🎹 DTMer・作曲家の目線から見るK-Popの特徴 - 上編
みなさん、こんにちは!
I’chiba’nです!
みなさんはK-Popを聴いてますか?👀
若い方を中心にK-Popのファンが増えていますねー!
日本でもK-Popスタイルの楽曲が多く出ているので、
韓国風のダンスミュージックを作ってみたいと思う方も多いかと思います!
今回の記事からは、DTMer・作曲家の目線から見た
K-Popの音楽的な特徴と、作り方のコツを紹介します!
作曲家、DTMerの方のために作成された記事ですが、
K-Pop好きの方も、この記事を読むと、
より音楽的に好きな楽曲を聴けるようになるかと思いますので、
ぜひ読んでみてください!♪✨
K-Popはどんなジャンル?
aespa
K-Popは、海外のポップと似ているようで、
少し味が違うところもありますよね。
K-Popというと、
韓国のアイドルミュージックを思い出す方が多いと思いますが、
もう少し作曲家、DTMer(?)としての目線で、各曲を細かく聴いてみると、
一曲の中でさまざまなジャンルが
混ざっている場合が多いことがわかります。
いわゆる、「ハイブリッド」ですね。
aespa - Next Level
aespaの「Next Level」は、映画「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」
に使われた同名の楽曲をK-Popスタイルにアレンジにされ、
新しく完成された楽曲です。
オリジナル楽曲と、aespaのバージョンを聴いてみると、
メインループとなるベースラインを繰り返すことは同じですが、
aespaの方がよりアレンジ的に変化が多いことに気が付くと思います。
原曲には入ってなかった、
Jazzで使われるスウィングリズムのメロディが新しく入ったり、
(2:08 から)
ドラムのリズムや楽器編成が急に変わるなど、一曲の中で、
何回もジャンルやスタイルを変えることで、
一般的なポップスとはまた違う味を出しています。
K-Popは、意図的にジャンルとジャンルを合体させ、
新しいサウンドを作ることを追求しているので、
K-Popをちゃんと理解するには、
各曲、もしくは、たった1曲の中でも
各パートの元ネタになったジャンルを理解する必要があります。
ベースになる、EDMを理解しよう
K-Popは全く新しいジャンルの音楽ではありません。
アメリカで流行りのダンスミュージックを元にしているジャンルです。
EDMというジャンルは大きい分類にすぎません。
House, Dubstep, Future Bass, Hyper Popなど、
EDMはまたさまざまなジャンルに分かれます。
K-Popは、
その細かい一個一個のジャンルにこだわる楽曲ですので、
より注意してEDM市場の傾向にも目を通しておく必要があります。
Kep1er - WADADA(ジャンル:Bigroom House)
WADADAは、
耳を通し、心臓まで入ってくるような低音のキックドラム(ベースドラム)
が特徴的な「Bigroom House」ジャンルの曲です。
(WADADA - 0:49, TSUNAMI - 1:17から比較して聴いてみてください。)
LE SSERAFIM - ANTI FRAGILE (ジャンル:Moombatone)
毎年夏になると必ず流行るジャンルでもなるMommbatoneです。
ダンスミュージックにしては早くないテンポに、
レゲエ、スペインのシエスタに合いそうなドラムのリズムが特徴です。
(ANTI FRAGILE - 曲全般、Lean on 00:50からのドラムリズムを比較して聴いてみてください。)
ITZY - WANNABE (Future House)
WANNABEは、独特なベースの音色、そのベースラインをループ化して、
繰り返すことが特徴である「Future House」です。
雑談ですが、このWANNABEが収録されたITZYのシングル
「IT`z ME」には、「Future House」シーンで一番有名なアーティスト「Oliver Heldens」が制作した楽曲、
「TING TING TING」が収録され、当時話題になりました。
(WANNABE - 0:19, Bunny dance 0:45から、メインループの音を比較して聴いてみてください)
Dreamcatcher - The Curse of Spider (ジャンル:Drum & Bass)
Drum & Bass は、独自のドラムリズムで簡単に把握することができます。
Drum& Bass はHappinessなど、
日本でもさまざまなダンスグループが使ってきた歴史の長いジャンルです。
K-Popだと、Twiceの「Cheer up」なども、Drum & Bassジャンルです。
(The Curse of Spider - 00:10、NOVA曲全般、Come Come 曲全般において、使われているドラムリズムを比較して聴いてみてください。)
EDMジャンルの流行り、傾向を確認するには、
エレクトロミュージックレーベルが提供しているライブ配信、
Spotify, Apple Musicの月間プレイリストなどを聴いてみることで、
確認できますので、好きなジャンルを探してその特徴を調べてみましょう!
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ポイントになる、ヒップホップを理解しよう
まずK-Popを理解するために一番知る必要なジャンルとしてEDMをお話させていただきました!
次はヒップホップです♪
日本のアイドル音楽とK-Popの大きい違いの一つは「ラップ」の有り無しです。
もちろん日本の楽曲にもラップが入ることはありますが、
K-Popは必ず、と言ってもいいぐらいラップが入っている楽曲の数が多いです。
その理由は、
ラップが入ると、簡単に楽曲の雰囲気(ジャンル)を変えられるからです。
韓国でヒップホップはとてもポピュラーなジャンルだからです。
日本でも最近、R-指定、Awitch、JP The Wavy, Kohhなど、
頻繁にヒップホップアーティストの話を聞けるようになりましたが、
韓国では10年前から、
ヒップホップが音楽だけではなく、若者の文化として
深く関わっています。
ヒップホップの理解度はK-Pop楽曲のラップパートを作る時に
大事なポイントになります。
韓国のヒップホップ楽曲の例:
AP Alchemy - step back b**** 'cause I'm too fye(ジャンル:Trap)
Changmo - TAIJI (ジャンル:Boombap)
ヒップホップ = ラップミュージックだけのイメージで終わるのではなく、
ヒップホップの中の細かいジャンルを理解すると、
作ってる曲のラップパートにどのジャンルのリズムが似合うのか、
多くのバリエーションができます。
以下は実際にアイドルのK-Pop楽曲に、
ヒップホップ系のリズムが使われた例の楽曲です。
MOMOLAND - BBOOM BBOOM
ベースになるジャンル:House, 80s Disco
ラップパートのジャンル:Trap(1:40 から)
SEVENTEEN - SONGOKU
ベースになるジャンル:Jearsy Club
ラップパートのジャンル:Trap(0:43 から)
TWICE - Hare Hare
ベースになるジャンル:Tropical House
ラップパートのジャンル:Trap(1:32 から)
Trapになると、急に曲のテンポ感を落としたりすることができ、
曲の雰囲気を喚起させることができるので、5〜6年前から最近まで、
よく聞こえています。
本日は、K-Popのジャンル的な特性に関して紹介させていただきました!
最近大ヒットしているYOASOBIさんの「アイドル」も、
K-Popのような曲だと感じたのですが、
激しいジャンルの変化がくれるK-Popのようなハイブリッド感、
ラップパートのアレンジにしっかり入っているTrapのリズムに、
YOASOBIさん得意の綺麗なメロディーが乗って、
とても素敵な楽曲だと思いました!
韓国語で歌わないとしても、
聴く人を1秒も離さないための細かいアレンジと、ハイブリッド感など、
K-Popで勉強できるところを自分の曲に入れ込んでみるのはいかがですか?
次回は、K-Popのより深い特徴を紹介しようと思っています!
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