【短歌一首】 ルーティンとなりしスコール明日どこに雨の柱を打ち据え去らん
もはや猛暑日とセットになっているゲリラ豪雨。
朝からの炎熱が地表を温め、地面や大気中の湿り気が一気に立ち上り、上空で巨大な積乱雲を形成し、それが一気に冷やされて大雨や雹を降らせる。
この日も午後には西の空模様が怪しい。よく見ると一部はすでに雨のカーテンとなっているように見える。すでにどこかの街に午後の大雨を見舞っているのだろう。今や熱帯地方特有の激しい通り雨であるスコールのようだ。そして出される記録的短時間大雨情報や洪水警報。
以前仕事で赤道直下のシンガポールに滞在していた時に、毎日のように午後にお決まりのスコールに見舞われたがそれと似ている。
遠くに見えていた雨のカーテンがどんどんこちらに接近してくる。これは最近ニュースなどでも耳にする「雨柱」だ。
「雨柱」とは局地的な強雨を遠方から見たときに見られる柱状の雨のことを言うが、この用語は以前は聞いた事はなかった。この言葉を知ったのはここ数年で、都心の局地的な「ゲリラ豪雨」を説明するときに専門家が用いている。
雨柱が見えるということはごく近い場所に強い雨を降らせる活発な積乱雲があることを示しているとのことなので、天気急変のサイン。
なお、自分の持っている電子辞書で「雨柱」という言葉を引いてみたが記載なし。気候変動により生まれた新しい専門用語なのだろう。
遠くに見えていた雨柱がだんだん背景の雲や空と一体化していきた。ということはもはや遠くの雨ではなく、いよいよ雨の真っ只中に入ってきたということか。
5分ほど経つと西の空から晴れ間が見てきた。そしてやや色が薄くなった雨柱が見えてきた。これは雨の中心がここから離れていく兆しなのだろうか。この日は雨柱が街をかすっていったという感じ。
これからこの夏、何度、雨柱を見ることになるのか。明日もまたどこかで記録的短時間大雨情報が出されるのだろうか。注意深く観察してゲリラ豪雨に備えよう。
猫間英介