サイドゴアブーツ)、#722(ジョッパーブーツ)あたりが必修科目といったところでしょうか。
私も例に漏れず#180と#641を持っており、ウエストンの180はコインローファー、641はUチップダービーの中で最も美しい靴だと思っています。
(もちろん私の独断と偏見ですので、他におすすめあればぜひ教えてください!)
これを見てくれた方にも是非お勧めしたく、以下にウエストンのおすすめポイントを書いていきます。
#180シグネチャーローファー
約1年ほど前に購入したコインローファーです。私のおすすめポイントを3点でまとめます。
おすすめポイント①
ウエストンの靴全般に言えることですが、革靴で最も大切ともいえる「革質」が抜群。
(私の中の「革質が抜群」=キメが細かい、ハリがある、革を磨いた際にすぐに光る(ツヤが出てくる))
こちらはボックスカーフという革が使われています。ウエストンは以前、エルメスなどにも革を卸している「デュ・プイ」というタンナー(動物の原皮をなめし、皮(皮膚)から製品用の革(皮革)を作る工場)を傘下に収めていたこともあり、革質について高く評価されていました。現在は、傘下から外れていますが、相変わらず革質は抜群です。おすすめポイント②
靴全体のバランスが最も美しい。
あくまで個人の感想ですが、サドル(中心にある帯状の革)の位置を中心として、靴の全長に対して履き口の広さと(=カカトまでの距離)、つま先までの距離、つま先の立ち上がり(ほぼ垂直に立ち上がっている幅)のそれぞれの比率が芸術的に美しいと感じます。
おすすめポイント③
サドルのデザインが好き。
コインローファーの場合、サドル中央に切れ込んだ意匠を入れることが一般的ですが、#180の意匠が王道だと思っており、好きなポイントです。(ジョンロブのロペスというモデルでは、意匠に楕円が切り込まれているなどブランドによって様々です。)
#641ゴルフ
こちらが約2年ほど前に購入したゴルフです。革は#180と同じくボックスカーフが使用されています。こちらはその名前の通り、ゴルフシューズとして作られました。おすすめポイントをまとめます。
おすすめポイント①
全体的にぽってりとしたデザインが綺麗過ぎないため汎用性が高い。
「革靴=ビジネス用途」と考える方も多いかと思いますが、私の基準は「普段履きできる革靴」が基本であり、普段スーツを着る仕事ではないのでビジネスだけではもったいない!というのが理由です。靴の全体の形を決めるのはラスト(木型)ですが、ゴルフの木型はシャープ過ぎず丸すぎず、ビジネスでもカジュアルでも着用できる絶妙な形を保っているといえます。(ただし、冠婚葬祭は避けた方がいいかと思います)
個人的に、初めてウエストンで革靴を購入しようという方は、まずはゴルフがおすすめです。おすすめポイント②
堅牢性(耐久性)が高く、長い年月を履くことができる。
ウエストンの靴を履いたことがある方ならわかるかと思いますが、ウエストンの靴はとにかく「硬い」ことで有名です。これは、革質が良いため、革そのものにハリ(コシ)がある事。また、ソール周り(ウェルト~アウトソール)の作りがしっかりしているため、歩行時に靴が屈曲しにくいことが起因しているのだと思います。
ただし、これは裏を返せば靴自体の作りがしっかりしている=堅牢性(耐久性)が高いと言えるのではないでしょうか。写真を見てもらえればわかりますが、革のハリが強いため2年経っても足の甲の部分の履き皺はよく見ないとわからない程度にしかついていませんし(シューツリーを抜いてもほぼ変わりません)、ウエストンの硬いラバーソールはほとんど削れていません。しっかりとメンテナンスをすれば、10年以上は余裕で着用できのがウエストンです。おすすめポイント③
なんとも言えないブラウンの色味
個人的に、ウエストンの「タンブラウン」という色味が最高に素敵だと感じています。現在は販売していませんが、光沢感があまりなくマットなロシアンカーフのブラウンが最高に素敵で、ファッションにも合わせやすいのでおすすめです。
ウエストンの靴を履く上での注意点も・・・
靴全般に言えることですが、大切なのが「フィッティング」です。特にウエストンにおいてはフィッティングに関する話題が絶えません。中でもウエストンの靴を調べると必ず出てくる「万力締め」と「豊富なウィズ」いうキーワードについて触れておきます。
「万力締め」とは・・・?
ジャストサイズもしくは適正サイズよりも少し小さめのサイズを選ぶ(※)ことで、まるで万力で足を締め付けられているような痛みがあることを形用した言葉。ウエストンの場合、革の硬さが相まって激しい痛みが伴うことで取り上げられる事が多い。
※革靴の製法(グッドイヤーウェルテッド製法)上、履き馴染むと革靴の中底(足の裏が直接当たる面)が体重によって自分の足の形に沈み込みます。沈んだ分の靴の中の空間は広がり、サイズ的には緩くなる方向になるため、若干小さめのサイズを選ぶことで馴染んだ時にジャストサイズになるようなサイズ選びが推奨されています。
ただし、結局痛みに負けて履かなくなっては意味がないので、ブランド側も小さめのサイズを積極的にはおすすめしていないとの事。
フィッティングで特に注意が必要なのがローファーです。ローファーには靴紐がないため、「サイズが多少大きくても紐を締めて調整」ができません。つまり、沈む分のサイズアップを考慮せずに間違ったサイズで購入すると、歩くたびにカカトが「パカパカ」した状態になり、見た目にも悪いですし、脚にもよくありません。
(大きいサイズの靴を履いていると、踏み込むタイミングなどに靴の中で足が前滑りするため靴擦れや、滑らないように変に足に力が入るため足を痛めることがあります)
#180シグネチャーローファーのウィズ展開は6種類!
足の形は千差万別。当然、足の横幅(=ウィズ/ワイズ)が狭い人もいれば、広い人もいます。そこで、ウエストンの特徴である「豊富なウィズ」がしばしば取り上げられます。
日本で展開する海外ブランドでは、ウィズは通常1種類。多くても、2~3種類が一般的ですが、ウエストンの#180ではなんと6種類(Aウィズ<細>~Fウィズ<太>)が準備されています。ウィズが増えるほど当然ですが在庫も増えるため、管理も大変ですし、在庫リスクもあります。(賞味期限があるものではないので破棄することはないと思いますが。。。)
このような事からも、ウエストンのローファーに対する並々ならぬこだわりが見て取れますね。紐で調節が利かない靴のためこれだけ豊富にウィズがあると大変助かります。
かく言う私も、細い足(少しきつめでウエストンBウィズにしています)をしているので他ブランドではなかなかしっくりくるものがなかったのですが、#180でぴったりのものを見つけて快適にローファーを履くことができています。
※日本では、D・Eウィズが一番のボリュームゾーンで、在庫も多くあるとの事でした。逆に、それ以上もしくは以下のウィズについては在庫自体が少ないため、フランス本国に生産してもらい空輸みたいな可能性があります。私の場合、当時日本で一足しかなかったBウィズがたまたま伺った直営店にあったので購入しました。)
ちなみに、私の素足での足長は約26.5cmで、#180はサイズ7のBウィズ、#641はサイズ7.5のCウィズを着用しています。上記していますが、ローファーのほうがタイト目なサイズ感にしているのがわかるかと思います。
フィッティングはぜひ直営店で
フィッティングについては、ブランドの直営店に行き店員の方に足を測定してもらいアドバイスをいただきながら、実際に試着することが大切だと思います。伊勢丹などの様々なブランドが一堂に介している売り場も非常に便利ですが、やはりそのブランドのプロがいる直営店で測定・試着・購入することを強くお勧めします。10万円以上する決して安い買い物ではないので、納得のいくまで試着を繰り返すことが大切です。
最後に
いかがでしたでしょうか?長々とウエストンについて書いてきましたが、根底にある思いとしては「愛着のあるものをケアしながら永く身に着けていたい」、これに限ります。その選択肢の一つがウエストンだっただけで、それぞれ大切にしていきたいモノ・コトがあると思いますのでそれらを大切にしていきたいですね。
私としては、ここまで読んでくださった方にウエストンの魅力が伝わればいいなと思います。
まだご紹介したい靴がいくつかありますので、近いうちに別のブランドをご紹介できればと思います。ではまた!
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