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【短歌一首】 朽ちたりと伐採されん神木は百歳越えても街を守れり

朽ちたりと
伐採されん
神木は
百歳越えても
街を守れり

街の神社の中で最も大きく、ご神木のようになっている楢(ナラ)の木。
久しぶりに通りかかると、何やら木の幹に貼り紙のようなものが結び付けられている。

ナラの木

夏には盆踊り、秋には天祖祭り、放課後の子供達の遊び場、朝の老人クラブのゲートボールなどにも使われる神社中央の広場に立っているナラの巨木は、いわば神社のシンボル的な存在。

何やら貼り紙

そのナラの木に貼り紙を発見したので、近くに寄って読んでみた。

貼り紙

貼り紙にはこう書かれてる。
「伐採予定。 この樹木は幹の腐朽が進んでおり、樹勢の回復が見込めないため撤去します。」と。 しかも伐採予定日は2月21日となっている。

貼り紙

樹勢=樹木が生育して生い茂る勢いのことらしいが、まだまだ元気そうに見えるし、この神社のシンボルがなくなってしまうのはとても寂しい。何十年も見てきたこの木。

まだまだ元気に生い茂っている

昨今は街中の高木や巨木が腐朽して枝が落ちたり、木そのものが倒れたりして、怪我人や死者も出ているので、自治体が専門の樹医に調査をしてもらった上での伐採の決断なのだろう。

あと何日見られるか

生まれた時からこの街に住んでいるという90歳の方が、この木は自分が生まれた時から立っていて、樹齢100年以上はゆうにある、と言っていた。

百年以上もこの街を見守ってくれてきた大きな木が、近いうちに切られてようとしてしているのは、人にとっても街にとっても大きな喪失。 本当に寂しい。

いつものお役所仕事で、伐採予定が大幅に延期されないかなとか、中止にならないかな、などど思いながら神社を後にした。 また今度、見にきてみよう。

猫間英介



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