頑張るって虚しい
一ヶ月前にはほとんど目無しとも思われていたドリブンズがここにきて丸山選手と村上選手の初トップや園田選手の爆発により、現在ボーダーのサクラナイツまで約240pt差まで迫ってきました。
240pt差を簡単に説明すると、直対試合で大きめのトップラスを2回決めれば逆転できるレベルです。
一体誰がこの展開を予想できたでしょうか。おそらくドリブンズファンの大多数の方もなかば諦めていたでしょう。堀選手の「ドリブンズにならトップ取られてもいい」発言が引き金かのように、すらすらとこんな状況になっていきました。
それはさておき、園田選手は最近のインタビューで口を酸っぱくして「まだ可能性は残っている」と発言しています。
可能性は一応残っている、というだけでまさにやるっきゃない状況のドリブンズですが、このような状況に限らず、泥臭く必死に頑張ることはとても虚しいです。
それは努力が実らず結果が生まれなかった時に起こる後悔や挫折が怖いからというのもありますが、その姿一部始終を他人に見られた上で失敗した時に相手から浴びせられる哀れみや嘲りが恥ずかしいからです。
正直、番組とはいえ息も絶え絶えになんとかしのいでトップを狙うドリブンズの選手を見ていて私は「もうそんなに頑張らなくていいのに」と思ってしまいました。
実際レギュラーシーズンの突破は至難の業であり、その先のセミファイナルをも突破する可能性は0に等しいはずです。それなのにあんなに頑張る姿は、私には滑稽に見えました。試合に出るだけであんな姿を晒し続ける村上選手や不調のたろう選手に関しては特に強くそう思います。
しかも園田さんはドラ1の選手で今期の成績はプラス、個人の人気も相まって、ハッキリ行って何か起きない限り数年は入れ替え候補にすら挙がらない選手のはずですから、今泥臭く頑張る必要はハッキリ言ってないのです。もっといつも通り飄々と構えて、「どうせ敗退するけど、いつも通り打つか」と構えるものだと思っていました。
どれだけ熱くなろうが、神に祈ろうが、期待値マックスを追い求めようが、努力なんてものは目標が大きければ大きいほど実りません。
更に言うと努力は地味です。こと麻雀に関しては、打ち手のレベルや目指すタイトルの価値があがるほどその努力は地味なものになります。「○○の局面ではこうするのが若干得だが、相手と場況による」のような曖昧で役に立つかも分からない知識を求められます。もちろん結果なんて簡単には出ません。
それなのに必死に頑張るのは恥ずかしくてダサいことなんだ、と頭では間違っていると分かっていてもそう生きてしまっていました。
しかしそれは間違っているんだと、努力する姿はカッコいいんだと、結果までつけて証明してくれたこの一ヶ月でした。
園田さんだけではありません。例えば石橋さんは自身の解説の不評を踏まえてか、リーチ時にはリーチ者が牌をツモる直前に話を切り上げて展開を邪魔しないように努め始めています。本田さんや高宮さんのスタイルチェンジも、きっと地味な努力を費やしてのものでしょう。
石橋さんはこの努力をほとんど気づかれることなく批判され続けるでしょうし、本田さんや高宮さんも今期結果が出なければ更なる批判を受けていたでしょう。それでも、彼らは努力を辞めません。
ニーチェの有名な言葉に、「脱皮できない蛇は滅びる」というものがあります。蛇の話は例えでしかありませんが、蛇の脱皮は2.3ヶ月に1回のペースで、人間でいうと髪を切る頻度とだいたい同じです。
もしかしたら私たちはそのくらいの期間ごとに成長すること、そのために努力することが求められているのかもしれませんね。
努力は簡単ではありませんし、何度も言うように恥がつきものであり、結果が出なければ辛く虚しいです。
頑張る素振りなんて見せずに何事にものらりくらりとしていれば、きっとそんな苦しみを感じることはないでしょう。
しかし、その恥を受け入れ醜い姿を晒して歩んだものにこそ掴み取れるものもある、と思うのです。
Mリーグ、こんな気づきを与えてくれてありがとう!!
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